いばらきの食に挑戦する人たち
JAほこた みず菜生産者 齊藤新一さん(鉾田市)
JAほこた みず菜
みず菜
齊藤さんと外国人研修生
みず菜は、アブラナ科の野菜で、寒さに比較的強く、野菜不足になりがちな冬場に収穫できることもあり、古くから関西地方で親しまれてきました。京野菜として知られるみず菜ですが、実は茨城県が“生産量日本一”。平成27年の作況調査によると、全体の4割を占める大産地です。JAほこた園芸部会の水菜部長を務める齊藤新一さんは、16年ほど前に実家の農業を継ぎ、現在に至ります。 齊藤さん「最初はメロン栽培を2年やりました。しかしメロンは連作障害が出やすく、作り続けていくには相当な技術が必要だと身を持って知りました。そんな時、農家の友人がみず菜の栽培をすすめてくれました。アドバイスを受けながら始めてみたら、みず菜は複数回収穫できることもあり、安定した収入を得ることができました。それ以来ずっとみず菜をつくり続けています。」 みず菜の旬は早春。齊藤さんは、長年の技術と経験をいかし、現在は通年出荷を行っています。 「毎日収穫する為には、ある程度のハウス数と人の力が必要です。出荷量日本一の産地を支えているのは、私自身の技術や経験だけでなく、こうした家族や外国人実習生の力だと私は思います。」 齊藤さんの元にいる外国人実習生は皆、笑顔が印象的な女性たちでした。
みず菜 収穫作業
ハウスの開け閉め
「みず菜」はその名の通り、水分を多く含む野菜です。旬は寒い時期ですが、その時期の栽培が最も難しいそうです。齊藤さんは、有機質の肥料とたい肥を混ぜて土づくりをおこない、その土にみず菜の種を蒔いて、栽培しています。 齊藤さん「夏場は、種を蒔いたあと30日くらいで収穫できますが、冬場は成長が緩やかになり、種を蒔いたあと60日~80日で収穫になります。冬は収穫までに時間がかかるので、1回1回の収穫に神経を使いますし、失敗できません。冬場のハウス内の温度管理(開け閉め)と、水の管理は非常に気を使います。みず菜にはある程度の水分が必要ですが、やり過ぎてもダメなんです。ハウス全体のみず菜を見渡して、葉の色や茎の状態を見て、水をやるかやらないか決めます。かといって水が少ないと、味にエグみが出てしまうので、難しいですね。」
みず菜
みず菜
JAほこたみず菜部会の部会員はおよそ120名。齊藤さんをはじめ部会員は、シャキシャキのみず菜を新鮮なまま出荷する為、収穫後すぐに一定の温度で保たれた冷蔵庫で保管しています。さらに、みず菜の品質を保つ為、JAほこたでは年に4回目揃え会(※)を開催したり、定期的に栽培講習会を開き、生産者同士の意見交換や新品種の説明などの場を設けたりすることで、高品質なみず菜生産を実現しています。 また、消費者が安心して食べられるよう、生産者全員が生産履歴の記帳に取り組んでます。 ※目揃え会とは…その年に栽培したみず菜を持ち寄って、育ち具合や病害虫の被害状況などを確認し、それぞれの農家や地域で、品質にばらつきがないように出荷基準や選別基準を揃えること。
1 月 | 2 月 | 3 月 | 4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 |
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「みず菜は茨城県が出荷量日本一です。しかし、市場では“頭打ち”の声も聞かれます。そこを生き抜いていく為にも、おいしくて品質の良いみず菜を作り続けること、これは大前提です。これに加えて、みず菜は緑色が淡いものは柔らかいのでサラダに向いていますし、色が濃いものは鍋に向いるなど、食べ方の提案もふまえたPR活動をもっと行っていきたいですね。」 最後に、おいしいみず菜の選び方として、「葉っぱの先がピンと張っているものが、鮮度の目安になります。」と教えてくれました。 最近、サラリーマンとして働いている息子さんが“後を継ぐ”と言ってくれたと嬉しそうに語る齊藤さん。引退後は、奥様とゆっくり旅行に行くのが密かな夢なのだそうです。
インフォメーション | |
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名称 | JAほこた |
住所 | 鉾田市徳宿2325-2 |
お問い合わせ |
TEL: 0291-36-2515
FAX: |
WEBサイトURL | http://www.ja-hokota.or.jp/index.html |
その他の情報 | ※この情報は平成29年2月時点のものです。 |
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