いばらきの食に挑戦する人たち
貝塚忠三郎商店 貝塚 幸夫(かすみがうら市)
貝塚忠三郎商店
多種類の佃煮を販売している
貝塚忠三郎商店(かいつかちゅうざぶろうしょうてん)は、1910年(明治43年)創業の老舗佃煮店です。社名の「貝塚忠三郎」は初代の創業者名で、今回取材したのは4代目の貝塚 幸夫さん。息子の貝塚 康博さんも後継者として幸夫さんと共に佃煮を作っています。 消費者の多様なニーズに応えるため、昆布やクルミを使った佃煮を開発するなど、商品数を増やすことにも力を注ぎ、幅広い種類の佃煮を取り揃えています。 工場の目の前に広がる霞ヶ浦で獲れる魚やエビなどで佃煮や煮干を作り、工場近くの本店、バラをメインとした庭園併設の直売所「Garden Park Shell(ガーデンパークシェル)」で販売を行っています。
佃煮はしょうゆが命!秘伝のタレで「農林水産大臣賞」受賞!
農林水産大臣賞を受賞した「しらうお佃煮」
味の決め手は「秘伝のタレ」
貝塚忠三郎商店の佃煮は、良質な材料を丹精込めて炊き上げるため、素材の味を活かした自然なおいしさを味わうことができます。 あめ色に輝く佃煮をいただくと、ほどよい歯ごたえがあり、しょうゆの香りと甘じょっぱさが口いっぱいに広がります。 貝塚さんが手がける看板商品「しらうお佃煮」は、契約漁師により霞ヶ浦で水揚げされたシラウオを使った佃煮です。2021年11月には優れた製品を表彰する茨城県水産製品品評会で、最高賞となる「農林水産大臣賞」を受賞しました。なんと同じ賞を、2代目が1973年に、3代目が2007年に「わかさぎ甘露煮」で受賞しているのだそうです。 受賞を受けて、「大変嬉しい」とおっしゃる貝塚さん。味へのこだわりをお伺いすると、「佃煮はしょうゆが命。味のメインがしょうゆなので、良いものを作るには良いしょうゆを使うというところですね。うちでは三重県産のたまり醤油を使っています」とのこと。まろやかで濃厚なたまり醤油と、白砂糖、水あめなどを30年以上に渡り継ぎ足した「秘伝のタレ」で作る佃煮が貝塚忠三郎商店の味の決め手です。
秘伝のタレにシラウオを入れる貝塚さん
あげるタイミングは重要なポイント
しらうお佃煮の製造現場にお邪魔すると、まず「秘伝のタレ」を釜に入れ、タレが煮立ったらシラウオを入れていきます。 「この時、釜に入れるタレの量、タレの量に対してのシラウオの量には適量があります。きちんと計算して入れないといいものはできません」と貝塚さん。 シラウオを入れたら、白砂糖などを入れ味を調整をしたのち、はじめは強火で沸騰させ、火加減を調整し時折かき混ぜながら40分程炊くと、沸騰の泡が小さく細かくなり、全体の色が黒っぽく濃くなってきます。ここで仕上げの白砂糖と水あめのような粉(詳細は企業秘密)と秘伝のタレを追加で入れ、少し煮たら釜からあげるのですが、あげるタイミングも重要なポイントなのだそう。 「沸騰の泡の加減や色など全体を見て“今”というタイミングがあります。早くあげてしまうと薄味になって日持ちがしないものになってしまうし、遅いと固くしょっぱくなってしまいます。これはこれまでの経験で見極められるものです」 「この道45年。だからできる」と笑う貝塚さん。こだわりの味の裏には、長年の経験によって蓄積された職人の確かな技術があるのです。
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今後の展望をお伺いすると、「ここで生まれ、先代から受け継いで続けてきた仕事なので、あとは息子に長くやってもらいたい、それだけですね」と言います。 貝塚忠三郎商店直営の販売店のひとつに、直売所の周囲にバラをメインとしたイングリッシュガーデンが広がる「Garden Park Shell(ガーデンパークシェル)」があります。ここは、貝塚さんと奥様のガーデニングの趣味が高じて始めたものだそうで、5月には数十種類のバラが鮮やかに園内を彩ります。 「ガーデンパークシェル店では、毎年5月のゴールデンウィーク辺りから6月までの土・日に佃煮2割引、雑貨類等の販売を行うイベントを行っていて、毎年沢山のお客さんが来てくれます。それ以外にも毎月“0”の付く日に佃煮1割引のイベントなどを行っていますが、今後はそのほかにも何かしらの催し物を月に1回やろうと考えています」 ガーデンパークシェル店は、予想以上に広く美しい庭園が直売所の奥に広がっています。オープンガーデンなので無料で園内を散策することができ、佃煮店とバラ園が融合した素敵なお店です。
インフォメーション | |
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名称 | 貝塚忠三郎商店 |
住所 | 茨城県かすみがうら市坂687 |
お問い合わせ |
TEL: 029-896-0028
FAX: 029-896-1067 |
その他の情報 | ※このページの情報は2022年1月時点のものです。 |
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