さつまいも

Sweet potato

茨城県はかんしょ(さつまいも)の産出額は全国1位の大産地です。

茨城県内で1番多く栽培されている品種は、濃厚な甘みが特長で焼きいもなどでも大人気の「べにはるか」。そして、ホクホクした食感が特長の「ベニアズマ」や、絹のようなしっとりした食感が特長の「シルクスイート」など様々な品種が栽培され、貯蔵期間を経てから年間を通して出荷されています。

県内のオリジナルブランド

IBARAKI BRAND

さつまいもでは東日本初のGI取得 行方かんしょ

特長 紅こがね、紅まさり、べにはるかで年間を通して安定供給

行方ファーマーズヴィレッジとともに第56回農林水産祭で天皇杯を受賞したJAなめがたかんしょ部会連絡会もある行方市で生産され、行方かんしょブランド推進協議会が認定したさつまいもに与えられるオリジナルブランドで、さつまいもとしては東日本初となるGIを取得した行方かんしょ。茨城県内では、江戸崎かぼちゃ、飯沼栗、水戸の柔甘ねぎ、奥久慈しゃもに続く5例目となっています。キュアリング処理、長期定温保存することから糖度が高く甘みが強い良食味が特長です。

point

  • 01糖化し甘みに変化するデンプン含量が多い
  • 02糖度が高く甘みが強い良食味
  • 03通年で対応ができる「品種リレー出荷体制」

紅色の外観と優しい甘みが魅力 紅優甘(べにゆうか)

特長 熱せれば!水飴のような強い甘さ

JAなめがたしおさいのオリジナルブランドのひとつ。品種はねっとりとした粘りのある食感としっかりとした甘さで人気の「紅はるか」です。この後に続く中生の「紅まさり」、晩生の「紅こがね」とリレー形式で収穫していくのJAなめかたしおさいかんしょ部会の特徴です。その口火を切る「紅優甘」の人気は高く、掘り採った直後のものでもしっとりとした食感の焼き芋ができます。熟成を重ねると強烈な甘みが引き出され、全国の焼きいもファンに届けられています。他のさつまいもより「麦芽糖」が豊富で、水飴のような強い甘さが特徴です。

point

  • 01「甘さ」が「優れている」から紅優甘!
  • 02糖化が早く進むので早期出荷から甘さが際立つのが特徴
  • 03加熱調理で麦芽糖に変化するので、水飴のような自然な甘さ

紅こがねの最高峰!
9か月間定温&定湿貯蔵熟成紅こがね

特長 しっとり甘く濃厚な風味

ホクホク系の「ベニアズマ」の中から優秀な個体を選抜して作り出だした「紅こがね」。そんな「紅こがね」を9か月間もの長期間、定温・定湿貯蔵したJAなめがたしおさいのオリジナルブランドがこの「熟成紅こがね」です。糖度が非常に高く、焼き芋にすると甘みがさらに増し、ホクホク系ながらもしっとりとした口当たりとなります。冷めても柔らかく、濃厚な風味を味わうことができます。

こだわり さつまいもの貯蔵性、甘み、しっとり感を高める先進技術

熟成紅こがねを作る際に採用しているキュアリング処理は、温度32℃&湿度90%以上で4日間保管し、表皮下のコルク層を増やすことで貯蔵性をグッと高める技術です。さらに、定温&定湿状態(温度13℃、湿度90%以上)で貯蔵しているのも注目ポイント。9か月にも及ぶ貯蔵条件が「さつまいもを最も長期保存しながら甘みを増すことができる」という結果に出ています。貯蔵によってさつまいもが甘みを増すのは、βアミラーゼという酵素がテンプンを、甘みとして感じることのできる麦芽糖に糖化するから。甘みとしっとり感が増します。

point

  • 01冷めても美味しいをキープ!夏の冷やし焼き芋に最適な品種!
  • 02長期間熟成で初夏から出荷の超晩生品種
  • 03最先端キュアリング施設が実現させた長期保存
特集記事 しっとりあま~い熟成紅こがね

茨城県産さつまいもの主要品種

MAIN VARIETIES

平成を代表する超新星!超高糖度を誇る人気品種! べにはるか

特長 スイーツを超える糖度を誇る甘さで人気

全国シェア90%を超える茨城県のほしいもの中でも、特に消費者から選ばれているのがこのべにはるか。それまではベニアズマ一強だったさつまいも界隈でしたが、超高糖度を誇るべにはるかが主役の座を奪い取りました。作付面積でも2位のベニアズマの倍以上!茨城県を代表する品種です。ねっとりとした実質は天然のスイーツ!海外のヴィーガンからも熱い視線を集めています。特に加熱したときの甘みは特筆。キュアリング貯蔵により糖度をさらに高め、ねっとりとした実質になったものが市場に出荷されています。

point

  • 01加熱すると糖度50以上!果物を超える天然スイーツ
  • 02低温貯蔵で滴る芋密が美味しさの証拠
  • 03ねっとりとした滑らかな食感

茨城県生まれの昭和を代表する定番ホクホク系! ベニアズマ

特長 心温まるホクホク系の定番品種

主役の座をべにはるかに奪われたといっても、まだまだ関東で根強い人気を誇るベニアズマ。鮮やかな紅色の姿をしていることから、その名が付けられました。大地の恵みをたっぷり享受した果肉は、黄色く粉質で、繊維質が少ないのが特長。蒸しても焼いても、ホクホクとした食感と深い味わいを楽しめます。ビタミンCと食物繊維をたっぷり含んでいるのも、うれしいポイントです。

point

  • 01ホクホクとしたさつまいもらしい食感
  • 02どんな料理にもぴったりはまる万能選手
  • 03加熱で糖度は2倍に倍増!

その名の通りのシルクのような食感!しっとりと滑らかに!シルクスイート

特長 甘さだけでないさつまいもの魅力を味わえる

親は紅まさり。焼き芋にしたときの滑らかな食感とほどよい甘さが反響を呼び、登場以来人気の品種。しっかり甘いけど、余韻にその甘さを引きずりすぎないところが、後味が良いとされています。加熱すると鮮やかな黄色が映える美しさも特徴のひとつです。収穫直後は少し粉質でホクホクとした食感に焼き上がるのですが、貯蔵することで粘質が出て甘みがグッとアップ。ベニアズマとともにどんな料理にでもある万能選手です。

point

  • 01べにはるかとベニアズマの良いところどりの万能選手
  • 02唯一無二のシルクのような食感
  • 03自然な甘みで後味もスッキリ!

美しい黄色い色とバランスのとれた甘みが特徴紅まさり

特長 しっとりとなめらかな舌ざわり

平成4年に誕生した品種「紅まさり」。少しねっとりした食感とバランスのとれた甘みで人気です。JAなめがたしおさいでも積極的に栽培されています。さつまいもの旬を告げる早生品種のひとつで、最初に店頭に並ぶことが多い品種でもあります。前述の紅こがねや紅優甘が麦芽糖とショ糖でほぼ構成されているのに、果糖やブドウ糖を含むのが特長です。これにより甘さの種類が増え、豊な風味を楽しめます。

point

  • 01水分が多くしっとりとした舌ざわりと自然な甘み
  • 02果糖やブドウ糖など多様な甘みを感じる品種
  • 03生芋でも紅あずまを超える糖度14度以上!

昭和のほしいもの代表品種!玉豊!玉豊(タマユタカ)

特長 昭和のほしいもを牽引した素朴な甘み

昭和35年に誕生した玉豊。ほしいもにすると甘さが引き立つということで、それまでデンプン用に栽培されていたものをほしいもに加工して販売。茨城県がほしいもシェア全国90%以上を誇るきっかけとなりました。見た目は灰白色ですが食べてみると噛むほどに素朴な甘みが口の中に広がっていく品種です。いまでは希少品種となってしまいましたが、その素朴さを求めるコアなファンも!水分がしっかり抜けた玉豊のほしいもはストーブなどで少し焦がして食べると、また違った風味を楽しめます。

point

  • 01昔ながらのほしいもの味わいを楽しめます
  • 02噛むほどにその良さを味わえる品種
  • 03玉のような豊満な形で玉豊

茨城生まれ!茨城育ち!収量が少ない希少品種!泉13号

特長 栽培が難しく流通量の少ない希少品種

昭和13年茨城県農業試験場の技師・泉正六氏が開発した泉13号。当初は生食用として開発されましたが、乾燥過程の中で甘さがグッと増していくことから、ひたちなか市や東海村を中心にほしいも向き品種として栽培されました。ただ、この泉13号は玉豊に比べ収量が低く、希少品種とされ「幻のいずみ」と店頭に並びました。掘りたての泉13号は白色ですが、丁寧に乾燥させると黄金色を呈してきます。

point

  • 01さつまいも本来の力強い風味を感じられる品種
  • 02流通量が少ない超希少品種
  • 03上品な甘さとほどよいネットリ感

茨城のさつまいもを美味しく食べる!

EATING GUIDE

調理のヒント

皮をむいたさつまいもは空気に触れると黒く変色しやすいので、切ったらすぐに10分程度水にさらしてアクを抜きましょう。アクは皮の下にあるので、むく場合は厚めに。さつまいもに含まれるβ-アミラーゼと呼ばれるでん粉分解酵素は70℃位で最もデンプンの糖化を進めるので、じっくりと煮たり、焼いたり、蒸したりして、時間をかけて加熱すると、電子レンジでの急激な加熱よりも甘味が出ます。一度調理して甘くなったものを温め直すには、電子レンジが便利です。

保存方法

最適貯蔵適温は13℃±2℃前後です。低温にとても弱いので、冷蔵庫には入れず、乾燥しないように新聞紙などでくるんで常温で保存します。ポリ袋などに入れたまま放置すると、蒸れて腐敗の原因になるので、袋から出しましょう。切ったものは傷みやすいので、ラップをして野菜室で保存します。

よくある質問

FAQ
  • 茨城県ではどのような品種が栽培されていますか。

    べにはるか、ベニアズマ、紅まさり、シルクスイートなど様々な品種が栽培されています。

    「いばらきのさつまいも品種一覧」はこちら
  • 品種によってどのような違いがありますか

    ホクホクの食感の「ベニアズマ」や、しっとりした食感の「紅まさり」、近年ではやわらかく濃厚な甘みの「べにはるか」、なめらかな舌触りでさっぱりとした甘さの「シルクスイート」など、品種によって食感や甘さが違います。

  • 茨城県のさつまいもの産出額と生産量は全国で何位ですか。

    茨城県のさつまいもの産出額が全国1位(農林水産省主要農産物の産出額と構成割合統計 令和4年産)、生産量は鹿児島県に次ぐ全国2位です。(農林水産省作物統計 令和5年産)

  • 茨城県ではどうしてさつまいも栽培が盛んなのですか。

    さつまいもの栽培に適した、赤土でなだらかな傾斜のある水はけが良い畑が多いためです。

  • 地理的表示(GI)制度で保護されている「行方かんしょ」とはどのようなさつまいもですか。

    「行方かんしょ」は糖度が高く甘みが強いさつまいもです。貯蔵中の腐敗を防ぐ「キュアリング処理」を行い長期低温貯蔵した3品種のさつまいもを、最もおいしい時期に出荷する「品種リレー出荷体制」により年間を通しておいしいさつまいもを提供しています。

  • さつまいもにはどのような栄養がありますか。

    カロリー 食物繊維 カリウム β−カロテン ビタミンE ビタミンB1 ビタミンC
    さつまいも 126kcal 2.2g 480mg 28μg 1.5mg 0.11mg 29mg
    焼きいも 151kcal 4.5g 500mg 35μg 1.4mg 0.13mg 13mg

    ※100グラムあたり ※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

    ビタミン類

    β−カロテン 体内でビタミンAに変わり、体内で脂質抗酸化物質として機能し、がん細胞の増殖を抑制する効果があるといわれています。
    ビタミンE 老化現象のもとになるといわれる過酸化脂質が体内にできるのを抑制する働きがあります。
    ビタミンB1 さつまいもに多く含まれているビタミンの1つです。糖質の利用を助ける作用があり、不足すると疲労感が増します。
    ビタミンC 細胞の結合を強化したりコラーゲン生成を助ける機能があります。さつまいものビタミンCは、加熱調理しても糊化したでん粉の作用により壊れにくいのが特徴です。

    ミネラル類と食物繊維

    カリウム 腎臓からナトリウムを排出する作用を持ち、血圧低下に効果的。他の野菜類と比較しても極めて豊富です。
    食物繊維 他の野菜と比べると食物繊維を多く含んでいます。便秘を解消させるだけでなく、血液中のコレステロールを低下させる作用や血糖値をコントロールする働きもあります。
  • さつまいもの食べ頃はいつですか。

    収穫後、2週間~1か月程置くと追熟し、おいしく食べることができます。皮が濃いピンク色や紫色になっているかと、色が均一に変わっているかをチェックしてみてください。

  • おいしいさつまいもを選ぶポイントは何ですか。

    皮の色が均一で鮮やかで、ツヤがあり、表皮に凸凹や傷、斑点がないものを選びましょう。品種により太さもいろいろありますが、見た目がふっくらとしたものがおすすめです。糖度が高いものは切り口にアメ色のみつが染み出てくるので、黒いみつの跡があるものは良いものです。

  • さつまいもの保存方法はどうすればいいですか。

    10~13℃の常温下で、新聞紙等に包んで冷暗所に置くと約1か月保存できます。

  • さつまいものレシピを教えてください。

    「いばらきの味 レシピ集」でさつまいものレシピを紹介しています。

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