PICK UP/ 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

茨城県第一号の六次化産業総合事業計画認定者 柳沼正一さん(那珂市)

茨城県第一号の六次化産業総合事業計画認定者  柳沼正一さん(那珂市)

茨城から発信!
那珂パパイヤを全国へ!

未熟果の青パパイヤとの出会い

未熟果の青パパイヤとの出会い

未熟果の青パパイヤとの出会い

未熟果の青パパイヤとの出会い

 那珂市でパパイヤの生産・販売を行い、パパイヤの普及活動に日々奮闘している柳沼正一さん。大学卒業後のおよそ25年間、中東、アフリカ等で仕事をされていたそうです。その後、農業指導と資材を販売する会社を興し、10年。たくさんの農家さんと関わっていくなかで、ご自身でも生産をしたいという思いがどんどん膨らんでいったそうです。
 「農家の長男なので、いずれは農業をやりたいなと思ってはいたんです。でも、どうせやるなら誰もやったことのないものを作りたかった。そこで思いついたのが、中東時代によく目にしていたパパイヤでした。パパイヤは、世界的にはよく皆さんイメージされる『黄色い果物』として食べられているのはおそよ2割で、8割は未熟果の青パパイヤを”野菜”として食べているんです。しかも勉強していくと未熟果の青パパイヤは、ものすごく体に良い野菜だと知ったんです。沖縄では、『万寿瓜(まんじゅまい)』と呼ばれ『薬いらずのぬちぐすい(命の薬)』としてなじみ深く食べられている野菜なのですが、こんな野菜をぜひ関東でも広めたいと思いました。」
 まずは会社で関わりのあった、熊本県の農家さんと共に、柳沼さんのパパイヤ作りへの挑戦が始まりました。

茨城でパパイヤ?!

茨城でパパイヤ?!

茨城でパパイヤ?!

 熊本県で「肥後パパイヤ研究会」を設立し、パパイヤ生産の研究を協力農家さんと共に続けた柳沼さん。赤道付近の暑い国に育つパパイヤですが、それを日本の土地で作り、安定して実を生らせるには、およそ10年の月日がかかったと言います。安定してパパイヤを生産できるノウハウを身に付けたとき、次に考えたのは販売先でした。
 「やはり作ったものは売らなきゃ話になりません。本格的な生産を開始する時は、人口の多い首都圏でやろうと決めていました。資材屋の仕事で縁のあった農家さんが茨城にいたのがきっかけで、茨城に興味を持ちました。茨城は東京にも近いし、日本一と言っても過言ではない農業県ですので、茨城県で始めることにしました。」しかし、茨城は熊本よりもさらに寒冷な土地。冬は霜が降り、時には雪も降ります。灼熱の国の食べ物パパイヤは、果たして茨城の地で育つのでしょうか。

 そこで柳沼さんが考えたのが、霜が降りなくなる4月~5月に苗を植え、11~12月の強い霜にあたらないうちに収穫を終える、という栽培方法を取ることでした。まずは寒さに強い苗を開発し、有機質と微生物をたっぷり投入した土作りをおこないました。土づくりに使う有機質肥料は、柳沼さんと資材メーカーが共同開発して作ったそうです。
 「昔は、農家さんが手間暇かけて2~3年で土を作りました。その農法を短縮し、現代の技術を用いて今では約2ケ月でいい土が作れるようになりました。パパイヤ栽培で一番大事なことは、土をしっかり作ることです。土作りさえしっかりやってやれば、ちゃんと実はなるのです。」こうして完成したパパイヤを、柳沼さんはご自身の農園がある地名を取って『那珂パパイヤ』と名付けました。茨城でも育つ『那珂パパイヤ』をたくさんの人に作ってもらいたいと願う柳沼さんは、苗の販売も行っており、年間150人以上の方が購入されているそうです。

茨城県第一号の認定者

 柳沼さんは、農林水産省の六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画の茨城県第一号の認定者です。収穫期の短いパパイヤを加工品にして一年中パパイヤを食べられるようにしました。
 「パパイヤは、"酵素の塊"と表現したいほど、植物の中でも抜き出て分解酵素を豊富に含んでいます。食べた多数のお客さんが『これを食べてから体の調子が良い。』と言ってくれています。通常植物に含まれる酵素は、加熱すると分解されてしまうことが多いのですが、パパイヤの持つ酵素は熱や乾燥にも強いので、加工しても酵素成分がなくなったりしません。現在、たれ、ドレッシング、シロップ、乾物、お茶などを商品化していますが、今後更に数多くの加工品を開発する予定です。」

販売時期
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

夢~さらなる挑戦~

 柳沼さんの夢は、茨城を中心に全国的にパパイヤを普及させていくことだそうです。
 「健康は食にありと考えます。パパイヤは、古くから健康野菜として知られ、近年の研究では抗ガン効果も期待されているほどです。現代人必須の『脂肪分解酵素』、『たんぱく質分解酵素』、『糖質分解酵素』に加え、免疫力を高めるトレハラーゼ等の酵素も併せ持っています。今後パパイヤは日本国内はもちろんですが、ヘルシー志向のヨーロッパにも売れるんじゃないかと思っているんです。その為にも加工技術を確立し、いずれは南半球で生産・加工を行い、北半球で売るといったスタイルが取れたらいいですね。」
 那珂パパイヤを世界へ!柳沼さんは今日も那珂パパイヤの普及活動へと出かけて行きます。

インフォメーション
名称 やぎぬま農園
住所 茨城県那珂市菅谷3690
お問い合わせ TEL:029-219-8127
WEBサイトURL http://yaginuma-papaya.com/
その他の情報 ※この情報は2013年度時点のものです。

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