いばらきの食に挑戦する人たち
本物のハムの味を感じてもらいたい! 直江 忠則さん(つくば市)
本物のハムの味
つくば市にある『学園手造りハムの会』は、"本物"の味にこだわったハムやベーコン、ソーセージの製造・販売を行っています。 代表を務める直江忠則さんがハム造りを始めたのは今からおよそ35年前。農林水産省の先生との会話がきっかけだったそうです。 「当時うちは養豚をしていました。その関係で農林水産省の養豚関係の先生とお話させていただく機会も多く、ある時にその先生とハムの話になったんです。当時流通していた多くのハムは、膨張剤やら何やらたくさん入っていて、先生曰く『豚のカマボコのようなもの』とのことでした。そして、添加物を使わないハムの美味しさについて話されるんです。養豚をやっていた手前、それが気になって仕方なくなり、先生に添加物を使わずにハムを作る専門家を紹介してもらいました。その方に教わりながら、使う豚肉も厳選し、ハム、ベーコン、ソーセージを自分で造ってみたんです。」 できあがったそれらを食べて、直江さんは驚きました。 「今まで食べてきたハムは一体なんだったんだと思いました。そのおいしさに、天と地がひっくり返るような衝撃を受けましたよ。」 直江さんはその後、このハム、ベーコン、ソーセージを何度も造り続けたそうです。
「添加物を入れないことももちろん、原料に厳選したローズポーク(茨城県銘柄豚肉)を使い、豚肉の管理にも細心の注意をはらうことがおいしさの大きな理由だとわかりました。」 当初は販売するつもりはなく、ご自分の探究心のみで造っては家族、友人、知人と共においしいハム、ソーセージ、ベーコン味わっていたそうです。 そんな日々から約2年の月日が経った頃、友人、知人を介して、直江さんの作るハムの噂を聞きつけた人達から、「添加物を使わないハムを購入したい。」との声が続々とあがり、趣味の範囲では間に合わないほどになっていったそうです。直江さんは、自宅の敷地内におよそ25坪の加工所を建て、ブロックを積み立てた燻製室も作りました。 こうして昭和57年12月1日、『学園手造りハムの会』が設立されました。細部にわたる品質管理と時間をかけた製造工程のため、大量生産はできないので、設立当初は会員制での販売だったそうです。(現在は会員でなくても購入できます。)
こだわりの製造工程
学園手造りハムの会の製品は、輸入冷凍肉を使わず、新鮮な生肉(茨城の銘柄豚ローズポーク)を使います。こだわりの原材料を元に、製造方法にもこだわり抜くのが『学園手造りハムの会』流。 直江さん「まずハム用、ソーセージ用、ベーコン用に仕分けた豚肉を、塩と砂糖に2~3週間にわたって漬け、十分熟成させます。塩漬けの時、細菌の抑制に"硝素"だけはどうしても必要なのですが、他の防腐剤、保存料は一切使用せず、異種蛋白による増量もしていません。漬けこみが終わると、ハムを未ざらしの木綿布でしっかり巻いて形を整え、ソーセージは天然の羊腸・豚腸につめます。この丁寧な手造り手法は日本では珍しいものです。」 最後に桜の薪を使い、約2~5時間(商品によって変わる)かけて低温でじっくりスモークして完成となります。ブランド名“スモークギャビン”の名の通り、香り高い『学園手造りハムの会』製品の秘訣はここにあります。
衛生管理
食品加工会社が製品の"味"以前に一番気を付けているのは、衛生管理です。直江さんも衛生管理には大変気を使っているそうです。 「食品衛生の基本である清潔で衛生的な取扱いを徹底しています。殺菌洗剤での手指の衛生管理、清潔な白衣の着用、設備清掃の徹底など、お客様に安心して召し上がっていただける食品を提供するために最善を尽くしています。」 学園手造りハムの会の製品の代名詞でもある、桜の薪でのスモークは、その香りもさることながら、桜の薪に殺菌作用もあることから使用しているのだそうです。こうした衛生管理のもとで、おいしいハムやソーセージ、ベーコンは生まれます。
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「私たち茨城の食に関わる業者の多くは、未だに消えぬ風評被害に苦しんでいます。『学園手造りハムの会』でも、原料の検査をきちんと行っています。ですから、茨城のものを安心して食べて欲しい。これが一番の願いです。また、若い人達に食生活の見直しをしてもらいたい。化学調味料を使わない食品のおいしさがわかる舌を持ってもらい、そしてそういった食品をもっともっと食べてもらいたいですね。」
インフォメーション | |
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名称 | 学園手造りハムの会 |
住所 | 茨城県茨城県つくば市沼崎3087 |
お問い合わせ |
TEL: 029-847-2757
FAX: |
WEBサイトURL | http://www.tezukuri-ham.jp/index.htm |
その他の情報 | ※この情報は2013年度時点のものです。 |
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