いばらきの食に挑戦する人たち
奥久慈なす生産部会 梶山肇司(常陸大宮市)
奥久慈ブランドの継承
茨城県の北部、日本有数の鮎の釣場としても名を馳せる久慈川の美しい流れと里山の緑が見事なコントラストを描く奥久慈地域は、『奥久慈しゃも』『奥久慈ゆば』、およそ400年の歴史のある『奥久慈茶』など、奥久慈ブランドといわれるほど農畜産物が豊富な地域です。 梶山肇司さんは、そんな奥久慈ブランドのひとつである『奥久慈なす』の生産部会長。この奥久慈で代々『奥久慈なす』などの生産をし、JAひたちなか、JA茨城みどり、JA茨城みずほの3農協を合わせた奥久慈なす農協連絡会の会長を務めています。 「もともとこのあたり(奥久慈地域)は、『奥久慈きゅうり』と呼ばれるきゅうりの産地でした。しかしその後、養蚕⇒たばこの葉⇒長なす⇒奥久慈なすと、時代のニーズにより作るものを変化させてきたようです。なすを始めたのは昭和62年頃でした。当初は長なすの生産をしていましたが、台風などで傷付きやすかったのと、やはり時代のニーズに合わせ、小ぶりで味の良い現在の『奥久慈なす』へと移行していきました。」奥久慈なす農協連絡会の会員は現在60名(平成25年度現在)。ここ最近では、20~30代の生産者も増えてきたそうです。
樹の健康に気遣う
奥久慈なすは、ツヤと張りのある美しい紺色の柔らかい皮でアクが少なく、果肉がしっかりしているのが特徴です。おいしいなすを作る秘けつは、奥久慈の地域環境も大きく関わっているそうです。 「ここは昔から畜産が盛んな地域なんです。ビーフラインと名の付く道路もあるほど。そのため良質な牛糞たい肥がすぐに手に入る環境なので、土作りには牛糞たい肥を使っています。肥料も有機質肥料を使い、出来たたい肥はすぐには使わず、年に何度も切り返し、塩分を取り除いて、一年以上熟成させてから使います。」 奥久慈なす生産部会は、部会員全員がエコファーマーを取得しています。また、生産者同士が集まり、目揃い会も行っています。環境にやさしい農業と、高品質な奥久慈なすの生産維持を目指し、安全・安心のなす作りに取り組んでいます。 エコファーマー・・・茨城県が認定している、環境にやさしい農業に取り組む生産者。
なすとの対話
梶山さんの畑で生っているなすは、まさに"黒いダイヤ"。その色、艶は思わず見とれてしまうほど美しい輝きを放ちます。 「なすは、太陽の光を実に当てることで、『なす紺』と呼ばれる真っ黒に近い美しい色になります。ひとつひとつの実にたっぷり太陽を浴びさせるために、周りにある葉を取る剪定作業が欠かせません。しかし、やみくもに剪定すればなすは弱ってしまいます。その時期、タイミングをなすと対話しながら剪定するんです。農業者ならわかると思うのですが、毎日愛情かけて接していれば、なすは何が言いたいのかわかってくるんですよ。なすとの対話をしっかりしながら剪定することがベストです。」 梶山さんは、毎年なすを植える前には土壌分析を行い、植えた後も毎日生産管理台帳と作業工程表を付けて、なすの動向をこと細かにチェックしているそうです。
なすの選び方
奥久慈なすは、一個85グラム~90グラム程度の小ぶりなものが一番おいしいとされています。皮は薄く柔らかで、中身は火を通すと口の中でとろけそうなほど。梶山さんにおいしいなすの選び方を教えていただきました。 「鮮度の良いなすを選ぶには、ヘタの先の切り口を見てください。切り口が緑色に近く、ひからびていない方がより新鮮です。」
1 月 | 2 月 | 3 月 | 4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 |
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梶山さんに今後の夢をお聞きしました。 「奥久慈なすは、フルーティーで甘みがありやわらかくて本当においしいなすです。全国から、どうしても奥久慈のなすが欲しい、食べたい、と言われるようななすを作りたいですね。」梶山さんの夢を叶えるには十分のポテンシャルを持つ奥久慈なす。いつかきっと日本を代表するなすになると信じて、梶山さんは今日もなすとの対話を続けています。
インフォメーション | |
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名称 | JA常陸 |
住所 | 茨城県常陸大宮市若林1832-16 |
お問い合わせ |
TEL: 0295-53-5132
FAX: |
WEBサイトURL | http://www.ja-hitachi.jp/ |
その他の情報 | ※この情報は、平成25年時点のものです。 |
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