いばらきの食に挑戦する人たち
時代と共に進むピーマン生産! 飯田等さん(神栖市)
生まれ育った地元で就農
神栖市は太平洋と利根川に挟まれ、温暖な気候と砂丘地帯で水はけの良い土壌に恵まれたピーマンの大産地です。神栖のピーマンは終戦直後の昭和23~24年ごろに米軍から注文があり、カリフォルニアワンダーという品種の種を米軍より支給され栽培し、横須賀の港より木箱で出荷したのが始まりとされています。 飯田さんの家でも昭和35年ごろからピーマンの栽培をはじめたそうですが、飯田さん自身、最初は農業をやるつもりはなかったとのこと。高校を卒業後は、東京の専門学校に通い、そのまま東京の飲食店で働いていたそうですが、「長男だし、いつかは帰らないと…」という気持ちでいたそうです。そして、31歳の時に就農。 飯田さんは、就農希望の研修生を受け入れたり、新しいパッケージを考えて今までとは違った見せ方をすることで、販売促進を図るなどの様々な取り組みをされ、今では、農業経営士として地域の農業を支えています。
勘に頼らない農業
飯田さんは、今まで勘と経験が必要だと言われていた農業を、データ化し、それぞれの作物に必要な要素を必要な分与えて栽培をしています。 直近では、オランダでは第4の肥料とも言われている、CO2の発生装置を導入。 また、溶液土耕栽培の設備を自作し、必要な要素が自動で供給されるシステムや、ライブカメラの設置など、手間を省いて必要な所に集中して労力をかけるような工夫もされています。 化学合成肥料に頼らない農業を実践するために、天敵昆虫を使用した害虫対策も行い、より安全な作物作りも目指しているそうです。
スイートカクテルペッパー
飯田さんは、スイートカクテルペッパー(ミニパプリカ)に注目し栽培をスタート。通常のパプリカよりも柔らかくジューシーで糖度が高く、果物のような食感が特徴です。赤・黄・オレンジの3色、それぞれ風味の違いも楽しめます。 「もともとはオランダの種苗会社の育成品種でしたが、種を取り寄せ、2012年の夏から本格的に栽培を始めました。日本では栽培方法が確立されておらず、試行錯誤をしながら収量を増やしている最中です。」とのこと。今後は、徐々に栽培面積を増やしていくそうです。
株式会社Agri new winds(アグリニューウィンズ)
飯田さんが代表を務める株式会社アグリニューウィンズは、神栖市の農家6人と、他分野で活躍中の3人の計9人でたちあげた会社です。日本一のピーマンの産地として、農作物として出荷するだけのピーマンから、食品加工物としての利用などへ幅を広げて未来につなげていけるように、色々と社員全員がアイデアを出し、研究を行っているそうです。 会社のロゴマークは神栖の風車をモチーフに社員のみなさんで考えたそうです。神栖に吹かせる新しい風の先駆けとなることでしょう。
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「まずは、輪作体制を整えていきます。そして、会社で神栖市に大型バスが入れる規模の施設を作り、その施設の農産物直売所で販売していきたいと思います。また、今後は今よりももっと農業にITを取り入れ、分析や効率化をして収益アップにつなげていければと思います。そして、他の農業者と協力しあって農業体験の場を提供していきたいです。」
インフォメーション | |
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名称 | 株式会社Agri new winds |
住所 | 茨城県神栖市柳川337-1 |
お問い合わせ |
TEL: 090-2659-8000
FAX: |
WEBサイトURL | http://agri-newwinds.com/ |
その他の情報 | 営業時間 9:30~18:00 ※この情報は2012年度時点のものです。 |
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