旬のうまいもの特集
新鮮で甘いトウモロコシ「夏祭り」
- コンテンツ:
- JA北つくば結城園芸部会トウモロコシ部の歴史
- 北つくば結城のブランドとうもろこし「夏祭り」
- 朝どりとうもろこしの取り組み
- 「ピクニックコーン」
- JA北つくば結城青年部
- 「夏祭り」が買えるお店
茨城県はトウモロコシの生産量全国第3位の名産地。なかでも、トウモロコシの栽培が盛んな結城市は、茨城県の西側、関東平野のほぼ中央にあり、昔懐かしい中世城下町の原形が北端の市街地に残る一方、南部は一大農業地域になっています。
結城市は、昔から白菜中心の農業地域でしたが、白菜の連作障害を防ぐために、初夏から秋にかけて陸稲を栽培していました。しかし、陸稲ではなく、収益性に優れるトウモロコシを導入する事例が増えていき、このことがきっかけとなって栽培面積も増え、今や県を代表するトウモロコシ産地となりました。
JA北つくば結城園芸部会トウモロコシ部は、昭和60年に設立され、地域で本格的なトウモロコシ栽培をスタートしました。部会では、より美味しいトウモロコシを作るため様々な品種を試験栽培し、その時々で一番おいしい品種を導入してきました。
常にさらにおいしいトウモロコシを探し求めてきた結果、平成9年に、「味来(みらい)」という品種が選ばれました。「味来」はそれまでの品種よりも甘みが強く、ジューシーで皮もやわらかいトウモロコシで、部会ではこれを「夏祭り」という独自ブランドとして生産・販売することにしました。
JA北つくば結城園芸部会トウモロコシ部では、「夏祭り」として販売する品種をすべて「味来」で統一しており、現在84名の部会員で、約150haの面積を栽培しています。
トウモロコシは、日中高温になると甘さが低下しやすいため、甘さを保ったまま消費者の皆様へお届けできるよう、収穫は朝8時までと厳しく決められています。
また、収穫されたトウモロコシは、すぐ箱詰めされ、昼の12時までにJAの集荷場に集められます。集荷されたトウモロコシは、その鮮度を損なわないように「真空予冷」をかけることで、通常の冷蔵庫よりも、すばやく冷やして鮮度と味を維持します。そして、その後、次々と大型トラックで出荷され、各地に販売されていきます。
真空予冷とは、この現象を利用したもので、トウモロコシを真空予冷装置の中で一定時間真空状態にさらす事で熱を奪い、短時間でトウモロコシを冷やす鮮度維持システムです。
JA北つくば結城では、輸送時に温度を低く保ち、トウモロコシの鮮度を保つため、平成23年度から保冷車を導入しました。それまでは断熱材を入れた運搬車の利用だけでしたが、「より鮮度の良いトウモロコシを届けたい」という生産者の思いを受け、チルドで運べる保冷車を導入しました。
現在、トレーラー1台、大型トラック4台、計5台の保冷車が鮮度を維持したままのトウモロコシを首都圏の市場へ運んでいます。
「夏祭り」の中でも、収穫した当日の朝に店頭に並ぶ「朝どりトウモロコシ」という商品があります。トウモロコシは、収穫した瞬間から糖度が落ちていく作物です。そのため、出来る限り鮮度の良い状態のまま、皆様のもとへお届けすることが何より重要です。
朝どりトウモロコシの収穫を始めるのは、なんと深夜2時。早朝4時半までにJAに出荷し、5時にはお店に向けて配送するシステムになっています。これらの取り組みにより、朝10時には都内の量販店の店頭に、より新鮮で美味しい「夏祭り」が並び、トウモロコシ本来の甘さを味わうことができます。
朝どりトウモロコシは量販店との完全契約販売で、シーズンが始まると約1ヶ月間、農家の方は休み無しで収穫し続けます。それでも、「もっと美味しいものを届けたい!」という一心で、農家の方は朝どりトウモロコシに取り組んでいます。
というのも、店頭で他の品種と並んだ場合、その小ささゆえに、お客様の手になかなか取っていただけない品種だからです。
しかし、その味は、「味来」よりも甘く、やわらかい食感とすっきりとした甘さが特徴です。「冷たくされると甘いんです。」というキャッチコピーのとおり、冷蔵庫で冷やして食べるとより一層甘さが引き立ちます。直売所などでも稀にしか並ぶことがありませんが、見つけた時はぜひ手に取ってみてください。(2012年度の生産はほぼ終了しました。)
JA北つくば結城の青年部では、平成20年度から地元小学生を対象にトウモロコシ栽培による食農教育学習会を行っています。
毎年、種まきから、植え付け、収穫作業などの栽培体験や座学の学習会を一通り体験してもらうことで、農作物を作る大変さ・楽しさを知ってもらうとともに、人のために汗を流すことの尊さを学び、地元農産物への理解を深めてもらっています。
甘くておいしいトウモロコシは、子ども達にも大人気。JA北つくば結城の青年部では、「未来の消費者と農業者を育てるため―」、今後もこの活動を続けていきたいとのことです。
※このページの情報は2020年8月時点のものです。
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