旬のうまいもの特集
驚くほどの肉厚と甘味が自慢の「鹿島たこ」
- コンテンツ:
- 船上・漁レポート
- タコに傷をつけない工夫
- 水揚げ、出荷
- 味わい
驚くほどの肉厚と甘味が自慢の
「鹿島たこ」
茨城県は、全国トップクラスのタコの加工生産地。蒸しだこが主体です。加工原料はその生産量の多さから国内外からやってきます。一方、茨城県の沖合では、主にマダコとみずだこが漁獲され、それぞれ異なる食感、旨みを味わうことができます。
なかでも大洗以南に広がる鹿島灘(かしまなだ)で獲れるマダコは、以前から「鹿島たこ」と称され、地元でもお正月に大変もてはやされて珍重されています。たいへん肉厚で歯ごたえがあり、貝やエビを食べて育っているため、甘味が豊かとされています。
1.船上・漁レポート
鹿島灘は、茨城県の大洗から千葉県東部の犬吠埼に広がる太平洋の海域のこと。暖流と寒流が交錯し、豊富なプランクトンを求めて魚が集まる好漁場です。また、冬期は荒波で知られます。
11月下旬から2月という非常に限られた期間しか獲れない鹿島たこ。漁の時期になると、漁師は日々、冬の冷たい海へと船を出します。
「この時期は風が吹くので、天候との勝負。強風では仕事にならない。」と語るのは、鹿島灘漁協所属、やまもと丸船長の山本正さん。冬は陸では風が弱くとも、沖に出れば強風の為引き返すことも少なくないと言います。
午前6時に鹿島港を出港し、漁場までは約20分。沖合8~10キロメートル、水深約20~30メートルが鹿島たこの漁場です。
鹿島たこの漁は、タコを傷つけずに獲れる、伝統の「タコツボ漁」で行います。1つ4~5kgのタコツボを、漁場1箇所につき60個~70個仕掛けて、一晩から数晩、タコが入るのを待ちます。
タコツボの仕掛けの目印は、水面に立つ竹とそこに付けた旗。タコツボの回収は風が穏やかであれば、1日10箇所以上で行われます。
やまもと丸のタコツボ回収は、船の船首で行われます。まず目印の竹をたぐり寄せてから、機械と手でタコツボを引き上げていきます。回収は、リレー形式。まず一人目がツボを引き上げ二人目にパス。二人目がタコが入っているかを確認し、三人目にパス。三人目は、この作業後に再びタコツボをスムーズに海に入れることができるよう、ツボと縄の位置を調整しながら、ツボを船上に並べて置いていきます。
ツボの入り口が見えるように並べたら、タコが入っている証拠。タコが自分で出てきたところを捕まえたり、後で述べる一工夫でツボから追い出して、船上の生簀に保管していきます。
2.タコに傷をつけない工夫
高品質な鹿島たこは漁獲後の取り扱いもポイントになります。漁師が特に気を使うのが、タコツボからタコを取り出すとき。タコが自らツボから這い出てくればよいですが、出てこないタコも当然います。そんなときは濃い塩水をツボの奥にピュッと入れると、塩水を嫌がったタコがツボからニュルニュルと這い出てきます。お正月など、祝い事にも使われるタコに傷をつけない工夫です。
3.水揚げ、出荷
4.味わい
※このページの情報は2017年3月時点のものです。
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