いばらきの食に挑戦する人たち
笠間の焼栗 愛樹マロン 西野 歩さん(笠間市)
焼き栗製造機からはじまった愛樹マロン
元々は、地元・笠間市のJAから焼き栗製造機の設計を委託されたことからはじまったという愛樹マロン。焼き栗の製造をきっかけに、元茨城県農業総合センター職員の堀田弘さんが開発した「矮化栽培」という栽培手法を知り共感。そこから、栗の樹を畑に植えはじめて特許を取得したといいます。 矮化栽培とは樹高を低く抑え、枝を剪定することで主幹側部から発生した結果母枝に実をならせる方法です。樹高が低く、小さくなることで葉にしっかりと太陽光が当たり光合成が高効率で行われるといいます。この結果、栗の収量が増加し、3L以上の大粒で高糖度のものがより多く収穫されています。 愛樹マロンでは「ぽろたん」 「筑波」 「石鎚」など複数の品種を、時期を追いかけるように提供しています。凍らないギリギリの-2℃という低温に4週間冷蔵貯蔵する殺虫方法に取り組み、安心・安全な栗を届けています。 しかも、この低温貯蔵を行うことで栗の糖度が上がり、甘い栗に仕上げています。
愛樹マロンが目指す3つの指標
現在は、焼き栗専門店として人気を集める愛樹マロン。店主の西野歩さんに、数多くあるこだわりの中でも特に大切にしていることを尋ねると、次の3つの指標を教えてくれました。 「高品質な栗を届けるために大切にしていることは3つあります。一つ目は、『お客様が笑顔になれる商品を提供すること』、二つ目は『作業するときも皆が笑顔で仕事をすること』、三つ目は『お客様の記憶に残る商品を作ること』です」と西野さん。美味しいものを食べれば笑顔になる、従業員の笑顔は商品にきっと伝わる、そして記憶に残ることでまた購入してもらえると微笑みます。 愛樹マロンの栗は、豊かな甘みとしっとりとした味わいが特徴です。まずは、その美味しさをダイレクトに楽しめる焼き栗がおすすめ。愛樹マロンの焼き栗は、じっくり時間をかけて焼くことでその美味しさを引き出しています。「焼き」の工程は必ず決まった職人が担当し、そのときの気温や湿度、栗の大きさや特徴を見極めているのだとか。特に選別には時間をかけ、3回もの検品を行い、割れや虫食いがないかを確認。焼いている間に爆発しないようひとつずつ切れ目を入れる作業を行い、さらに焼き上げた後にも品質のチェックを欠かさないと言います。
焼き栗からさらに進化する新商品も続々
アイデアの尽きない西野さん。焼き栗以外にも、お父様の作る栗の美味しさを伝えるために様々な商品を開発し、販売しています。 最初はお父様のアイデアで、ジャガイモの代わりに熟成栗を入れたカレーからスタート。そして、焼き栗を使った栗のアイスを考案。ただの栗ペーストでなく、焼き栗を使うことで甘さと香ばしさがプラスされた唯一無二のアイスが完成しました。 そこから「冷凍おこわ」や「焼栗ケーキ」など次々と開発。さらに2024年10月からは濃厚さが自慢の「焼栗のポタージュ」と栗をクリーム状にした栗あんたっぷりの「焼栗のおしるこ」が発売されました。 毎年、新しい商品を手掛ける西野さん。普段からアイデアをノートに書き留めているとか。来年は「栗のジャムに合わせるスコーンやドーナツ、焼栗のケーキの味違いも用意したいですね」と笑顔で話します。 ただの生栗ではなく、専門店ならではの焼き栗を使った商品は、まさに愛樹マロンだけのオリジナルと言えるかもしれません。
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「まずは、いまご愛顧頂いているお客様を大切にしていきたいと思っています。栗のシーズンで考えると秋だけになってしまいがちなので、一年中通って頂けるお店にできたらいいなとも思っています」と西野さん。 栗のお店が多く立ち並ぶ笠間において、愛樹マロンを選んでもらえるように、オリジナル商品の充実と、畑をしっかり守ることが大切とも話します。こだわりを捨てず、お客に満足してもらえる商品を常に提供していきたいと志を語ります。 また、栗農家としては、「若い人たちにもかっこいいと思ってもらえる農家になりたい」と西野さん。収穫のための専用機械の活用を積極的に行っていきたいと言います。 「岩間というところは3つ自慢があって『愛宕山』 『栗』そして『合気道』だと思っています。この3つをしっかり守っていきたいです」と最後にこれからの展望を話してくれました。
インフォメーション | |
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名称 | 笠間の焼栗 愛樹マロン |
住所 | 茨城県笠間市下郷4147-1 |
お問い合わせ |
TEL: 0299-57-1088
FAX: 0299-37-8011 |
WEBサイトURL | http://aiki-marron.jp/ |
その他の情報 | ※このページの情報は、2024年11月時点のものです。 |
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