PICK UP/ 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

職人の手間をかけ、心を込めた豆腐造り河原井信之さん(笠間市)

職人の手間をかけ、心を込めた豆腐造り 河原井信之さん(笠間市)

手作りでしかできないとうふの味を表現

佐白山のとうふ屋

佐白山のとうふ屋

 日本三大稲荷に数えられる笠間稲荷神社の門前町、笠間市。笠間市にかつてそびえていた笠間城の遺構が見られる佐白山のふもとに、小さなとうふ屋があります。
 「佐白山のとうふ屋」2代目店主の河原井信之さんは、天然にがりを使い、茨城県の在来種たのくろ豆や厳選した国産大豆で豆腐を作っています。
 「とうふ屋は、父が会社を退社して始めたんです。仕事人間で地域との交流なんてほとんど無かった父が、母と二人で、地域の人達と交流できる場所を造りたいと思ったのがきっかけだったそうです。」とうふ職人になった父の背中に魅せられ、とうふ屋になる事を決めた河原井さん。ここから、河原井信之さん、通称「信(のぶ)さん」の様々な挑戦が始まりました。

佐白山の清らかな水

佐白山の清らかな水

佐白山の清らかな水

 佐白山のとうふ屋で製造されている豆腐は、味が濃厚で手作りならではの深みがあります。また、店頭で販売している豆乳アイスも、豆乳のやわらかい甘みが存分に味わえる大人気商品です。
 佐白山のとうふの美味しさの原点は、水にあると河原井さんは語ります。保健所の水質調査の結果、佐白山のとうふ屋で使用されている井戸水は甘みのある良質の軟水だそうで、ここまで良い水が出ることは珍しいそうです。これを知った河原井さんのお父様が、「こんな良い水が出るのなら…」と、とうふ屋を始めたきっかけのひとつにもなったそうです。

地域を巻き込んだ新しい挑戦

 河原井さんは東日本大震災の後、常連客から「茨城を元気にする商品を作って下さい」との声に応え、茨城県産の大豆を使った"純地元産のとうふ"の開発に着手します。
 そこで大豆農家さんに聞き回って、在来種大豆"たのくろ豆"をとうふにしてみました。
 「たのくろ豆は、とても糖度が高く、加工の難しい品種です。しかし、大豆本来の甘み、香りに優れ、高い品質のとうふができると解りました。これは茨城を元気に出来る!と確信しました。これまで作ってきたとうふの中で、一番うまかった。」と信さんは言います。生産量が少なかったたのくろ豆を、契約農家5軒にお願いをして作付してもらうことで収量を増やし、今後は、”たのくろ豆”を使った関連商品を増やしてブランド化を図っていくそうです。

カサマメ☆プロジェクト

 河原井さんは、"たのくろ豆"を使って、地元笠間市を盛り上げる『カサマメ☆プロジェクト』を発足しました。大豆専門家、大豆農家、笠間市役所の協力で、募集して集まってもらった地元笠間市の皆さんと、笠間市内の畑で土を作り、大豆(たのくろ豆)の種を蒔き、栽培から収穫まで、そしてその大豆を使ってとうふを造り、自分達で食べるまでを行うものです。
 「地元の人達に笠間の良さを再認識してもらうプロジェクトにしたかったんです。生まれも育ちも笠間だと、地元の良さって意外とわからないものじゃないですか。笠間焼きとか工芸品もあって、笠間稲荷もあって、自然にも溢れている笠間って素晴らしいんだよって。」カサマメ☆プロジェクトを進めていくことで、農家や、地域経済に良い影響が出てくれたら嬉しいと河原井さんは語ってくれました。

豆腐職人のぶへの挑戦状

 河原井さんは、職人としての技術向上と、お客様とのコミュニケーションの場を作るために、『豆腐職人のぶへの挑戦状』(※)と題して、常連客やホームページを通じて、要望があった豆腐を作るというミッションを行っていました。その中から実際に商品化されたものも数多くあります。未だ根強いファンの多い、にんにくが入った「にんにくとうふ」もそのひとつです。
※豆腐職人のぶへの挑戦状は、現在は終了しています。
豆腐職人のぶ これまでの挑戦記録はこちら→http://www.toufuya.biz/challenge/

販売時期
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夢~さらなる挑戦~

 「今後は、お客さんと、僕と、農家さんが、信頼の三角形で結ばれている店にしたいです。何が入っているか見なくても、『佐白山のとうふなら安心して食べられる』と言ってもらえるとうふを造り続けて行きたいですね。」
 信頼できるとうふを造りながら、地元の人や県内外の人達にも笠間の魅力をもっと伝えていきたい。信さんの本当の意味での挑戦は、まだ始まったばかりです。

インフォメーション
名称 豆腐茶屋 佐白山のとうふ屋
住所 笠間市笠間2810
お問い合わせ TEL:0296-72-3072
WEBサイトURL http://www.toufuya.biz/
その他の情報 ※この情報は2012年度時点のものです。

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