いばらきの食に挑戦する人たち
黒米・麦芽玄米を使ったおかき作り 大川けい子さん(鹿嶋市)
黒米・発芽玄米でおかき作り
大川農園の大川喜美さんとけい子さんご夫妻は、鹿嶋市でコシヒカリ・ミルキークイーン・黒米・もち米・学校給食用の特別栽培コシヒカリなどを生産・販売する、米専門の生産農家です。 夫の喜美さんが実家の米農家を継いだのは今からおよそ10年ほど前。以来、喜美さんが中心となり、それを妻のけい子さんがサポートする形で夫婦二人で米作りを行ってきました。そんななか、必ず出てしまう、販売規格に満たないお米をいつももったいない…と感じていたというけい子さん。 「主人がとてもこだわって作っているお米です。品質も味も同じなのに、少し形が悪かったり小さかったりするだけで出荷できない米は、本当にもったいなくて。その米を使って、はじめはせんべいを作ろうと思ったんです。親戚にせんべい作りに長く携わっている方がいたので、その方の所に何度かお話を聞きに行きました。すると、その方から"せんべい作りはとても素人が手を出せる仕事じゃない。大きな設備も必要"との助言を受けまして。せんべい作りは断念して、おかきを作ることにしました。」 昔から作ることが大好きだったというけい子さんは、喜美さんこだわりの米を使って以前から興味のあった加工品作りを開始しました。しかしおかき作りにも、ある程度の設備は必要です。そこには、けい子さんがせんべいを作ろうと決めた時点で、加工所を建てていた行動力のある喜美さんの"中途半端に物を始めない・先行投資は大事"という信念があり、加工所に乾燥機や冷蔵庫等の設備を揃えてくれたそうです。
黒いおかき
大川ご夫妻は、白米の他に健康に良いといわれる黒米や発芽玄米を自宅用に作っていました。これをおかきにすれば、健康志向の現代人には引き合いのある新しいおかきになるのではと考えたけい子さん。そこから大川農園のおかき最大の特徴である、黒米入りのおかき作りが始まりました。 「黒米入りの黒いおかきなので、見た目でびっくりされる方も多いんですよね。ただ、その見た目をカバーする為にも、口当たりと味付けにはこだわりました。一口食べたら、絶対においしいって言っていただける自信があります。」 見た目には確かに黒っぽくて焦げてしまったような黒米入りおかき。しかし、一口食べると黒米のツブツブとした食感と米の旨味が口いっぱいに広がります。何より驚くのは、ご自身でも「自信がある」と言う味付け。主にめんつゆを使うそうですが、そのさじ加減が抜群です。また、こちらも驚くのが、大川農園のおかきはおかき特有の油っぽさがな無く、さっぱりとしたおかきであること。理由は、けい子さんがおかき完成後に行う『秘密のひと手間』があるからなのだそうです。
乾燥の度合い
けい子さんのおかき作りは、米研ぎから始まり、蒸し、餅つき、熟成、乾燥、揚げ・焼き、そして味付けまで、全てが手作り。なかでも『乾燥』の工程が安定するまでには、長い時間がかかったそうです。 「乾燥させるのに、直射日光はダメだとわかったので室内に置いたらカビたり、風をあてて乾燥させすぎても揚げたらバラバラになってしまったり。一番難しかった"乾燥の度合"が、手で触ってわかるようになるまではだいたい2年くらいかかりましたね。」 試行錯誤の末完成した大川農園のおかき。パッケージデザインも専門家に依頼し、デザインを施した贈答用の箱も作りました。現在は、黒米入りシリーズの揚げおかき、たがねおかき、発芽玄米おかきを始め、焼きおかきに海老入り、カレー味等およそ6種類のおかきの製造・販売を行っています。
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「ものを作ることが大好きで、喜んでくれるお客様の顔を見るともっと頑張ろうと嬉しくなります。最近では、加工所に直接買いに来てくださる方も増えてきたので、大川農園の知名度をもっと上げて販路を増やしていきたいと思います。今後はおかきだけでなく、うちで作った米を使って大福を作ろうかななんて思っています。あとは息子が早く結婚して、そのお嫁さんと一緒に加工品を作るのが夢です。」
インフォメーション | |
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名称 | 大川農園 |
住所 | 鹿島市大船津513 |
お問い合わせ |
TEL: 0299-82-4037
FAX: |
その他の情報 | ※この情報は2013年度時点のものです。 |
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