PICK UP/ 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

伝統を守り、進化させる甘納豆造り塚本 裕さん(龍ケ崎市)

伝統を守り、進化させる甘納豆造り 塚本 裕さん(龍ケ崎市)

甘納豆を世界のお菓子へ!

直火炊きにこだわる

直火炊きにこだわる

直火炊きにこだわる

 龍ケ崎市にある株式会社つかもとは、およそ80年にわたり伝統の技術を継承しながら丁寧に甘納豆を造り続け、業界売上げトップ10に入る老舗製造メーカーです。
 うずら・あずき・白花などの豆類を材料とする"王道"の甘納豆から、さつまいもやゴボウ、にんじんといった野菜を使用した甘納豆まで手がけ、保有するレシピは50種類以上にもおよびます。
 「うちのこだわりは、なんといっても三代続いて継承してきた"直火炊き"で造る甘納豆です。甘納豆は、蜜漬けした原材料を高温で加工するものなのですが、(高温にする方法として)直に火で炊く方法と、蒸気で熱をかける方法があります。蒸気で熱したものに比べると、直火炊きの方がよりおいしくなるんです。なぜなら、直火だと火に当たった鍋のまわりが焦げるからです。焦げた砂糖が付いた煮汁が豆に浸透すると、コクが出て深い味わいになるんです。」
 豆を炊く鍋には、豆が一番おいしく炊ける"一斗炊き"という専門の鍋を使い続けていることも、つかもと流の伝統製法なのだそうです。

業界初のISO22000(食品安全マネジメントシステム)を取得

業界初のISO22000(食品安全マネジメントシステム)を取得

業界初のISO22000(食品安全マネジメントシステム)を取得

業界初のISO22000(食品安全マネジメントシステム)を取得

 株式会社つかもとでは、安全・安心な食を提供していることを広く知ってもらうため、平成24年度に甘納豆業界初となる、ISO22000(※)認証を取得しました。
 「職人が多ければ多いほどISOの導入は厳しいといわれていたので、弊社ではまず5S運動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)から始めました。その為にまず、VM(ヴィジュアルマネジメント)で定置・定数管理を徹底しておこないました。机やロッカーにはその中を映した写真や図を貼り、開けなくても何がどこに何個入っているかわかるようにしたんです。これを徹底することで、探す時間が省け、無駄がなくなりました。はじめは社員に指導するのが大変でしたが、今ではそれが当たり前になり、社内のどこを見渡しても見事なものですよ。今では社員一人ひとりが効率を考え、独自でさらに厳しい管理を行ってくれています。」
 VMも含めた5S運動開始から4年後、管理能力が認められ、株式会社つかもとは業界初のISO22000認証を取得。原料、水、過程、全てをトレースできるようになったことで、安全・安心を保証できる強みのある甘納豆製造メーカーとなったそうです。

※ISO22000:原料から製品までの生産履歴管理を行う世界共通の食品安全基準。

伝統を進化させる

 塚本さんは、若い世代の甘納豆離れを懸念し、若い世代の人たちにも支持される商品開発に精力的に取り組んでいます。豆だけにこだわらず、いも、ゴボウ、にんじんなど、様々な野菜に甘納豆製法を用いて商品化をおこなっています。
 相模女子大学(神奈川県相模原市)とのコラボ商品『imoshoku』は、低カロリー、国産いも使用、保存料不使用など、若い女性ならではの視点で甘納豆に新たな息吹をもたらしました。
 また、塚本さんは消費者の健康指向へのニーズに応えるため、マルチトールという甘味料を使用した『ノンシュガーの甘納豆づくり』にも乗り出しています。
 「様々な野菜で甘納豆を造っていますが、さつまいもで造る芋なっとうは特に力を入れています。茨城県はさつまいもの生産量が全国第2位なので原料の安定供給が可能であり、地域ブランドにつなげやすいからです。また、近年は健康指向の方が増えているので、糖分を気にする方も安心して食べられるものを造っていきたいです。」
 塚本さんは言います。「新しい甘納豆の可能性を探り続ける一方で、しかし最後には必ず、職人の腕と経験そして伝統の製法がなくてはいけません。」

アイテム保持数日本一を目指して!

  甘納豆のつかもとは、取扱いアイテム数日本一の甘納豆製造メーカーを目指しています。なかでも最近のイチオシは 芋の甘納豆の製造後に出る芋を漬けていた蜜を精製して商品化した『芋蜜』です。芋の風味がたっぷり詰まった芋蜜は、パンケーキや料理の風味付けなどにも好評です。
 商品を見かけたら、ぜひお試しください。

販売時期
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

夢~さらなる挑戦~

 「甘納豆とは、日本古来より伝わる伝統的なお菓子です。これをアメリカや東南アジアに向けて輸出していきたい。仮に"サムライビーンズ"とでも名付けたとして、それを世界で食べられるお菓子にして、甘納豆といえばつかもと、サムライビーンズはつかもと、などと、甘納豆の代名詞になれたらいいですね。」
 日本伝統の甘納豆を世界へ。塚本さんの挑戦はまだまだ続きます。

買えるお店
カスミ 茨城県南地域
住所:阿見店、土浦店、水海道店、万博店、ひたちのうしく店、牛久店
インフォメーション
名称 甘納豆のつかもと
住所 龍ケ崎市白羽4-5-7
お問い合わせ TEL:0297-62-0375
FAX:0297-64-1357
WEBサイトURL http://ama710.com/
その他の情報 ※この情報は2013年度時点のものです。

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