いばらきの食に挑戦する人たち
茨城のにがうりを全国へ! 久保和弘さん(古河市)
JA茨城むつみの挑戦
にがうり
JA茨城むつみ(古河市)の三和地区野菜生産部会の久保和弘さん
JA茨城むつみ(古河市)の三和地区野菜生産部会の久保和弘さんの家は、もともとナスやレタス、白菜などを生産する農家でしたが、和弘さんのご自身の代からにがうりの生産を始めました。 沖縄など九州地方を中心に栽培されるにがうりは、その強い苦みから「苦手な野菜」の上位にランクインすることも多い野菜ですが、この苦さを活かした生産やPRができないかと、中村守さん(現・JA茨城むつみ三和地区野菜生産部会部会長)を始めとした有志達が立ち上がりました。当時、サラリーマン経験を経て実家の農業を継いだばかりの久保さんは、このにがうり生産の仲間に加わりました。 久保さん「当時は“作物を育てる”ということがどういう事か全くわかりませんでした。初めての収穫の時は、とても販売できるような作物ではありませんでした。でも、にがうり作りの先輩達とは、子供の頃から一緒で家族ぐるみの付き合いがあり、丁寧に作り方を教えてくれました。それでやっと良い実ができるようになりました。」
にがみマイルドの秘密
にがうり料理
にがうり マルチ
JA茨城むつみの生産者が作るにがうりは、他産地のものと比べ、食べたあとにほろっと苦みが出てくる、“惚(ほ)ろにがうり”。にがうりの苦味は「モモルデシン」という成分で、これはにがうりの実が成長するときに与える水分量によって増減するのだとか。 久保さん「実の成長期にたくさん水をやると苦みが減ります。でもやりすぎると根腐れを起こすので、だいたい2~3日に1回の頻度で水を与えています。」 久保さんはポンプで汲み出した水をマルチ(にがうりが植えられている土の上にかけるシート)に穴を開けたところから、株の根元に与えていきます。沼のようになるまでたっぷりと与えるのが、ほろっとした苦みの秘訣だそうです。
市場も注目!若き生産者達
茨城・古河の惚ろにがうり
茨城・古河の惚ろにがうり
JA茨城むつみのにがうり生産者は現在36名。多くが30代~40代の若き生産者ばかりです。生産者は月に1回程度、全員の畑を周る勉強会を開き、更なる技術の向上と品質の保持に努めているそうです。 久保さん「生産当初、実が生らない時がありましたが、この勉強会に参加してツルを切りすぎていたことが分かりました。実際に自分の畑を見てもらって細かい技術指導を受けられるのでありがたいです。」 収穫後は自分達で決めた厳しい出荷基準のもと、できあがりを一つひとつチェックして出荷します。少しでも曲がったもの、イボが欠けたもの、色ムラのあるものはB品として厳しく選別しています。また、生育時に真っすぐ育つように“スマート”と呼ばれる成形具を一つひとつに取り付けるのも欠かせない作業のひとつ。それでも曲がって育つものは、すぐに切り落とすそうです。 また、年間で、苗1本当たりの出荷ケース数、販売額などが秀でた生産者を賞する『N1グランプリ』(にがうりNo1グランプリ、今年で7回目)が生産者の間で開催されるなど、他の産地にはないおもしろい取組もしています。なお、久保さんも優勝者の一人です。 厳しい基準を設けて若い力が一丸となって作るにがうりは、東京市場で高く評価され、“茨城・古河の惚ろにがうり”として通常の価格より高値で取引されているそうです。
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「JA茨城むつみの生産者は若い人が多いので、情熱があってやる気マンマンです。今後はもっともっと生産者を増やして、にがうりと言ったら“茨城のにがうり”だよね、と言われるくらい、僕たちの作ったにがうりを全国に広めたいです。」 久保さんらが作る“惚ろにがうり”は平成26年に、県の銘柄産地に指定されています。 ※銘柄産地とは…茨城県青果物銘柄産地制度。高品質な農産物を生産し、その信頼性・安全性が市場で高く評価され、多様化する実需者ニーズに対応できる産地を、県が指定する制度。現在、銘柄産地は49産地が指定を受けています。(平成27年2月現在)
インフォメーション | |
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名称 | JA茨城むつみ |
住所 | 茨城県古河市仁連2074-1 |
お問い合わせ |
TEL: 0280-76-1717
FAX: |
WEBサイトURL | http://www.jamutsumi.com/index.html |
その他の情報 | ※この情報は2016年度時点のものです。 |
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