PICK UP / 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

株式会社 山一ファーム 石田 和徳さん(鉾田市)

株式会社 山一ファーム 石田 和徳

品質最優先、細やかな目配り気配りのメロン作り

赤肉メロンに特化して栽培

株式会社山一ファーム代表 石田和徳さん 株式会社山一ファーム代表 石田和徳さん

「KING&QUEENコンテスト2024」赤肉メロンの部ゴールドマイスター賞受賞メロン 「KING&QUEENコンテスト2024」赤肉メロンの部ゴールドマイスター賞受賞メロン

 メロン生産量、消費量ともに全国1位を誇るメロン王国茨城県。県内最大のメロン産地である鉾田市の山一ファームを訪ねました。法人化の際に、名前に冠した「山一」は、先祖代々伝わる屋号。代表の石田和徳さんがメロン栽培の道に入ったのはおよそ40年前のことでした。 「就農当時はまだプリンスメロンが中心の頃で、今のように立派なハウスではなくトンネル栽培でした。大型のビニールハウスで栽培するようになったのはここ20年ほどですね」と石田さん。現在の規模は、34棟のハウス。面積にすると計90aほどでメロンを栽培しているそうです。「近隣のメロン農家に比べるとうちはやや面積が少ないと思います。ほぼ家族で作業しているので、それ以上はなかなか手が届かないんです」  作付のうち約8割がクインシー、残りの2割でイバラキング、アンデスの3種類を栽培。特にクインシーについては、2024年5月に開催された「いばらきメロン品評会 KING&QUEENコンテスト2024」赤肉メロンの部で最優秀賞のゴールドマイスター賞を受賞するなどその高い品質がプロからも評価を受けています。

収量よりも品質を最優先

大玉な山一ファームのメロン 大玉な山一ファームのメロン

美しく整えられたハウス内部 美しく整えられたハウス内部

 メロンづくりのこだわりは「とにかく品質の良い、おいしいメロンを目指すこと」と石田さんは話します。  石田さんの考える品質の良いメロンとは、見た目も良く、食味や香りも良いもの。具体的には、「キレイな良いネットが出ていること。大きいメロンの方がネットもキレイに出やすく、種と果肉のバランスも良く、可食部もしっかりしていて食味も良い傾向があります」と話します。山一ファームが販売するメロンは、4L~5Lサイズが中心。「うちでは基本的に、1株で4玉の実をつけるように栽培しています。もっとたくさんの実をつけることもできますが、一つひとつのメロンを大きく甘く育てるために厳選して育てることが鉄則です」  1月に定植してから収穫までの約半年間は常に気が抜けない日々が続きますが、特に重要なのは花が咲いて交配する「着果」の時期と、実が大きくなってきて網目ができる時期だと石田さん。「基本、メロンは乾燥している環境を好みますが、ネットを作る時には少しだけ湿度が必要。毎年、毎日状況は異なりますから、温度や湿度を事細かにチェックして、それに対応しなければいけません。一玉一玉の生育具合を確認しながらメロンにとって最良の環境を用意してあげられるように、この時期は目が離せませんよ」と石田さんは言います。  実際に、山一ファームのメロンハウスを見学させていただくと、整然と並んだメロンの様子に驚きました。一玉一玉のメロンを我が子のように大切に育てている愛情が伺えます。

「当たり前のことを当たり前に」がおいしいメロンをつくる

刻一刻と変わる天候や風を見て換気 刻一刻と変わる天候や風を見て換気

一つひとつのメロンの様子をチェック 一つひとつのメロンの様子をチェック

 山一ファームは太平洋にほど近い場所にあり、その環境に合わせた気配りも大切だと石田さん。 「海から来る風が冷たいので、波の音を聞いたりしながら風向きを確認して、一日最低2回はハウスの窓の開閉を調整しています。特に2月から3月ぐらいの、外気がまだ冷たい時期は注意が必要です。直接風を当ててしまうのもダメ。換気がうまくいかないと葉がガジガジに固くなってしまって、新芽が伸びなくなったり、メロンの玉も小さくキレイな球体にならなかったりします。こまめな換気が重要です」と、石田さんは当たり前のように話しますが、34棟のハウスそれぞれに風の当たり方などの条件が異なるため、どの窓をどの程度開閉するのかは長年の経験則による技。更に一棟のハウスの中でも場所により温度差ができるため、より細やかな気配りが求められます。一緒にメロンをつくっている息子さんも「換気が一番大変」と言っているそうです。  非常に大変な作業ですが、「どれもメロン農家にとっては当たり前のことで、特別なことはしていません」と朗らかに笑う石田さん。そんな石田さんのつくるとっておきのメロンを求めて、北は北海道から南は九州まで全国各地から注文が入ります。 「KING&QUEENコンテストでゴールドマイスター賞を受賞できて、これまでの苦労が報われました。大きくて甘いクインシーのおいしさを、もっと多くの方に体感していただけると嬉しいですね」

販売時期
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夢~さらなる挑戦~

「今後は、少しずつ栽培面積を増やしていきたい」と話す石田さん。息子さんへの継承も視野に入れながら、今後は現在の品質も保ったまま収量を増やしていけるように考えているそうです。  これからも、赤肉メロンはクインシーひと筋。加えて、イバラキングをはじめ緑肉メロンを求めて足を運んでくれる人もいるので、今後もニーズを捉えた品種を作っていきたいとも話します。  また、山一ファームでは海外へのメロン輸出も行っています。国内のみならず、海外へも茨城メロンの魅力を伝えています。

買えるお店
山一ファーム 直売所(5月~6月下旬頃まで)
住所: 茨城県鉾田市冷水1206番地1
TEL: 0291-37-0992
ファーマーズマーケットなだろう
住所: 茨城県鉾田市飯名537-1
TEL: 0291-34-8888
オンラインショップ
山一ファーム公式オンラインショップ
ポケットマルシェ
食べチョク
インフォメーション
名称 株式会社山一ファーム
住所 茨城県鉾田市冷水1206番地1
お問い合わせ TEL: 0291-37-0992
FAX:
WEBサイトURL https://yamaichifarm.com/
その他の情報 ※このページの情報は、2024年6月時点のものです。

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