いばらきの食に挑戦する人たち
良い土で草を作り、牛を健康に飼う 鈴木昇さん・ともえさん(石岡市)
人も牛も健康に
人も牛も健康に1
人も牛も健康に2
人も牛も健康に3
石岡鈴木牧場を訪れて、牧場独特の臭いがないことにまず驚かされました。牛舎をのぞいてみると、肌ツヤの良い牛がのびのびと暮らしていました。健康な牛を育てることにとことんこだわる鈴木昇さん・ともえさん夫妻は、どちらも酪農農家出身。ともえさんは、幼少期から牛が大好きで、楽しい農業を目にし、中学生の頃には”酪農をやりたい!”という気持ちがあったそうです。ともえさんとは反対に、昇さんは県の家畜保健衛生所に獣医として勤務していたそうで、当時は酪農をする気はなかったとのことですが、ご結婚され、話し合いの結果、酪農農家を継ぐことを決意。こうして鈴木さん夫妻の酪農生活はスタートしました。 鈴木さんは、当時を振り返りこう語りました。「酪農は、いかに1頭の牛からコストをかけずに多くの牛乳を採るか、ということが最優先されている現実があります。そのスタイルで酪農をしていた最初の10年程は、牛が健康ではなく、毎日が牛の病気との闘い。疲れきっていたある時、講演会で北海道の酪農コンサルタントの先生と出会い、”健康の基準”を教えてもらいました。”はたしてこの牛乳を飲んで、人は健康になるのだろうか。”という疑問が元からあったので、『健康な牛を育てる』というその先生の教えを実践すべく、牛の飼料作りから始めました。」
まずは土作りから!
まずは土作りから!1
まずは土作りから!2
酪農で土作り。頭の中にクエスチョンマークが浮かんでくる図式ですが、鈴木さんの牧場では4.4haの畑で、牛の飼料を自前で土にこだわって作っています。「牛も人間と同じで良質な餌を食べれば病気知らず。通常の乳牛は、出産に立ち会い手伝いをしないと出産ができませんが、うちの牛たちは手伝い無しで出産をします。健康な牛からは、良い乳が出るんです。」 土作りを始めたころは、うまくいかないことも多かったそうですが、試行錯誤の末に良質な堆肥づくりにたどり着いたとのこと。鈴木さんの作る堆肥は、ほのかに甘い香りがします。「この堆肥を使って土作りをした畑でつくった牧草、トウモロコシを混ぜた飼料を食べた牛達は、次第に健康になりました。毎日悩まされていた牛の病気からも解放され、飼育する数も減らしました。今では30頭前後の牛を飼っています。」鈴木さんに飼われている牛たちは、目が生き生きしています。
完全無添加のヨーグルト
完全無添加のヨーグルト1
完全無添加のヨーグルト2
良い飼料をつくるため土作りに励んで10年ほど経ったころから、ようやく良い循環が生まれ、安定した楽しい酪農ができるようになりました。 さらに、2004年に自家用で作っていたヨーグルトが生協組合員の方々の要望により商品化されました。また、昇さんの古くからの知人であるポケットファームどきどきの鎌田さんの後押しもあり、ポケットファームどきどきでも販売できることになったそうです。「商品化する際に、リサイクルできる瓶の容器を採用するのが大変でしたが、思い通りの形で商品化することができました。瓶は、飼っている牛をモチーフにしたオリジナル容器です。牛乳だけでつくる添加物なしのヨーグルトなので、お客様にも喜んでいただいています。」新鮮で良質な牛乳でできたヨーグルトはさっぱりとしていて、柔らかい後味が残ります。
念願のチーズ作りへの挑戦
念願のチーズ作りへの挑戦
ともえさんは、ずっと”いずれはチーズを作りたい”と願っていました。そして、念願のチーズ販売を開始。最初は、”子供のおやつに”と、さけるチーズを作ったそうです。2009年に商品化されたモッツァレラチーズは、石岡鈴木牧場のミルクの甘味がギュッと閉じ込められたやさしい味わいです。
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「健康なうちは、やれる範囲でずっと酪農をやりたいと思います。近所に80歳まで酪農をやっていたおばあちゃんもいるんですよ。将来的には今よりもさらに頭数を減らしてのんびりやっていきたいな、と思っています。」昇さんはJAZZ鑑賞、ともえさんは一人旅とお互いに趣味を楽しみながら、これからもおいしいヨーグルトやチーズを消費者の元へ届けてくれるでしょう。
インフォメーション | |
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名称 | 石岡鈴木牧場 |
住所 | 茨城県石岡市大砂10383-1 |
お問い合わせ |
TEL: 0299-23-1730
FAX: |
その他の情報 | ※この情報は2012年度時点のものです。 |
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