いばらきの食に挑戦する人たち
バラの持つポテンシャルを活かすバラ作り 神生 潤一(石岡市)
理に適ったバラ作り
石岡市にある『神生(かのう)バラ園』は、昭和49年に設立。現在1400坪の敷地で約20種類のバラの栽培を行っています。神生潤一さんは、神生バラ園の2代目社長。農業大学を卒業後、花の卸市場勤務を経て、現在スタッフ7名と共に、より良いバラ作りに日々励んでいます。 神生バラ園のバラは大型ハウスで水耕栽培されています。ロックウールという苗床で行う栽培方法で、これには神生さんのこだわりがありました。 「僕は、物事を理屈で理解できないと嫌なんです。土耕の土壌を分析すれば数値が出ますが、分析した場所から何メートルか離れると、またそこは微妙に違う成分だったりするんですよね。1400坪分の土壌の全てを分析して理解して、対策を行うとなると気が遠くなります(笑)。それに比べて水耕は同じ列なら場所が離れても同じ成分になります。僕にとっては施設(水耕)栽培の方が栽培の状態を正確に把握できるので、断然面白いんですよ。」
健康なバラを作る
神生さんは、健康なバラ作りを日頃から心がけているそうです。 「植物は光合成をすることで成長します。バラの栽培も,基本となるのは光合成をいかにさせるかという所です。日照が無いと弱ってきますし、弱ると虫や病気が入りやすいので、とにかく"健康"なバラを作るということが大事ですね。例え虫や病気が入ってしまったとしても、薬を与えるという方法はなるべく取らず、原因を考えて、肥料や光でバラを根っこから元気にさせてやる。人間でいうと、風邪をひいたら、栄養のあるものを食べさせて元気にしてやるという感じですかね。」 バラ園の仕事は、大きく分けて2つ。ハウス内(温室)での生産管理、そして作業場での出荷作業。神生さんは、いつでもバラの状態が見られる温室にいるよう努めています。
IT化の波
施設で管理し栽培を行うバラ作り。これからはもっと工学的な知識が必要になると神生さんは言います。 「施設栽培はどんどんIT化が進んでいます。僕、高校は普通科を卒業しているのですが、工業高校に行っておけば良かったと後悔しています(笑)。うちでも最近、システムを取り入れて、施設内の温度や湿度等をスマートフォンで随時受け取れるようになっています。このお陰で以前よりすぐ対策を取れるようになったので、より良いバラ作りができますね。今は情報が一方通行ですが、今後はスマホ等でこちらから指示できるようになると思います。」 外国にいながら日本の自分の施設の管理ができる、そんな時代も遠くはないのかもしれません。
バラを長持ちさせるには?
神生さんに、購入したバラを長持ちさせる秘訣を聞いてみました。 「『切り花栄養剤』という液体が、花屋さんではおそらくどこでも売っています。花瓶の水が濁るという状況は、菌が発生してバラが水をうまく吸えない状態です。この栄養剤は殺菌剤と糖が入っているので、そのような状態になるのを防いでくれます。これを使えば誰でも簡単に花を長持ちさせられます。」
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家族がいるからこそ日々頑張れるという神生さん。今後の夢をお聞きしました。 「もっとバラを上手に作れるようになりたい。バラの世界的大産地であるオランダでは1坪に1500本ものバラを、何ヘクタールと育てているんです。うちではその半分も作れていない。私個人的には、日本の施設栽培技術は世界と比べてかなり遅れていると思っています。すぐに追いつくのは難しくても、いつか世界トップレベルの技術に追いついて、もっともっとたくさんのバラを作りたいです。」
インフォメーション | |
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名称 | 神生バラ園 |
住所 | 茨城県石岡市吉生3113 |
お問い合わせ |
TEL: 0299-44-0333
FAX: |
WEBサイトURL | https://ja-jp.facebook.com/pages/神生バラ園/272872746108441 |
その他の情報 | ※この情報は2014年度時点のものです。 |
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