旬のうまいもの特集
【特集】しっとりあま~い 熟成紅こがね
茨城県は、鹿児島県に次いで全国第2位を誇るさつまいもの生産県ですが、さつまいも産地として40年以上の歴史を持つJAなめがたしおさいは、約700haが栽培される生産量・品質ともにトップクラスの産地で、年間を通じて高品質なさつまいもを安定して出荷するための取り組みを進めています。
JAなめがたしおさいは、茨城県の南東部に位置する行方市にあります。 さつまいも畑が広がる行方台地は、霞ヶ浦、北浦という2つの湖に挟まれた赤土の傾斜畑です。非常に水はけが良く、さつまいもの生育にとても適しており、古くからさつまいもの栽培が盛んです。
また、10年以上前から、茨城県(農業総合センター、農業研究所、行方地域農業改良普及センター)と一緒に、焼き芋の『おいしさ』について研究し、消費者の皆さんに喜んで食べてもらえる焼き芋を目指したさつまいもの産地づくりに挑戦しています。
研究の結果、下記のことがわかりました
①さつまいもは、焼き芋にする品種・時期によって、しっとり感と甘さが大きく変化すること。
②1年を通して安定しておいしい焼き芋ができる3品種(紅優甘、紅まさり、紅こがね)を選定すること。
③上手に貯蔵することで、よりしっとり・より甘く熟成すること。
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さつまいもは、定温・定湿度状態で上手に貯蔵すると、熟成され、貯蔵前に比べて甘く、しっとりとした食感になります。長期間定温貯蔵することで、鮮度を保ったまま、芋に含まれるデンプンが麦芽糖に変化する「糖化」という現象が進むためです。
糖化したさつまいもを焼き芋にすれば、しっとり甘く、冷めても焼き上がり直後のようなおいしさが楽しめます。そのおいしさは、はしりである6月から8月に出回る新芋よりも、貯蔵された芋の方がおいしいとさえ言われるほどなのです。
JAなめがたしおさいでは、平成17年からキュアリング定温貯蔵庫を建設し、さつまいもを温度13℃、湿度90%以上の定温・定湿度状態で大切に貯蔵しています。そして、平成24年から新たに6月から8月期の定温貯蔵芋を「熟成紅こがね」という商品名で出荷しています。
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キュアリング処理(※1)により貯蔵性を向上させ、さらに芋が最も消耗しにくい定温・定湿度条件(温度13℃・湿度90%以上)で貯蔵することで、年間を通しておいしいさつまいもが出荷できます。
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長期間貯蔵することで、芋に含まれるデンプンが糖に変化する「糖化」(※2)という現象が進み、甘さが増加してしっとりとした食感に変化します。
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「東京スカイツリー」内の商業施設「東京ソラマチ」の西ゾーン屋上にある都市型屋上農園「ソラマチファーム(らぽっぽおいも畑)」では、JAなめがたしおさいと食品会社の共同企画による「おいも株オーナー制度」を実施しています。おいも畑の土、さつまいもの苗はJAなめがたしおさいのものが使用されています。
毎年春と秋には、オーナーの皆さんが苗植えや収穫を楽しんでいます。
おいも株オーナー制度
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皮の色つやがよく、表皮に傷や凸凹がなくなめらかでハリがあり、太くて紡錘形のものが良品です。端に細いものや黒い斑点、傷があるものは避けましょう。また、ヒゲ根があるものは繊維が多いので避けましょう。切り口に蜜が出ていたり、黒い蜜の跡があるものは、糖度が高い証拠です。
さつまいもは、各種ビタミンやミネラル類と食物繊維を豊富に含んでおり、高機能・低カロリーで美容にも効果的な食物です。
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【調理のヒント】
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皮をむいたさつまいもは空気に触れると黒く変色しやすいので、切ったらすぐに10分程度水にさらしてアクを抜きましょう。アクは皮の下にあるので、むく場合は厚めに。
さつまいもに含まれるβ-アミラーゼと呼ばれるでん粉分解酵素は70℃位で最もでん粉の糖化を進めるので、じっくりと煮たり、焼いたり、蒸したりして、時間をかけて加熱すると、電子レンジでの急激な加熱よりも甘味が出ます。一度調理して甘くなったものを温め直すには、電子レンジが便利です。
【保存方法】
最適貯蔵適温は13℃±2℃前後です。低温にとても弱いので、冷蔵庫には入れず、乾燥しないように新聞紙などでくるんで常温で保存します。ポリ袋などに入れたまま放置すると、蒸れて腐敗の原因になるので、袋から出しましょう。切ったものは傷みやすいので、ラップをして野菜室で保存します。
※このページの情報は2023年11月時点のものです。
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