いばらきの食に挑戦する人たち
他にはないお米をお客様に届ける 大嶋 康司さん(筑西市)
大嶋農場の『百笑米』
大嶋さんの家は代々続く米農家。筑西市桑山地区の筑波山を望む16ヘクタールの田んぼで、ミルキークイーンを中心に黒米、赤米、カレーに適した華麗米など十数種類のお米を作っています。 そのうち、JAS有機栽培米が約半分、茨城県認証特別栽培米(減農薬・無化学栽培米)が残りの半分になります。 大嶋さんは東京農業大学に進学し、卒業後すぐに実家で就農。お米作りを始めました。1999年頃までは、主にコシヒカリを作っていましたが、お米の供給量が増え,値が下がっているのを感じ、差別化を図るためにミルキークイーンを作りはじめました。その戦略が功を奏し、食味のよいミルキークイーンは、今では多くのお客様に支持されているそうです。 その後は栽培する品種を増やし、ブランド化され、『百笑米』と名付けられました。やさしくて親しみのある、お米のイメージにぴったりな名前で販売されています。 大嶋農場では、ミルキークイーンをはじめとした数種類の品種について、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構(NARO)との利用権許諾契約を結び、原種から栽培しているそうで、この原種からとった種も販売しています。種を作る時は、他の品種が混ざらないようにするのが一番大事で、とても神経を使うといいます。
若手農業者を育てる
大嶋農場では『若いスタッフを育て、日本の農業を未来につないでいきたい』という考えから、20代のスタッフが5人働いています。 「今後、日本の農業は転換期を迎えます。関税が下がり、海外からの輸入量が今まで以上に増加することが日本の農業を守るためにも、作るだけではなくお客様のことを考えた商品作りが重要だと思います。大嶋農場では、自家生産したお米でお酒づくりを始めました。『百笑米』のお客様に新たな提案ができればと思います。こうした取り組みを若いスタッフにも見てもらうことが、今後につながって欲しいですね。」
安全でおいしいお米
食の安全が問われている中で、百笑米は有機栽培のお米作りにこだわっています。 「年間約80,000羽の鶏を飼育し、その鶏糞と米ぬかを主とした堆肥を作り、この自家製の堆肥を使っています。肥料の原料までわかっているので安心です。もちろん、食味にもこだわっています。 お米の食味を向上させるために、沖縄産の天然塩(雪塩)、国産ハチミツ、カツオ節エキスを穂が出る時期に数回散布しています。ひと手間かけることがおいしさの秘訣です。」
若手農業者を育てる
大嶋さんは、東京農業大学の「食と農」の博物館で講師を務めています。そのほか、県西農林事務所主催の技術検討会や他地域の講習会などでも栽培技術や経営戦略などのレクチャーをしています。自家製堆肥の製造方法や雑草対策、雪塩・ハチミツの散布等による食味向上への模索・研究などの取組について詳しく説明をすることで、日本の農業技術の底上げを図っています。
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昨年から、水田雑草の抑草効果を図るため、農閑期の冬期に水田へ水を張る冬期湛水農法をはじめました。 まだ取り組んで間もないため水田の抑草効果など未解決な点もありますが、今後、データを取りながら方法の改善や面積拡大に取り組んでいきたいです。 これからも堆肥の適正量使用による温室効果ガスの排出抑制や生物多様性の保存など、先進的な農法の実践や工夫に取り組んでいきたいと思います。
インフォメーション | |
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名称 | 株式会社大嶋農場 |
住所 | 茨城県筑西市桑山3327番地1 |
お問い合わせ |
TEL: 0296-57-3774
FAX: |
WEBサイトURL | http://www.hyakusyoumai.com/index.html |
その他の情報 | ※この情報は2013年度時点のものです。 |
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