いばらきの食に挑戦する人たち
見た目より味、生産性より安全性を 海老沢 衛さん(茨城町)
"安全性"を重視した農業への転換
海老沢さんは、有限会社丸エビ倶楽部の代表取締役社長です。 海老沢さんは、昭和40年代の高度成長期にいち早く30アールの鉄骨ハウスをたて、トマトやナスの加温促成栽培を始めました。そんな中、オイルショックで加温に使用する燃料が10倍の価格になったり、ハウスの中で農薬中毒になるニュースを耳にしたことで、加温促成栽培の将来性に疑問を抱くようになりました。そうして考えた末に、それまでの加温促成栽培をやめて、農薬を使わず、適切な時期に作物を作る生産方法へ転換する事にしたそうです。 それ以来、旬の時期に美味しいものを提供するために『見てくれよりも"味"、生産性より"安全性"、豊作の時ほど栄養分が詰まり、食べ物として価値がある』という考え方で、農業を営んでいます。
丸エビ倶楽部
丸エビ倶楽部は、海老沢さんと、同じ考えを抱く生産者の方々によって平成7年にスタートしました。 現在は、茨城県内約 80名の生産者で地域循環型・環境保全型農業を目指し、海老沢さんが生産するお米やにんじんをはじめ、さまざまな品目の農産物について、化学合成肥料や農薬の使用を抑えた特別栽培に取り組んでいます。「より安全なものを食べてもらいたい」という気持ちがある生産者たちで構成された丸エビ倶楽部の農産物は、生協、生活クラブの組合員の方たちを中心に多くのお客様に支持されています。 丸エビ倶楽部がスタートしてからの20年間は、消費者への生産方法や生産履歴の開示、トレーサビリティの構築、地域の環境保全のための循環型農業への取り組みなど、当時としては新しいさまざまなことが求められました。消費者の「"安全な国産農産物を作る"という意識を持った一次産業従事者になって欲しい」との声に応えられるよう、取組み続けています。
田んぼの作業体験
丸エビ倶楽部では、生活クラブと共同で、「主食である"米"の生産実態を通じ、米作りの大変さや楽しさを知り、田んぼや農地を残すことの意味の重要性を考える」ことを目的として、生活クラブの組合員向けに田んぼの作業体験を行っており、2014年度で15回目を迎えました。 年3回のすべてに参加した参加者には、丸エビ倶楽部の新鮮な野菜セットをプレゼント。じゃんけん大会や、丸エビ倶楽部の婦人部の方たちが用意した羽釜で炊いたご飯と、おみそ汁、おかずを昼食として、田んぼで食べる時間もあります。参加者が終始笑顔だったのが印象的でした。 この体験会で、丸エビ倶楽部の生産者は消費者との交流を図っています。
1 月 | 2 月 | 3 月 | 4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 |
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消費者との交流を通じ、消費者にきちんと生産方法などの情報を伝えることで、生産物を再生産できる価格設定で販売をして、"子供達が後を続けていける農業"を見せていきたいです。また、そういった取組を通じて、国内の食料自給率を上げていきたいです。 それと、お米コンテストに出すお米も作っていて、お米コンテスト日本一に輝けたら、と思っています。
インフォメーション | |
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名称 | 有限会社丸エビ倶楽部 |
住所 | 茨城県東茨城郡茨城町駒場212-1 |
お問い合わせ |
TEL: 029-292-6648
FAX: |
その他の情報 | ※この情報は2014年度時点のものです。 |
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