いばらきの食に挑戦する人たち
さつまいもで農家のイメージを変える! 吉田喜一さん(鉾田市)
茶道、武道の教えをさつまいも創りに活かす
吉田さんの家は、吉田さんで3代目となるさつまいも農家。そのため、吉田さんも幼少の頃から家の仕事を手伝っていたそうですが、ずっと見続けていたので、さつまいも嫌いになったとか。家業を継ぐ気もなかったそうです。 「旅行で訪れた仙台で、焼きいもを買った時のこと。屋台のおじさんが、”このいもが一番うまいんだ!”と言ったものが、自分の家のさつまいもだった。それが、じんわりと心にしみて、家を継ごうと決めたんです。」と、吉田さん。そして、茨城県立農業大学校を卒業後、さつまいも創りをスタートさせました。 吉田さんは、高校生の頃に始めたという武道(空手)と茶道を続けています。「何の関係もないように思われますが、武道、茶道の教えはしっかりとしたものなので、そのまま農業の心構えに活かすことができます。伝統文化がもたらす和の世界を重んじ、伝統を継承していくという部分は、農業も武道、茶道も共通したものがあります。」 と、話してくださいました。
農業のイメージを変えたい
吉田さんは、家業を継いでから、"農業のイメージを変えたい"と思い、自社のさつまいもをブランディングされています。品種ごとに、オリジナルの名前をつけて差別化を図り、品質管理を徹底すべく、平成24年度には、食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる認証JGAPを取得されました。 「芋の品質、味には自信があります。誰が作っても同じ箱に詰められて出荷され、田舎くさかったり、ダサイと思われがちな農産物のイメージを、農産物に名前をつけて、デザインされた箱に詰めることで、かっこよくて洗練されたものに変えられたら、と思っています。」
こだわりのさつまいも創り
吉田さんがさつまいも創りをしている鉾田市(旧鹿島郡旭鹿田地区)の土は、柔らかい火山灰土、黒土・赤土でできています。「”茨城県土作りコンクール最優秀賞”の実積と知識を伝承しています。50年の智恵を活かし、100%の土作り、100%の自然エネルギーでさつまいも創りをしています。」と吉田さん。 30ha(坪数:9万坪)全域の畑に、機械を使わず、全て手作業で一本一本丁寧に植えつけるそうです。 また、種芋も自家生産しており、健全な細胞を持った親苗で子芋を育て、種芋にするそうです。この種芋でとれた苗を植え付け(定植)、できた芋(孫芋)が商品になります。3年近くかかってお客様の元にさつまいもを届けることができます。
加工品への取り組み
吉田さんは、鹿吉のさつまいもをおいしく食べる方法として、焼きいもを自ら作る取り組みを始めました。 「焼きいもといえど、焼き方や、火加減、何を使って焼くかで大きく味が変わります。 機械焼に頼らず、お客様に”土の真心”が伝わるように、”土の中で育ったさつまいもを土の中で焼く”をコンセプトに、【伝統壺焼き】を再現しました。一本一本丁寧に能登半島の炭で焼き上げます。壺で焼いたさつまいものおいしさ知っているからこそ、皆様に喜んでいただける焼きいもを提供できるのだと思います。 」 焼きいも壺や、焼きいもを入れる袋のデザインも吉田さんが手がけています。
キュアリング貯蔵
鹿吉では、全国でもまだ取り組み例がない頃から芋蔵を作り、キュアリング貯蔵をしています。 収穫したさつまいもを蔵の中に貯蔵し、30℃の蒸気で蒸し熱処理する事により、余計な水分を蒸発させ、酵素が働き、デンプンを糖化させることができます。このキュアリング処理をした後、貯蔵することで、糖度の高いさつまいもを提供することができます。 鹿吉の、"素材そのものがもつ秘めた旨みを十分にひきだしたさつまいも"をぜひお召し上がりください。
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「鹿吉のさつまいもが様々な用途で使われればいいなと思います。そのためにも、視野を広げて挑戦していかないと。」と吉田さん。 今後は、さつまいもそのものの販売はもちろん、焼きいもにとどまらずさつまいもを使った新しい試みに挑戦されるそうです。
インフォメーション | |
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名称 | 株式会社 鹿吉 |
住所 | 茨城県鉾田市鹿田830-28 |
WEBサイトURL | http://shikakichi.jp/ |
その他の情報 | 営業時間 10:00~17:00 ※この情報は2012年度時点のものです。 |
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