いばらきの食に挑戦する人たち
進化し続けるトマト作り 村上隼人(笠間市)
水耕栽培によるトマト作り
水耕栽培によるトマト作り1
水耕栽培によるトマト作り2
笠間市太田町で、大型ハウスによる水耕栽培でトマト作りをしている村上隼人さん。村上さんは、高校卒業後、鯉渕学園農業栄養専門学校で4年間農業の基本技術を学んだのち、お父様(一郎さん)の跡を継ぐべく、日々懸命にトマト作りに励んでいます。 「親父の代で露地栽培から水耕栽培に切り換えたんです。トマトやきゅうりを露地栽培で作っていたんですが、元々タバコ作りが盛んだったこの地域の土地柄、タバコに付く害虫がトマトに付いたり、病気が流行ったりして、枯れてしまう苗が多かったんです。それがきっかけで水耕に変えたそうです。」 水耕栽培は、清潔で、病気のもとになる雑菌を防ぎやすい為、苗が枯れてしまうこともなくなり、高品質なトマトを安定的に確保できるようになったそうです。
環境のコントロール
環境のコントロール1
環境のコントロール2
水耕栽培とは、土を使わずに植物の根を水に浸す装置で栽培する方法で、村上さんのトマトの培地は、ヤシ殻などを土の代わりに使用。ヤシ殻は、環境に優しく、産業廃棄物にならないことから使用しているそうです。 「水管理は機械がやってくれます。でも、機械も、トマトの苗の環境も、コントロールするのは人間であって、そこを怠ると良いトマトはできません。培地や溶液の選択にしてもそうですが、毎日変わる天気、気温、湿度などに合わせてトマトにより良い環境を作ってやることが一番大切です。特に、湿度のコントロールと、光合成をいかに活発にするかが大事ですね。」光合成は、太陽の光と二酸化炭素がなければ起きません。二酸化炭素を与える量とタイミングには、特に気を付けているそうです。
日々勉強
日々勉強1
日々勉強2
村上さんは、とても勉強熱心です。トマト界のカリスマ的存在である、鉾田市の伊藤さんの農場にも頻繁に出入りし、その他にも新しい取り組みや、面白い栽培方法をしている農場を見せてもらって、ご自分のトマト作りに少しでも役立てたいと勉強しています。 「トマト作りは本当に楽しいんですよ。奥が深い。毎年自分に課題を立てるんです。今年はこれに取り組むぞって。先輩方の農場を見せてもらったり、情報交換することで、悩みを解決できたりもします。課題を達成できた時の喜びは、何事にも代えがたい楽しさがありますよ。」気づくと一日中トマトの観察をしている日もあるという村上さん。村上さんのトマト作りへの情熱は、「楽しいこと」が何よりの原動力になっているようです。
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「近年の農業技術はどんどん向上しています。10年前と今では、やり方がまったく違うと言っても過言ではありません。科学的根拠の元、色んなものが具体的に数値化できるので、無駄が無くなってきました。でも、だからこそ新しく見えてくることもあります。夢は、ハウスを増やしてもっと収量を上げ、安定生産をすることです。また、今も農薬はほとんど使っていませんが、農薬をもっと減らせるようにしていきたいです。」 現状に満足することなく、常に目標を立てては実践していく村上さん。今後の更なる飛躍が期待されます。
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