いばらきの食に挑戦する人たち
幸せを運ぶイチゴ 遠藤健二(下妻市)
「できない」のではなく「やっていない」
現在、下妻市でイチゴを栽培し、お客様にお届けしている遠藤さん。 「中学生まではおとなしいいい子で"優等生"でした。高校生の頃、いい子でいることに疲れて、日常生活を息苦しく感じるようになってしまい、学校に行かない日もありました。」と遠藤さん。遠藤さんはこのころからしばらく、『自由に生きれたらな。』と思いながら日々を過ごしていたそうです。新聞の記事に、政治と貧困と飢餓が自由を奪うと書いてあったのを見て、人が自由に生きるための1つの要素である"食"に関わっていこうと、農学部に進学しました。大学在学中には、自分のやりたいことを見つけようと、アメリパス(アメリカのバス乗り放題のチケット)を握りしめて渡米。「ここは"呼吸が楽だな"と感じたけど、やりたいことは見つからなかった」と当時を振り返ります。大林宣彦監督の世界を見るために青春18きっぷで"尾道"に行ったりと、進むべきを模索しながらいろいろな所に行きました。そして、中国を訪れていた時に、遠藤さんの人生に大きな転機が訪れました。 「当時の中国は、豊かではないけれどパワーが溢れ、学生たちは生き生きしていました。北京の大学に遊びに行ったら、教室が人であふれていて、皆が熱心に勉強をしているんです。でも、中国では当時、国が就職先を決めていたので、『なんで勉強をするのだろう』と、気になり、聞いてみたんです。すると『もし、自分にチャンスがきたら絶対に逃さないためだ。数年後、中国は変わるから見ていて欲しい。』という答えが返ってきました。」 この中国人学生の言葉を聞いて、遠藤さんは大きな衝撃を受けたといいます。このときに、『自分は"できない"のではなく、"やっていない"』ということに気づいたそうです。
人の為に何ができるか
遠藤さんは、中国の学生の言葉を反芻し今後何をするべきかをひたすら考えたそうです。 『自分のやりたいことは何か、人の為に何ができるか』と考えながら、大学在学中のゼミの教授に紹介された農業のコンサルティング会社で働きました。この時に日本全国の農家を回り、農業に関する様々な業務を学んだそうです。 その後、きっかけがあり海外でトマト栽培に従事。そのまま海外でトマト栽培をしようとも考えましたが、結婚を機に、奥さんの実家がある下妻市で就農することを決めました。「幸せを運ぶイチゴ」作りのスタートです。
イチゴの"商品"を売る
つやつやと光り輝くイチゴ。遠藤さんは、美味しいイチゴを作るために苗作り、土作り、収穫のタイミング等の研究を行い、イチゴを食べたお客様が幸せを感じられるように全力を尽くしています。 一時期は、イチゴ作りが軌道にのり大口の取引先もできましたが、取引先に 「これからは価格を重視して取引先を決める」と告げられて、改めて考え直し、お客様が望む"商品"を作ることに注力しはじめました。 「イチゴを食べたお客様が幸せを感じられるような工夫をしています。これがイチゴを"商品"にすることです。お客様が望んでいる形で販売できるように、パッケージやデザイン、商品と一緒に送るカードなど、細部までこだわっています。」 また、加工品についても、ジャム職人鐵炮塚鐵精四朗氏(てっぽうづか せいしろう)が手掛け、ムースについてはフランス洋菓子店ル・ソレイユのオーナーシェフが手掛けるものをラインナップ。現在は多くの商品がお客様から支持され、直売、インターネット販売ともに、自分へのご褒美や贈り物としてのニーズをとらえられているそうです。
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「世界農業ドリームプラン・プレゼンテーション」の統括責任者としての活動もしています。日本の農業技術は間違いなく世界トップレベルなのに、衰退していくとわかっていながら「何とかしなきゃ!」というだけで何もしていないと感じ、「世界農業ドリームプラン・プレゼンテーション」の活動を始めました。 農業に係るみんなに農業の夢や農業の未来を語ってもらう場を創りたかったし、農業には夢をかけるだけの、人生をかけるだけの価値があると思っています。農業の夢の旗を掲げていなければ、農業を応援したい人も応援できません。夢を語ることで、日本の農業が世界を変える一歩に繋げていければと思います。
インフォメーション | |
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名称 | 有限会社ストロベリーフィールズ |
住所 | 茨城県下妻町桐ヶ瀬菱田980 |
お問い合わせ |
TEL: 0296-44-8222
FAX: |
WEBサイトURL | http://www.strawberry-fields-jp.com/index.html |
その他の情報 | ※この情報は2013年度時点のものです。 |
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