いばらきの食に挑戦する人たち
農業に可能性を見出して 木村誠(つくば市)
木村さんと農業の出会い
つくば市で、ベビーリーフの栽培をメインとした農業を営んでいる木村さん。平成10年に就農し、現在栽培面積は約6haにまで増え、1日で2万パックものベビーリーフを出荷しています。 茨城県に来るまでの木村さんの人生には、農業との関わりはありませんでした。ご実家は歯車を作る会社を経営されていたこともあり、木村さんもずっと経営者になりたいと思っていたそうです。早稲田大学を卒業後、簿記学校に通いながら公認会計士を目指し、塾の講師で生計を立てる日々が続きました。 「ある時、つくば市で水の研究をしている会社に経理を頼まれたのですが、経理よりもその会社の研究内容に魅力を感じてそのまま転職しました。研究では、ミネラル水を畑にまくことで野菜が元気になることが分かっていて、様々な農家にミネラル水を販売しました。この時に『農業』にふれる日々を過ごしたのです。」 そして、平成10年、”農業もやり方次第では面白い仕事になるのではないか”と、決意し就農。当初から「化学農薬と化学肥料を使わない農業」をしようと決めていたそうです。
農地探し
木村さんは当初、ハウス栽培でキュウリの生産をしようと考えていました。しかし、ハウスを建てるということを伝えると、農地をなかなか貸してもらえなかったそうです。農地を探しながらいろいろな話を聞いているうちに、収入を安定させるためには葉物生産がよいということがわかり、キュウリの栽培から露地で栽培できるホウレンソウの栽培をすることに考えを改めたそうです。 「ホウレンソウを栽培するための農地を探して奔走していたのですが、それでもなかなか農地は見つからず苦戦していた時に、親しくしていた野菜の卸業者の方から、当時は日本で栽培している農家がほとんどいなかったベビーリーフを紹介されました。ベビーリーフを栽培するのなら買い取ってくれると約束をしてくれたのです。農地についても、40アールの農地を無事に借りることができました。」 いよいよ、木村さんの農業が始まりました。
販売先との約束は必ず守る
木村さんの信念は「最後の最後までギブアップはしないこと」です。 「就農当初は、取引先が希望する量を出荷することが難しく、どんな天候の日も毎日夜遅くまで収穫し続けました。」 取引先と約束した量を必ず納品するため、必死に働いたそうです。栽培ノウハウがない中、収量を上げていくのはとても大変だったことでしょう。 「試行錯誤を繰り返し収量を上げていくとともに、様々な企業との取引が始まりました。需要が供給を上回り、さらに農地を60アール借りました。栽培の難しい時期以外は収量も安定し、売上も大幅にアップしました。」 平成16年3月には全農いばらきから一部出資を受けて法人化。平成18年から2年間、”トヨタ生産方式に基づく改善アドバイスを取り入れるための実験圃場”として選ばれ、業務改善を行ったことで、ムダを省き効率的に業務を進めることにも成功したそうです。 木村さんの信念が企業からの信用につながり、信用は新しい取引を生み続けています。
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「今年(平成25年)、社内で結婚する従業員がでました。とても嬉しいです。若い人たちが生き生きと農業をしてほしいと願っています。有給休暇や休日を設け、農業が職業として選択されやすくしていくとともに、”農業は楽しい”、”農業で生活はできるんだ”ということを伝えていければと思います。大地と触れ合う農業で、心の病に悩まされている人たちや、障害を持つ人たちもみんな平等に働き、農業を通じて社会貢献できる 環境作りを目指しています。 」
インフォメーション | |
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名称 | (株)HATAKEカンパニー(旧 株式会社 TKF) |
住所 | 茨城県つくば市大砂1490-5 |
お問い合わせ |
TEL: 029- 865-1368
FAX: 029-865-1365 |
WEBサイトURL | http://hatake.co.jp/ |
その他の情報 | ※この情報は2012年度時点のものです。 |
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