いばらきの食に挑戦する人たち
JA水戸 水戸地区ねぎ生産部会 部会長 園部優(水戸市)
JA水戸のオリジナルブランド 柔甘(やわらか)ねぎ
JA水戸のオリジナルブランド『柔甘(やわらか)ねぎ』は、指定生産者21名が作る、白くやわらかなねぎのこと。緑の部分も柔らかく、端から端まで丸ごと、サラダ感覚で生でもおいしく食べられます。 水戸地区ねぎ生産部会の園部優さんは、『柔甘(やわらか)ねぎ』の試作、立ち上げから携わる、ねぎ生産部会の部会長です。 「柔甘ねぎ(いわゆる軟白ねぎ)は、北海道が本場です。まずは北海道に視察に行き、ハウスで作るねぎを見て、その品質の高さに魅了されました。今まで我々が作っていた露地栽培のねぎと比較して、とにかく柔らかくて甘い。辛みも少なく、同じねぎでも全く食感が違いました。北海道の寒い土地で育つなら、茨城でも栽培できそうだ。何より、これは茨城で作っても経営が成り立つと感じました。」 こうして茨城での柔甘ねぎの栽培は、2名で始まりました。しかしゼロからのスタートで、最初は何のノウハウも無いなか、生産者、種苗会社、国の研究機関などの元に訪れては試行錯誤しながら栽培を開始したそうです。
柔甘ねぎの立役者
栽培技術を模索していた2人は、県の普及センターの担当者と一緒に悩み、幾度も解決策を検討したそうです。 「県の担当の方が居なかったら、おそらく柔甘ねぎは始まっていなかったと思います。ずっと一緒に悩み、考えてくれて、それは熱心に指導してくれました。」担当者の熱が生産者の背中を押し、いよいよ柔甘ねぎが販売となる時も、販売先への売り込みを熱心にサポートしてくれるなど、「この方のお陰で現在の柔甘ねぎがある」と言います。 園部さん達が確立した栽培方法は細かくマニュアル化され、現在JA水戸とねぎ部会が厳しく管理しています。園部さんは、水戸地区ねぎ生産部会の中に“柔甘ねぎ部”を設立。柔甘ねぎを栽培するためには、現部員からの推薦状、全量JA共販など、柔甘ねぎ部の定める規約に沿うことが必要とされ、厳しく生産体制が管理されています。
安心安全を数値で証明
ビニールハウスのなかで育てる柔甘ねぎは、雨にぬれることがないので病被害が出にくいという特長があります。その為農薬の量を最低限に減らすことができ、県の特別栽培認証農産物(※)に認証されています。また、部会全体でGAP(※)への取組みも行っているそうです。 「GAPの導入や特別栽培を取ったのは、生産者全員の意識改革を行い、食味と品質の向上を目指したからです。また、成分検査を研究所に依頼して、硬度、水分量、硝酸量、辛み、甘みについても正確な数値を出しています。」 おいしさ、柔らかさに裏付けのある柔甘ねぎは、県が現在取り組んでいるブランド化事業の推進商品にも選出され、今後は県全体のサポートのもと、更に柔甘ねぎをPRしていこうという動きが始まっています。 (※)特別栽培認証農産物とは…茨城県の慣行レベルに比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下で栽培された農産物に与えられる認証のこと (※)GAPとは…農産物を作る工程の中で、安全性や品質の確保、環境への負荷低減を図る上での問題点をリスト化し、その問題に対して改善・是正方法を作り実践し、より適正な管理を行うこと
1 月 | 2 月 | 3 月 | 4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 |
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柔甘ねぎの最盛期は、4月~6月。それは、路地栽培のねぎの抽苔(※)が始まり、極端に市場出荷量が減る時期に当たります。 「市場にねぎが少なくなる時期に、うちから最高においしいねぎを多くを出すことで、高値で取引してもらうことができます。農家にとって安定した収入にもつながります。」と園部さん。 「柔甘ねぎは今、生産者にとっても、JA水戸にとっても大きな柱になっています。近年柔甘ねぎ部には、30代前半の若い夫婦や新規就農で“ねぎで生計を立てたい”という方などが入会しています。そういった若い生産者が希望が持って、生きがいとして栽培に取り組み、生活が豊かになることが一番大事なんだと思っています。そのためにも、おいしくて、安全で、高品質で、消費者の健康の力になれるようなねぎを作り続けたい。」そう語ってくれました。 (※)抽苔(ちゅうだい)とは…生殖成長が始まったサインで、ネギボウズができてしまう状態のこと。栄養成長が止まり、葉が固くなって食味が落ちてしまいます。
インフォメーション | |
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名称 | 水戸農業協同組合 西部営農資材センター 予冷センター |
住所 | 水戸市飯島町1309-4 |
お問い合わせ |
TEL: 029-252-2525
FAX: |
その他の情報 | この情報は平成28年度3月時点のものです |
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