PICK UP/ 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

美明豚(びめいとん)生産者 中村一夫さん(行方市)

美明豚(びめいとん)生産者  中村一夫さん(行方市)

母豚を大切に育てる!

美明豚(びめいとん)

美明豚(びめいとん)

美明豚(びめいとん)

 行方市(なめがたし)にある中村畜産の代表中村一夫さんは、良質なSPF豚(※)として高い評価を得ている『美明豚』(びめいとん)の生産者です。『美明豚』は、茨城県豚枝肉共励会で【農林水産大臣賞】を通算12回も受賞するなど、その実力は折り紙付きです。
 美明豚の肉質は柔らかく、ジューシーですが、しつこくなく、脂に甘みがあります。名前の由来は、一夫さんの父である先代の中村美明(なかむらびめい)さんの名から取ったそうで、平成15年に商標登録されています。

(※)SPFとは…SPF豚とは、日本SPF豚協会に認証された豚のことで、家畜衛生を中心とした精度の高い管理技術を持った農場でのみ生産された豚に与えられる。

繁殖~飼育~出荷まで一貫型の養豚場へ

繁殖~飼育~出荷まで一貫型の養豚場へ

繁殖~飼育~出荷まで一貫型の養豚場へ

繁殖~飼育~出荷まで一貫型の養豚場へ

 子供の頃から豚と遊び、学校が休みの時は父の手伝いをしてきたという中村さん。高校卒業後、本格的に家業に入ります。
 「平成9年までは、子豚を買ってきて育てていました。というのも、自社で出産させるとなると、出産に立ち会う人、育てる人と24時間体制で人が付いていなければならないため、人手が足りませんでした。しかし、高品質な豚肉を作るには、やはり母豚から育てていかないといけないと思い、SPF豚を一貫経営する為に設備を整えました。」
 養豚場の“一貫型”への設備投資額は多額です。しかも、工事期間中の売上もありません。しかし、先を見据えていた中村さんは、思い切って設備投資を決断し、種豚の導入、分娩舎、ストール舎2棟、育成舎、事務所を建設しました。その後生産が軌道に乗り始めると、繁殖成績は予想を大きく上回り、『美明豚』の名は首都圏を中心にみるみる評判となりました。
 現在中村畜産では、新たな分娩舎とストール舎を建設しています。

母豚を大切に!

 中村さんの豚の飼育方法はいたってシンプル。それは「母豚を大切に育てる」ことなのだそうです。
 「元気な母豚からは元気な子供が産まれるので、その子供やそのまた子供も病気にもなりにくいし、ちゃんと発情周期が来る。種の着きもいいのでたくさん赤ちゃんを産んでくれます。また、生まれてすぐ母豚の乳を飲む“初乳”は非常に大事です。移行抗体といって、豚は人間と違って生まれてすぐはほとんど免疫を備えておらず、哺乳によって母豚から抗体を得ます。初乳が飲めない新生子豚は100%死にます。母豚が元気だと、初乳も元気に飲む子供が産まれます。子豚が小さいうちはどうしても親豚が育てるので、親豚を大切にしています。」
 中村畜産の分娩室では、空調が管理された部屋で自然分娩による赤ちゃん豚が産まれ、元気におっぱいを飲んでいる様子が見られます。

肉質を重視

 中村さんは、“量より質”を重視する養豚家です。良質な肉質にする為に欠かせないのがエサと環境。中村畜産の豚舎は全て、豚に太陽が当たるように南向きに建設されています。
 エサの種類は5種類あり、子豚の成長段階によって変えていきます。肉質が決まる一番大事な時期といわれる5段階目の成熟期には、エサ屋さんと中村さんが配合分配を試行錯誤で考えた指定配合飼料“美明豚極旨”を使います。
 「環境はもちろんですが、エサはどの段階においても手は抜きません。美明豚極旨は、非常に肉質がよくなるエサですが、うち以外の豚にこれを与えても効果が出にくいと思います。これを食べて立派な豚に育つよう、品種からしっかり育てることが重要です。」
 美明豚は、生まれてから出荷までの日数が180日と、通常の出荷日数よりやや遅め。これも、肉質を重視するからこその設定なのだそうです。

 また、昔ご実家で営んでいた小売店をよく手伝っていというた中村さん。店頭で消費者の声を直に聞けた経験は、今のご自身のスタイルを作りあげた貴重な財産だと言います。
 「お客さんの手元に渡る時の肉質がわかるんです。だからね、絶対にいいかげんなことはできない。お客さんの顔がパーっと目に浮かぶんですよ。お客さんはすぐ見抜きますから。」
 中村さんは常に「評価するのは自分ではない」といいます。小売店閉店後の現在でも、第三者に美明豚を食べてもらい、意見を聞く機会を定期的に設けているそうです。

販売時期
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

夢~さらなる挑戦~

 「うちの豚は品種を改良して少しずつ進化しているんですが、近日中にフルモデルチェンジする予定です。今後の美明豚はもっとおいしくなりますよ。今後もより一層、肉質の追求をしていきます。」
 中村畜産は家族経営。笑顔の絶えない元気な奥様由美子さんと、息子の竜太朗さんと、義季さん。とても仲の良い家族です。中村さん同様、小さな頃から豚と遊び、豚と共に成長してきた頼もしい跡継ぎ二人には、「自分の考えを押し付けず、自分たちの考えでやっていって欲しい」と語る中村さんでした。

インフォメーション
名称 中村畜産
住所 茨城県行方市次木1206
お問い合わせ TEL:0291-35-2146
アクセス こちらは養豚場ですので、販売は行っておりません。
その他の情報 この情報は平成28年2月時点のものです。

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