生産者の愛情がコイを育てる

　コイの養殖は、"陸上の池"と、霞ヶ浦北浦内の"網いけす"で行われています。最初は4月下旬～5月上旬に、陸上の池に親となるオスとメスのコイを泳がせ、スギなどの木の葉でつくる産卵床に自然に卵を産ませます。産卵後は親を取り除き、卵がかえるのを待ちますが、いい卵が産まれたか、たくさんの元気な稚魚に育つか、気になる時期です。
稚魚がおよそ30グラムになる7月から11月に行われるのが、湖上の網いけすへの引っ越しです。育つ環境が変わるため、コイが早くなじんでくれるのを祈りつつ、県の指定した『環境配慮型』の配合飼料(エサ)を、日々、様子を見ながら与えます。

　1年目(およそ1歳)のコイは小骨が口にあたりにくいといわれ、酢味噌やわさび醤油などで頂くコイの刺身『鯉のあらい』に向いているといいます。2～3歳のメスのコイは卵を豊富に持っているので、特に『鯉のうま煮』に向いています。
霞ヶ浦北浦の養殖では、様々な大きさのコイが育っているので、こうしたニーズにしっかり応えることができます。だからこそ地元の料理店や物産店で、いろいろな食べ方でコイの味を楽しむことができるのです。