いばらきの食に挑戦する人たち
年間約300tのパプリカを生産 林 俊秀さん(水戸市)
夢だった農業
林さんは、水戸市で2.3ヘクタールもの巨大な温室でパプリカを周年栽培しています。15年間務めた農業組織を退職し、オランダに渡って専門学校で学び、農地がない所から農業を始めて約13年になります。 「以前から酪農をしながら農業を営みたいと考えていたので、大学は農学部に進学しました。ところが、計画も甘く、農業組織に就職。15年間のうち、後半は営農指導の仕事をしていたこともあり、ずっとやりたかった農業を始めることにしました。」と林さん。 林さんは、J-GAP認証(※1)を取得し、”食の安全”に取り組んでいます。 また、新たな取り組みとして、平成20年に施行された「農商工等連携促進法」に基づき「農商工連携」の事業計画が認定され、安全で美味しく、いつでも手軽に調理が可能なパプリカのペーストを開発。ホテルで利用され、パプリカのパスタやリゾット、スープ、テリーヌなど数々のメニューが開発されました。 この他にも、アイスクリームや学校給食用のパンを作り、パプリカという食材の新しい可能性を広げています。 ※1 J-GAP認証…食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる認証
パプリカの先駆者
パプリカという、いままでに国内に無かった作物を生産する先駆者となった林さん。林さんの経営する(株)Tedyでは、温室を含めた施設の見学者を年間2,000人も受け入れたことがあり、現在も多くの方が見学に訪れています。 「1993年にオランダから初めて輸入されたビタミンC豊富なパプリカは、今では一般家庭の食卓にもならぶ野菜になりました。Tedyのパプリカは、輸入商品とは異なり、流通に時間がかからないため完熟収穫をしています。色によって味が違うので、国産の新鮮なパプリカを食べてみてください!」とパプリカのおいしさを伝える伝道師としての役割も果たしていらっしゃいます。
ヨーロッパの施設を取り寄せたハイテク農業
Tedyでは、パプリカ栽培におけるチューブなどの栽培設備はオランダ製、温室はフランス製とヨーロッパのものを使っています。林さんが描いた設備を日本で作ろうとするとコストがかかってしまうということで、取り寄せたそうです。PCを使って管理をし、きめ細かい温度管理や風向きに合わせた天井窓の開閉機能などを思い通りにできる設備が整っています。水やりも、PCで設定した通りに1本1本の苗に養液が自動的に与えられるようになっているそうです。この膨大な温室で使う養液の元となる井戸水は、常時、大きなタンクに貯められています。 設備ももちろんですが、収穫量を上げるためには経験と管理が重要です。林さんが着目しているのはCO2(二酸化炭素)濃度。CO2は植物の育成にとって重要な気体で、大気の2倍以上のCO2濃度にすることで、パプリカの生育はもっと良くなると考えているそうですが、温度と湿度の管理をすると、どうしてもそこまで上げることが難しいとのこと。 「輸入されているパプリカの生産地である韓国やオランダでは、面積当たりの収穫量がTedyよりもずっと多いので、少しでも近づけるようにしたいです。」 栽培面だけではなく、働く人にとってもハイテクなTedy。温室内ではレール上を動く台車を使って作業、収穫ができます。従業員が気持よく仕事に取り組めるように、温室内では音楽も流れています。
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「今後は、パプリカを使った加工品のバリエーションを増やし、多くの方に使っていただきたいと思います。ゆくゆくは、Tedyの経営は息子にバトンタッチし海外で農業をやってみたいと夢描いています。」
インフォメーション | |
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名称 | 株式会社Tedy |
住所 | 茨城県水戸市小吹町236-1 |
お問い合わせ |
TEL: 029-350-1747
FAX: |
WEBサイトURL | http://www.tedy.jp/ |
その他の情報 | ※この情報は2013年度時点のものです。 |
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