いばらきの食に挑戦する人たち
結城市で甘さ抜群のトウモロコシを作る 宮田理也(結城市)
宮田さんとトウモロコシ作り
JA北つくば結城園芸部会トウモロコシ部の部会長を務める宮田理也(みやたみちや)さんは、結城市でトマトとトウモロコシを作っています。元々ご実家では養蚕(ようさん)を営んでいたそうですが、理也さんが県立農業大学を卒業し、就農することとなった時「どうせやるなら、自分の好きなことをしたい」と、当時興味を持っていたトマトの栽培を始めました。露地栽培から始まり、数年後にはハウス栽培も開始。初めての挑戦ではありましたが、試行錯誤を繰り返しながら、トマトの生産は軌道に乗りました。 しかし、毎年同じ畑でトマトを作っていると、連作障害を起こして、トマトの生産性が低下してしまうため、土壌を改良する必要がありました。そこで、理也さんは、トマトの収穫が終わった畑に、吸肥力の強い作物であるトウモロコシを植えようと決意しました。 「元々はトウモロコシにはそんなに力を入れていなかったんですよ。トマトの連作障害防止の為に、土壌を改良しようと植えたんです。トウモロコシは夏だけの野菜なので、それ一本では暮らしていけない。当時の生産者、皆そうですよ。本業の品目があって、その間の土壌改良の為にトウモロコシを植えたんです。」 しかし、ただトウモロコシを植えるだけではなく、せっかくならおいしいトウモロコシを作ろうと、部会の皆さんと様々なトウモロコシの品種を試験栽培し、その時代で一番おいしいと思ったトウモロコシを選んで作ってきました。 そして昭和60年にJA北つくば結城園芸部会トウモロコシ部を設立。いよいよ地域で本格的なトウモロコシ栽培をスタートしました。 これまでに無いおいしいトウモロコシを探し求めてきた結果、平成9年に今までの品種の中でも遥かに糖度の高い「味来(みらい)」という品種に辿り着きます。部会ではこの「味来」を『夏祭り』という独自ブランドとして生産・販売することにしました。この甘い「夏祭り」を、よりおいしくよりおいしく食べてもらいたいと部員全員一丸となって栽培に取り組んでいます。 「トウモロコシは日中高温になると甘さが低下しやすい食べ物ですから、甘さを保ったまま消費者の皆様へお届けできるように、収穫はまだ暑くならない朝8時までと厳しく決められています。ちなみに、一番おいしいトウモロコシの収穫できる期間は、実は1~2日程度しかないんです。そのベストなタイミングを見逃さないように、目で見て、手で触って確かめながら収穫しています。その域に達するには、少なくとも3年は必要ですね。」 収穫したトウモロコシは、JAに出荷され、鮮度を損なわないようにすばやく冷やす「真空予冷」にかけて鮮度と味を維持します。「真空予冷」とは、トウモロコシを一定時間真空状態にさらす事で熱を奪い、短時間でトウモロコシを冷やす鮮度維持システムです。 宮田さんをはじめ、JA北つくば結城園芸部会トウモロコシ部の皆さんの、おいしいトウモロコシを食卓に届けたいという想いは、並みではありません。
深夜2時から収穫!朝採りトウモロコシ
まだ暗い深夜午前2時。結城市の真っ暗なトウモロコシ畑のなかに一筋の光が見えます。 そこには、トラクターに投光機を付けて収穫をおこなう宮田さんの姿がありました。宮田さんは、トウモロコシの最盛期には、朝8時より更に早い、深夜2時頃から収穫をおこなう「朝採りトウモロコシ」に取り組んでいます。 朝採りトウモロコシ」は、収穫した日の朝一番に都内のスーパーなどに並びます。鮮度が失われやすいトウモロコシを、限りなく鮮度の高い状態で消費者の皆様にお届けするための取り組みです。深夜の温度の低い時間帯に収穫することで、甘さと水分がのった、よりフレッシュ感のあるトウモロコシを食卓に届けられるそうです。 「朝採りはスピードが命なんです。農協には午前4時15分までに持っていかなきゃいけないんでとにかく集中して急いで収穫するんです。」と語る宮田さん。 「朝採りトウモロコシ」の期間はおよそ1ヶ月間。最盛期の期間中は休む間もなく、トウモロコシを収穫し続けます。全ては消費者の「おいしい!」の為に、宮田さんは、毎年「朝採りトウモロコシ」の取り組みを続けています。
失敗しない?!トウモロコシの選び方
トウモロコシは採れたて新鮮なほど甘いのですが、剥いてみないとどんな状態かわかりません。失敗しないトウモロコシの選び方を、宮田さんに教えてもらいました。 「トウモロコシを選ぶ時は、まず先端の方を軽く握ってみて、実が入っているかどうかを確認します。それから、下のトウモロコシの切り口を見ます。切り口が乾いていない方がより新鮮です。」
シワシワにならないトウモロコシ
トウモロコシを茹でて置いておいたら、実がシワシワになってしまったという経験はありませんか?宮田さんがその解決策も教えてくれました。 「トウモロコシを茹でたら、すぐに空気に触れないようラップに包んでおけば、時間が経ってもシワシワにならないんです。」 これで時間が経っても、実がシャキッとしたトウモロコシが食べられます。
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お二人は、とても仲が良く、夫婦共々トウモロコシにかける強い情熱をお持ちです。 「うちの家内は、このトウモロコシにつられて嫁に来たようなものなんですよ(笑)」と照れくさそうに語ってくれた宮田さんに、今後の夢をお聞きしました。 「トウモロコシの甘さを武器に、加工商品の開発をして販売まで持っていきたいですね。家内は、うちのトウモロコシを使って、プリン、アイス、カスタードクリームなどを趣味で色々作ってくれるんですよ。なかでもトウモロコシを絞ってジュースにしたものは、砂糖を入れたかのように驚くほど甘いんです。このトウモロコシの甘さを利用して、何か商品化できないか考えるのが楽しみです。あとは、ハーレーに乗りたいですね。男の夢というか、大型バイクでトウモロコシ畑を走りたいです(笑)。」 宮田さんの夢は、いつか乗るハーレーと最高のパートナーである奥さまと共に広がっていきます。
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名称 | JA北つくば農産物直売所きらいち結城店・筑西店 |
住所 | 結城店住所:茨城県結城市新福寺4丁目13番地5 筑西店住所:茨城県筑西市西方838-1 |
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