いばらきの食に挑戦する人たち
ニーズにあわせた栗作り 金子祥一さん(笠間市)
栗部会を引っ張る部会長
金子さんは、県内一の栽培面積を誇る笠間市で、18歳の頃から栗を作っており、40年以上の大ベテラン。JA常陸の栗部会で、部会長を15年も務めています。 もともと、土着民族ではなく、江戸時代後半に移り住んできた人が多いという友部エリアでは、昭和40年ごろから地域全体で栗作りがスタート。樹齢30年以上になる栗の木もあるそうです。 「現在は、市場のニーズに合わせ、早生(わせ)種から晩生種の計6種の栗を中心に栽培しています。早生の丹沢は、9月上旬からスタートし、大峰、筑波、利平、岸根と、1種ごとに収穫期が1週間~2週間程度続きます。」と金子さん。栗拾いには、火ばさみを用い、一つひとつ収穫していくそうですが、腰を曲げての作業になるので、結構な重労働。最近、少しでも腰への負担を減らすため、火ばさみの長さを15センチほど長い物に変更したそうです。
大粒の栗を作る
金子さんの作る栗は、粒が大きいものが多く、中には50グラム近いものもあります。金子さんは、「大粒の栗を作るには、冬場の剪定が大切だ」といいます。落葉してから3ヶ月間、一人で行うため少しずつですが、1本1本剪定をしていくそうです。 「大きな栗を作るには、太陽光が不可欠です。剪定をすることで、栗畑に程良く陽が当たるように調節できます。それから、土作りももちろん必要です。畑に生えた草を、土の中にすき込んで土作りをしています。」と、大粒の栗作りのコツも教えてくださいました。 平成18年より、JA常陸の栗選果場の選果ラインが新しくなり、それまでは生産者ごとに、栗の大小にかかわらず、収穫した総量で、買い取ってもらっていましたが、選果ライン更新後は、1粒ごとの重量で値段が変わるようになりました。これにより、生産者のモチベーションもあがり、栗の品質も上がったそうです。
貯蔵栗と【極み】
平成21年9月に設立された「笠間の栗グレードアップ会議」を中心とし、取引単価アップを目指して、「貯蔵栗」への取り組みをスタートしました。 栗の実は本来、寒い冬の間、体内に糖を作り、エネルギーを蓄えて、春の発芽に備えます。栗は寒さで糖が増えて甘くなります。 「貯蔵栗」は、零蔵貯蔵法で、約1カ月の間0℃貯蔵します。栗を冬と同じような環境下におくことで、栗のでんぷん質が糖分に変化して、最高の甘みを持った貯蔵栗が誕生しました。 「貯蔵栗」の中でも、3L以上の大粒の栗を約1ヶ月間零蔵貯蔵した、最高峰の【極み】は、これまでも都内および県内の百貨店などで販売され好評を博しています。
栗の試験栽培
栗部会部会長の金子さんは、常に新しい品種を積極的に栽培しているそうです。 栗も、品種ごとに特性があり、地域全体でよりよい栗を作れるように、県の試験場と一緒に取り組んでいます。 中でも、金子さんイチオシの品種が、畑に植えられている「四万十」。もともと四国・高知県の品種だそうで、粒は小さいのですが、糖度が高いのが特徴です。 その他にも、様々な品種が数本単位で植えられており、金子さんの栗への探求心は衰えることはありません。
栗は買ったらすぐ食べよう!
「栗は、常温で置いておくと、どんどん水分を失っていきます。購入したら、すぐに調理して食べるか、保存する場合は、乾燥しないようにポリ袋にいれると良いでしょう。また、冷蔵庫のチルド(0度~1度)で保存すると糖度が上がり、おいしく召し上がれます。」
1 月 | 2 月 | 3 月 | 4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 |
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金子さんは、機械が好きで農機具の修理等もできる限りご自身で行うそうです。この機械についての知識、技術や、栗栽培のノウハウを7人いるお孫さんに引き継げたら、と話されていました。
インフォメーション | |
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名称 | JA常陸 栗部会 |
住所 | 笠間市湯崎1231-1(JA常陸栗選果場) |
お問い合わせ |
TEL: 0296-77-5101
FAX: |
WEBサイトURL | http://www.ja-hitachi.jp/ |
その他の情報 | ※この情報は2012年度時点のものです。 |
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