いばらきの食に挑戦する人たち
平飼い有精卵「石黒たまご園」 石黒昌太さん(常陸大宮市)
石黒さんと養鶏
石黒さんのご両親は、石黒さんが生まれて間もないころに"脱サラ"して他県から常陸大宮市に移住し、就農しました。お父様は、平飼いをしている養鶏所に就職し、養鶏の技術を身につけながら、独立するための農地を探し続けたといいます。養鶏を始めて10年後の平成元年に山林が取得でき、自ら雑木を切り、山を削っての開墾作業を1年かけて行い、平成2年に約300羽の鶏とともに「石黒たまご園」をスタートさせました。 石黒さんは、自然にご両親のお手伝いをしながら幼少期を過ごされたそうです。 その後石黒さんは、一度は就職したものの、「"よい物"を提供したい」という気持ちが膨らみ、養鶏の道に入りました。 2004年から2006年には青年海外協力隊員として、アフリカのマラウイ共和国にて養鶏指導を経験。マラウイ共和国では、放し飼いされた鶏がとても活々としているのを見て、「日本に帰っても鶏を大切にして、おいしい卵を産んでもらえるよう頑張っていこう!」と思ったそうです。
飼育環境・エサへのこだわり
石黒さんは、卵の味は買い方と食べさせるエサによって決まると信じ、鶏にストレスが少ない環境を維持しながら、健康で元気に卵を産み続けられるよう様々な工夫をしています。石黒たまご園にやってきたヒヨコたちは、卵を産み終わってその生涯を閉じるまで、太陽の光をいっぱいに浴びて地面を走り回れるよう飼育されています。そして、有用微生物群を使って発酵させた炭水化物のトウモロコシや小麦、動物性タンパク質の魚粉、植物性タンパク質のゴマ、牡蠣の殻などを自家配合して鶏に与え、栄養価の高い卵を産めるようにしています。
普通の人が普通に買える卵をお届けしています
石黒さんの卵は、1個35円です。 スーパーなどで販売されている卵と比べても驚くほど高くはありません。「"プレミアム卵"にして、高値で売ることもできるけど、それじゃ一般家庭で毎日食べてはもらえない。みんなに食べてもらうのが一番です。」と話す石黒さんは、近隣の常陸大宮市を中心に那珂市、常陸太田市などには1パックでも直接配達しています。地域の方たちと交流しながら届けられることに幸せを感じるそうです。 1日1000個前後とれる卵は、そのすべてが配達と宅配、近隣の農産物直売所で販売されています。一度食べたお客様が、リピーターとなり、近隣の方たちとまとめて注文が来ることも多いそうです。
生命力豊かな有精卵
一般的に販売されている卵は、交尾をせずに産卵された無精卵が多いのですが、石黒たまご園では、卵を産まない雄も飼養し、有精卵にこだわった卵づくりをしています。その卵を割ってみると卵黄・卵白ともに見たことがないくらい盛り上がっています。有精卵は生命力が強く、箸でつまんでも割れずにすぐに元の形に戻ります。 私たちの体も、生活環境を整え、バランスのよい良く時を心掛けることで、抵抗力が強くなり風邪をひきづらくなります。鶏も同じで、平飼いし、通気性のいい鶏舎で日光にあてることで、病気に負けない強い体になるそうです。 「卵が強いのは、親が健康な証拠です。鶏は、一夫多妻制で雄を一緒に飼うことで、グループができ、本来の落ち着いた生活をするんです」と話してくださいました。
石黒さんの癒しの時間
もともと猫よりも犬が好きだった石黒さん。しかし、赴任先のマラウイ共和国ではネズミが多くいたためネズミ退治を期待して、猫("ハル")を飼い始めてから、猫の魅力にとりつかれてしまったとか! 帰国後、すぐに動物病院で猫("ナツ")をもらい、今では猫と過ごす時間が一番の癒しの時間になっているそうです。
おいしい『ゆでたまご』を作るコツ
卵は、買ったらすぐに冷蔵庫で保管すると劣化が防げるそうです。 産みたての卵は卵白に炭酸ガスが多く含まれていて、『ゆでたまご』を作ると殻がむきづらい『ゆでたまご』になってしまいます。 卵白の炭酸ガスは産卵後徐々に放出されます。炭酸ガスが抜けた卵は内圧が下がり、殻と薄皮の間に空気の層(気室)が生じます。 この層は古くなるほど大きくなるため、古い卵ほどむきやすいという訳です。
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子供は元来味に対して敏感で、"おいしい物"を一度食べると"おいしい物"しか食べなくなる子もいるそうです。「日本の子供たちに、健康な鶏が産んだ健康な卵を食べて、"おいしい物"がわかる大人になってほしい」と笑顔で話してくださいました。
インフォメーション | |
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名称 | 石黒たまご園 |
住所 | 茨城県常陸大宮市小祝1233-2 |
お問い合わせ |
TEL: 0295-53-4312
FAX: |
WEBサイトURL | http://www.tamagoen.com/ |
その他の情報 | ※この情報は2012年度時点のものです。 |
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