いばらきの食に挑戦する人たち
「常陸の輝き」生産農場 武熊牧場 武熊 俊明さん・真史(石岡市)
「常陸の輝き」生産農場 武熊牧場
常陸の輝き
茨城県石岡市にある「武熊(たけくま)牧場」は、子豚の生産から肥育・出荷までを行う牧場です。茨城県の新銘柄豚肉「常陸の輝き」と自社の銘柄豚肉「武熊たくま豚」を生産しています。 「常陸の輝き」は、デュロック種系統豚「ローズD-1」を交配した三元豚を専用の飼料で育てることで、柔らかく旨みがあり、香りの良い肉質を実現した豚肉です。ロースやヒレはもちろん、モモなどの部位に至るまで、肉と脂の旨み、風味の良さが愉しめる贅沢な味わいで、有名シェフからも高い評価を得ています。
常陸の輝きの父親(デュロック種系統豚「ローズD-1」)
武熊牧場 武熊 俊明さんと真史さん
武熊牧場は新ブランド「常陸の輝き」の研究・開発段階から携わり、「常陸の輝き」ブランド立ち上げに大きく貢献。2021年11月現在、武熊 俊明さんは「常陸の輝き推進協議会」の副会長を務め、活躍されています。 「社長(父)は豚肉の“旨みの追求”にこだわり、それに向かう姿勢は並々ならぬものがあります。その背中を見てきたから、『養豚って面白そうだな』と思いました」と武熊牧場の後継者 武熊真史さんは言います。代表の武熊俊明さん自身も、肉質に直結する豚の健康を常に考え、「エサ、環境、どうしたらもっと旨みが出るか」を追求していると言います。 最高品質の豚肉の育成に奮闘する武熊俊明さんと、父の思いと技術を継承しながら経営面のサポートを行う息子の真史さんにお話を伺いました。
エサにこだわり、健康な豚を育てる
武熊牧場の豚舎
武熊牧場は、「武熊たくま豚」を自社のブランド豚肉として販売を行ってきました。しかし、生産に注力しながらPR活動を行うことが難しかったこともあり、なかなかブランドの普及には至りませんでした。 そんな時、茨城県から新ブランド豚の育成の話があり、「茨城県が作るブランドならばPR力はある。これはチャンスだ」と、「常陸の輝き」の開発から精力的に協力したそうです。 豚を「常陸の輝き」として出荷するには2つの条件があります。1つはデュロック種系統豚「ローズD-1」を父親として最後に交配すること。もう1つは、豚の仕上げの時期に一定期間以上「常陸の輝き専用飼料」を給与することです。
常陸の輝き専用飼料
健康状態を常に確認
健康状態が特に不安定になる産後の母豚の身体作りに悩んでいた武熊さん。 ある時、人間と同じで腸内環境を整えることが豚の健康に繋がるのではと考え、乳酸菌を含んだ独自配合のエサ作りを飼料メーカーに依頼。これを産後の母豚に与えると、健康状態が改善し、安定した数の出産を行うようになり、病気にもかかりにくくなったそうです。 これを期に、母豚以外の豚のエサにも乳酸菌を混ぜて生育状態に合わせた改良を加え与えたところ、全ての豚の健康状態が安定しました。 健康状態が良好な豚は「常陸の輝き専用飼料」の食いつきも良く、現在武熊牧場で生産する豚の半数は「常陸の輝き」として出荷しているそうです。
農場HACCP認証農場
清潔な豚舎
出生日を必ず書いておく。
武熊さん自作の豚用通路
武熊牧場は、農場HACCP認証農場※です。豚舎が並ぶ敷地に入ると、まず臭いの少なさに驚きます。豚舎内も清潔で、隅々まで衛生管理が行き届いていることが感じられます。 「食べるものを作っているんだから、豚舎は綺麗にと意識しています」と俊明さん。豚舎の仕切りの壁には小さなボードがあり、そこには出生日が書かれています。「これがスタッフ間の大切な情報共有になるから、必ず書きます」とのこと。 「これは自分で作ったんです」と見せてくれたのは、豚舎内を豚が自ら別の豚舎に移動できるように改良したという通路。豚は生育具合によって豚舎が分けられていますが、豚舎間の移動は豚をトラックに乗せて降ろすという重労働。豚にとっても非常にストレスがかかり、移動で体調を崩す豚も出るほどでした。それを解決したのが俊明さん自作の通路。これにより豚のストレスを軽減でき、人にとっても効率的な豚の移動が可能になったそうです。 ※農林水産省が推奨する、畜産物の安全確保の観点から畜産農場におけるHACCPの考え方を採り入れた衛星管理手法
武熊牧場の豚舎横には、堆肥化処理施設と浄化槽があり、出来た堆肥は近隣農家の畑の土づくりなどに使われます。 「うちの堆肥は乳酸菌を多く含んでいるから、甘い香りがするんだよ」と堆肥をすくい臭いを嗅ぐ俊明さん。 臭いを嗅いでみると、確かに、ほんのり甘い香りがしました。
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お二人に今後の展望をお伺いしました。 俊明さん 「『常陸の輝き』は、これまでこだわり続けてきたうちの生産技術の結晶です。ありがたいことに各方面で高い評価を貰っているので、この勢いに乗って規模拡大ができたらと思います。また、消費者の皆さまに、国産の豚肉は安全・安心であることをもっと知ってもらいたいですね。」 真史さん 「父のこだわりが詰まったうちの豚肉は本当にうまいです。味は満足しています。私は、父のこだわりを全て汲み取ったうえで、新しい取組で生産性を上げ、経営の効率化を進めていきたいです。限られた豚舎の数・人員の中でも生産性はまだ上げられると思っています。新しい事を取り入れながら規模拡大を進め、武熊牧場で働きたい方が来てくれるような農場にすることが目標です。」 「常陸の輝き」のおすすめの食べ方をお伺いすると、「焼いて醤油だけ、塩だけなど複雑な調味料を使わずに食べると肉の旨みが感じられます」とのことでした。ご購入の際は、ぜひお試しください。
インフォメーション | |
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名称 | 武熊牧場 |
住所 | 茨城県石岡市下林1894 |
お問い合わせ |
TEL: 0299-43-0147
FAX: |
WEBサイトURL | https://saipon.jp/h/takekuma/ |
その他の情報 | ※この情報は、2021年11月時点のものです。 |
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