いばらきの食に挑戦する人たち
いつでも新そばのようなそばをお届け! 菱沼英昌(桜川市)
いつでも新そばさながら!丸抜きそばを真空パック
桜川市で、米、麦、大豆、蕎麦の生産と販売を行っているイワセアグリセンターの創業者、菱沼英昌さん。菱沼さんの作る作物のなかで、特に定評のあるのが「丸抜きそば」です。品種は、"玄そばの最高峰"といわれる品質を誇り、国内産のそばの中でもとりわけ高値で取引される常陸秋そば。近年では、丸抜きした常陸秋そばを特殊なアルミ包装で真空にし低温冷蔵庫で保管するという技術を取り入れ、いつ出しても新そばと変わらないほどの色、香り、風味、舌触りを実現しています。 菱沼さんの作るそばは、茨城県内だけでなく、全国から注文があり、"そばの名店"と謳われているそば屋さんとの取り引きも少なくありません。
農家を組織へ!
霞ヶ浦用水が使えるようになる前、菱沼さんの住む岩瀬町周辺では水を蓄える森林が少なく、河川の水量が安定しない土地でした。しかし、安定した霞ヶ浦の水源が確保できるようになると、良質な作物が採れる土地へと大きく変わりました。そんななかでも菱沼さんは、今後の農業経営について危惧するところがあったと言います。 「昔の農家は、誰かが風邪をひけば、近所の誰かがが代わりに稲刈ったり、水をやったりしてくれました。しかし、最近の農家は、そういう助け合いみたいなものが無くなりつつあったのです。農家からサラリーマンになる家庭が増加するなか、これではいつか岩瀬の農家はなくなると思いました。」菱沼さんは、その想いを行動に移し、近隣農家10名と、『富谷地域営農集団』という家を集めた組織を結成。まず、皆で地域の土壌改良を行い、助け合いや情報交換を組織の目的として設立しました。そして、菱沼さんを筆頭とした『富谷地域営農集団』は平成13年、イワセアグリセンターとして法人化を果たし、現在に至っています。
そば職人が納得する良質なそば
イワセアグリセンターでは、菱沼さんをはじめとした従業員の方々が丹精込めて作った「玄そば」を丸抜きにして、取引き先であるそば屋さんに卸しています。そのこだわりについてお聞きしました。「大事なのは、種を蒔く時期と、刈り取りの時期ですね。茎に実が6~7割入った状態で刈り取るのがベストで、それ以上や以下では品質が落ちます。収量は落ちますが、品質を考えれば仕方ありません。一番厳しいのはそば屋さんです。うちのそば畑を見に来て、種を蒔いた時から刈り取りまで、全部把握している方もいますよ。」水分も、香りも飛ばないアルミ包装の真空パック技術も、取引先の要望から始まったそうです。
玄そば?丸抜きそば?
菱沼さんに、取引されるそばの形態についてお聞きしました。 玄そばとは⇒、収穫したままの黒っぽい殻をかぶったそばの実のこと。 丸抜きそばとは⇒収穫したままの黒っぽい殻をきれいに取り除いて、割れずにそのままの形をとどめている状態のこと。
1 月 | 2 月 | 3 月 | 4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 |
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「世間は今、農家が減ってきていると言うが、私から見れば農家はまだ多すぎるくらいだと思っています。一人二人で細々とやって"後継者がいない"と嘆くなら、近隣農家と手を組んで、組織を作り、組織で地域の農家の基盤を作ることが重要だと思います。私は、組織基盤をしっかりとして次世代に繋いでいくことが、現在の農家の使命だと思います。」 菱沼さんの次男である良之さん(40)は、都内でサラリーマンをしていましたが、父の姿を見て、農家になることを決意しました。"しっかりとした農家の基盤を作る"という菱沼さんの想いは、確実に次世代へと伝わっています。
インフォメーション | |
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名称 | 有限会社イワセアグリセンター |
住所 | 桜川市富谷476 |
お問い合わせ |
TEL: 0296-75-1604
FAX: |
WEBサイトURL | http://www.iwase-agri.com/pc/index.html |
その他の情報 | 問い合わせ:0296-75-1604 ※この情報は2012年度時点のものです。 |
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