いばらきの食に挑戦する人たち
皇室献上茶園 高安園 高安智子さん(城里町)
お茶と笑顔でおもてなし
城里町の西部から東部を横断するように流れる藤井川。古内地区(城里町常北地区)には、この清流に沿うように、この地区で生産されている古内茶の茶畑が広がっています。 高安智子さんは、古内茶を栽培・販売する高安園の高安達夫さんの奥さま。達夫さんと共にお茶を栽培しながら、高安園の店頭に立つ看板娘です。 智子さんは平成23年に女性農業士に認定され、女性農業士団長としてドイツに研修に行くなど、地域のリーダーとして茨城農業発展の一翼を担う存在でもあります。 高安園を訪れると、まずおいしいお茶と、智子さん手作りの季節感あふれるお茶請けが振舞われます。お茶のおいしさはもとより、智子さんのおもてなしの心と明るい人柄に魅かれてやってくるリピーターも多く、高安園はいつもたくさんの人で賑わっています。
茨城三大銘茶といわれる古内茶
古内茶の歴史は古く、室町時代初期に栽培が始まったといわれています。 古内茶は、奥久慈茶・さしま茶と並んで茨城三大銘茶といわれており、二代目水戸藩主、徳川光圀公がその味の良さに感嘆して詩を詠まれたという話も残っています。 このお茶は当時、清音寺の境内だけに栽培するきまりがありましたが、「多くの人にこのおいしいお茶を飲んでもらった方がいい」という光圀公の勧めで、古内地区一帯で広く栽培されるようになりました。古い書物によれば「清音寺開山の復庵禅師が、中国から茶の実を持ち帰り、境内に蒔いた」とあり、これが本県における茶の始まりと伝えられています。
対面販売へのこだわり
高安園の古内茶は、皇室にも献上されたほど高品質なお茶です。 お茶作りは、葉を摘み、機械に入れて蒸し、揉んで、乾燥させるという様々な工程を踏みます。作業は主に機械で行いますが、その機械に指示を出すのは人間。 「お茶は、どういうお茶に仕上げたいかによって蒸し時間が変わります。蒸し時間が短くお茶の香りが強く残る"若蒸し"から、長く蒸すことで入れたときに緑の濃い色の出る"深蒸し"まで。うちのお茶は、基本的にその中間である"普通蒸し"より少し深蒸し寄りにしています。その微妙な蒸し加減の違いで、お茶屋さんそれぞれに味の個性が出ます。うちのお茶は、濃い緑色と甘くまろやかな味わいが特徴です。それというのも、お客さんからの要望が多いのでそうしているんですよ。」と高安さん。 高安園のお茶は、店頭と城里町内の直売所での販売のみで、通販などは行っていません。それでも、遠方から足を運んでくれるお客様が絶えないのは、お客様の声をそのままお茶作りに反映させることができる柔軟な姿勢が大きく影響しているのだそうです。お客様の生の声を聞くことが出来る対面販売こそ、高安園の強みなのです。
お茶作りは土作り
高安園の古内茶は、豊かな香りと渋みと甘みのバランスが絶妙な逸品です。 「おいしいお茶にする為に大事なことは、土作りです。主にお茶専用の肥料と、油粕などの有機肥料を使って土を作りするのですが、うちの茶畑は一カ所ではなく点々とあるので、その畑によって肥料の量や成分をその都度工夫しています。また、うちのおじいちゃんが草取りを毎日やってくれているので、除草剤は一切使っていません。」と高安さん。 茶畑の管理や茶つみは、おじいちゃん、おばあちゃん、高安夫妻にその息子さん達まで、高安一家総出でおこなわれています。
お茶の新芽は美味!
お茶は煎じて飲む事で広く知られていますが、お茶の新芽は柔らかく、食してもとてもおいしいそうです。しかし、スーパーなどで売られていることはほとんどない為、新芽の出る時期には「新芽を譲って欲しい」と高安園に来客する方も少なくないそうです。 【高安さんおすすめレシピ】新芽の天ぷら ①天ぷら衣を作る。 ②お茶の新芽に衣をつける。 ③揚げる ④つゆではなく、塩で食べる!
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高安園に来客した人達には、必ずと言っていいほど振る舞われる、お茶と智子さん手作りのお茶請け。今後はお茶だけでなく、お茶請けの製造販売もしていきたいと語る高安さん。 「うちでは、おばあちゃんの代から、来ていただいたお客様にお茶とお茶請けをお出ししてきました。最近は、お茶請けを購入したいというお客様もいらっしゃいますので、今後はお茶請けにも力を入れていきたいです。」 高安さんの心がこもったお茶請けは、古内茶のおいしさを更に引き立てます。高安さんは、本格的なお茶請の製造・販売に向けて、加工所創設の準備も始めているそうです。
インフォメーション | |
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名称 | 高安園 |
住所 | 東茨城郡城里町下古内314-1 |
お問い合わせ |
TEL: 029-288-4801
FAX: |
その他の情報 | ※この情報は2012年度時点のものです。 |
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