いばらきの食に挑戦する人たち
豊田りんご園 豊田 拓未(大子町)
豊田りんご園
豊田りんご園直売所
自家製のお土産品も豊富
日本三瀑のひとつ「袋田の滝」を有する大子町(だいごまち)は、県内一のりんごの生産地です。町内には“りんご狩り”ができる観光果樹園が40軒以上あり、毎年10月~12月のシーズン最盛期に入ると、町内はりんごを求める観光客で賑わいます。 「袋田の滝」から車で約10分ほどの場所にある「豊田りんご園」も、そんな観光りんご園のひとつです。農園の広さは7ヘクタールあり、大子町のりんご園では一番の規模、北関東でも最大級のりんご園です。 豊田りんご園では、「秋映」、「シナノゴールド」、「ふじ」などをはじめ、幻のりんご「高徳」を含む約90種類ものりんごを栽培しており、年間来客数は2万人にものぼります。りんごを使った自家製のお土産品も豊富で、りんごを丸ごと1個を使ったバームクーヘンや、りんごジュースなど6種類を販売しています。特にりんごをたっぷり3個分使った「奥久慈 豊田園アップルパイ」は、「大子町のアップルパイ」の人気の火付け役となった大人気の商品です。 二代目園主の豊田 茂男さんは主にりんご栽培を行い、妻の京子さんは直売所を仕切ります。今回ご紹介するのは、三代目の豊田 拓未さん。大学卒業後自社農園に入り、今年(H30)で就農3年目を迎えるフレッシュな若手農業者で、りんご作り40年以上のベテランである父から日々りんご栽培の技術を学んでいます。
「ここでしか味わえない」りんご
樹上で完熟させる
直売所に立つ豊田さん
大子町で生産されるりんごは『奥久慈りんご』と呼ばれ、りんご生産者は、樹に実らせたまま完熟させてから収穫する「樹上完熟(じゅじょうかんじゅく)」を徹底しています。 豊田りんご園のりんごももちろん「樹上完熟りんご」。 「早採りはせず、おいしく完熟してから収穫します。りんご狩りに来てくれたお客さんにも、完熟した樹の場所にしか案内しません。『ここでしか味わえないりんご』をモット―に栽培しているので、味には自信があります」と豊田さん。さらに、「うちの一番の強みは、りんごの種類の多さです。90種類あり、シーズン中毎週来ても常に違う品種があるので、味の違いを楽しんでもらえると思います」と言います。 スーパー等の市場には出回らない完熟の「奥久慈りんご」は、まさに「ここでしか味わえない」希少価値のあるりんごなのです。
「剪定」が味を決める
りんごを育てるうえで一番重要なのは、シーズンが終わった後の1月頃から行う“剪定(せんてい)”なのだとか。剪定は、花芽や枝、葉などの一部を切り落としていくもので、経験と高度な技術が必要です。 「剪定の技術次第で翌年のりんごの大きさが変わりますし、りんごの味の7割が決まるとも言われています。自分はまだ就農して3年目なので、今は父が行う剪定を見ながら、切るもの、残すもの、切り方などを教わっています。早く父の技術を身に付けられるように頑張りたいです」と豊田さん。 また、りんごをまんべんなく色付かせるために、反射光の役割となる白いシートを樹の下に敷くなど”おいしいりんご作り”への様々な工夫に余念がありません。
■おいしいりんごの見分け方
豊田さんにおいしいりんごの見分け方を教えていただきました。 りんごを選ぶ際は参考にしてみてください。 ※品種によって、記載の見分け方と異なる場合があります。 ①赤いりんごであれば、果実の半分以上が着色して、底面の緑色がぬけて黄色みがかっているもの。 ②枝に対してまっすぐに着果しているもの。
1 月 | 2 月 | 3 月 | 4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 |
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「現在90種類近くのりんごを栽培していますが、今後はもっと種類を増やして、お客様の細かいニーズにも応えられるりんごを提供できたらいいなと思います。また、りんごのシーズンは秋のみなので、春や夏などにも収穫ができる果物を栽培して、年間を通して果物を提供できるようにするのも面白いのかなと考えています」 りんご狩りシーズン中、お客さんからかけられる「おいしかったよ」「また来年楽しみにしてるね」などの声がやりがいだと言う豊田さん。豊田さんの挑戦は始まったばかりです。
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