旬のうまいもの特集
ひぬまやまとしじみ
茨城県中部に位置する涸沼(ひぬま)は、那珂川の堆積作用で封鎖された海跡湖です。周囲は22キロメートル、最大水深は6.5メートルで、涸沼川の一部が横長に膨らんだような形をしており、およそ10キロメートルほどで海に出ます。
満潮時には海から涸沼川を通じて海水が逆流し、淡水と海水が混ざり合う「汽水湖」となります。「汽水湖」は全国的にも珍しく、海水魚と淡水魚の両方が生息しています。このように恵まれた環境で獲れる涸沼のしじみは、日本三大しじみ(島根県・青森県・茨城県)の一つにも数えられています。
涸沼は、大量の海水が流れ込む汽水湖のため、養分が豊富で「大和しじみ」の生育に非常に適した環境です。涸沼で獲れるしじみは粒が大きくなることが有名で、大きいものは500円玉くらいにもなります。
地元の大涸沼漁業協同組合では、自主的に定めた管理基準を満たした涸沼産しじみを「ひぬまやまとしじみ」のブランド名で涸沼周辺の直売店などで販売するなど、安全・安心・美味(おいしい)といった消費者ニーズが満たせるようブランド化を推進しています。
涸沼のしじみ漁は、動力を使わず、昔ながらの人力で丁寧に採補しています。機械を使わず採補することで、しじみにキズがつくのを最小限に抑えられ、ストレスを与えずに獲ることが出来るので、しじみの元気がよく、鮮度も長持ちします。
しじみ漁は、年間を通して行われます。約5メートルある竿の先に籠のついた“しじみかご”で、漁師が川底からしじみをすくい獲ります。1回に採補できる量は、夏場で約2~3キログラム位、冬場は1キログラムにも満たないほど。近年、特に安定しない自然環境が相手の厳しい仕事ですが、漁師は「手掘り」での漁に誇りを持って毎日漁に出かけます。また、漁に使うかごの網の目は12mmと決められており、それ以上小さいものは自然保護の為獲りません。
しじみは、調理前に必ず、夏期なら3~4時間、冬期なら6~8時間水につけて砂を吐かせましょう。使う水は、1%の塩水を使うとうまみ成分が増えて味が良くなります。
砂抜き後は、10分ほど空気にさらす(夏場は冷蔵庫内で)と、コハク酸が増えてさらに美味しくなるといわれています。夏の土用しじみは砂抜きすると日持ちしないので、食べきれない場合は、砂抜き後に冷凍しておくと便利です。冷凍しておけば半年は持つので、ぜひ実践してみてください。
しじみはやはり簡単で美味しい味噌汁が代表的な食べ方。
しじみをたっぷりと入れた味噌汁は、独特のうまみが出て、余韻の深い味わいです。そのほかの食べ方としては、シジミご飯、バター焼きもおすすめです。
- ・砂抜き後のしじみ・・・およそ100g
- ・味噌・・・小さじ4
- ①しじみの殻と殻をこすり合わせて水で洗う。
- ②鍋にしじみと約360ミリリットルの水(2カップ分)を入れ、強火にかける。沸騰してきたら弱火にしてアクを取り、5~6分煮る。
- ③味噌を溶かしてひと煮立ちさせて、できあがり!
TEL:029-293-7347
※このページの情報は2015年時点のものです。
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