いばらきの食に挑戦する人たち
土から造る真心こめた落花生作り 石嶋 祐介さん(龍ケ崎市)
外に出たからこそわかる自社の価値
『郷土の香り石嶋』は、落花生の生産・販売などを行っています。『郷土の香り石嶋』部長の石嶋祐介さんは、父である現社長のもとで経営を学んでいます。 石嶋さんは大学卒業後、家の仕事に就くのが嫌で、都内で家具の営業の仕事に就いたそうです。「当時、実家以外の仕事だったら何でも良かったんです。とにかく嫌だった。」と語る石嶋さん。しかし、他業種の仕事をしたからこそ、ご実家の店の価値を改めて感じたと言います。 「ちょうどその頃、『郷土の香り石嶋』は小売店だけでなく生産も始めるようになった時期でした。自分で作ったわけではない家具をお客様に販売することに違和感を感じ始めていたとき、うちの仕事は自分で作ったものを自分で売れる。僕のやりたいことはまさにこれだったんだ!と思いました。」石嶋さんは家具販売の仕事を辞め、本格的にご実家の仕事をする決意をしたそうです。
自分で作る
ご実家に戻った当時は、落花生の生産と並行して社長が力を入れて作っていた枝豆の営業からスタートしたという石嶋さん。しかし当初は、枝豆にしろ落花生にしろ、先方に「どの時期にどれくらいの収量が見込めるか」等を詳しく聞かれると、答えられませんでした。 「枝豆は、品質も良かったし、変わった品種を作っていたこともあって一時は生産が追いつかなくなるくらい売りました。でも、店舗があるのになんで外で売らなきゃならないんだという疑問と、やはり自分で作っていないので、その商品について自信を持って答えられない自分が悔しくて。」 枝豆の営業を命じられてから1年後、自社の商品を生産からしっかり学ぼうと自社農場に入り、落花生作りを始めました。
100%天日乾燥
殻付き落花生は、収穫し、乾燥し、焙煎して完成するとてもシンプルな商品です。落花生の持っている味そのものを生かし、基本的に調味料による味付けは行いません。だからこそ、ひとつひとつの作業工程により味が変わってくるそうです。 石嶋の落花生作り一番のこだわりは、落花生の乾燥を100%天日で行うこと。落花生の乾燥は機械による火力乾燥が主流ですが、味は自然乾燥でできた落花生には敵わないそうです。 「作業性から考えれば機械で短時間で乾燥する方が効率が良いですよね。自然乾燥は最低でも2週間は干さなければなりませんので人手もいるし、自然との戦いでもあるので大変です。でも、じっくり天日で乾燥した落花生の甘みと食感は、機械ではどうしても出せない。」 乾燥が終わると、最後に約1時間かけて焙煎を行いますが、焙煎の最後の1、2分の加減でも味がガラっと変わる為、シンプルだからこそひとつひとつが気の抜けない作業だそうです。
落花生はどうやってできる?
落花生はどうやってできるのか、知らない方も多いと思います。今回は石嶋さんに、落花生がどうやってできるのか教えていただきました。 「落花生はさやに入った豆です。豆なら木の枝に実っていると思っている方も多いと思いますが、落花生は、豆類のなかでも唯一、土の中でできる植物なんです。落花生は花が咲くと、咲いた花の茎の根元から、『子房柄』という先の尖った茎のようなものが出てきます。これがなんと土に刺ささっていきます。その先のとがった先端が土の中で太りだし、落花生になります。」
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「小さな子供からお年寄りまで、どんな年代の人がお店に来ても喜んでもらえるような落花生商品を作りたいです。うちのベースは落花生専門店なので、今までは『殻付き落花生』を売りたいと思っていましたが、『殻付き落花生』は買っていただける年齢層が狭くなってきているのが現実です。これからは、落花生を使った加工商品の開発に力を入れていきたいと思っています。また、今後は『落花生』に限らず枝豆、大豆などの『豆』というカテゴリー全体にこだわっていきたい。『豆商品なら石嶋』と言ってもらえるように頑張ります。」 現在、『郷土の香り石嶋』の売り上げNo1を誇る商品は、石嶋さんの落花生を使い、母けいこさんが手作りで作る『けいこさんのみそぴー』です。石嶋さんは、「これは今後の落花生商品開発に向けて大きな希望になる」と力強く語ってくれました。
インフォメーション | |
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名称 | 郷土の香り石嶋 |
住所 | 茨城県龍ケ崎市寺後3470-1 |
WEBサイトURL | http://www.ishijima88.com/shopping/rakkasei.html |
その他の情報 | ※この情報は2013年度時点のものです。 |
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