PICK UP / 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

うそ・偽りのない農業者に 木村貴浩さん(鉾田市)

うそ・偽りのない農業者に 木村貴浩

常に環境と消費者の食生活を考える

目標を作る!

 戦後からハウス栽培が盛んな鉾田市。鉾田舟木地区で、PGA.Bグループ(ピュアグリーンアグリ・ベーシック)代表を務める木村貴浩さんは、もともとメロンを作っていました。  毎年売上げ金額の目標を設定しそれをクリアして行くことで、良いものを作る楽しさ、売れる喜びを実感していたそうです。  しかし、大きな目標であった年間売上げ5千万円という金額をクリアした時、次の目標をどこに置くべきか考えたそうです。  「その当時私には2つの選択肢がありました。この売上げを多少前後しながらもキープしていくか、更にもっと上を目指すか。私の性格上、迷わず後者を選びました。しかし、もっと高い目標を目指すには、メロン作りではこれが限界だと感じたのです。」  木村さんは悩んだ末、メロンを作っていたハウスで、当時、国内において需要量が急増していたみず菜を作り始めました。ハウスを増やし、仲間を増やし、現在では9haもの広大な土地で、みず菜、ほうれんそう、小松菜、空心菜を栽培し、県内でも有数のハウス栽培農家へと躍進していきました。  

信用を得る野菜作り

 9ha(およそ東京ドーム2個分)もの広大な土地で、ハウス栽培を行っていくには、様々な葛藤があったと木村さんは語ります。 「10年くらい前までは、農薬を使用せずに栽培していたんです。一番農薬を使いたくないのは、農家なんですよ。自分の健康への心配や経費がかかるという問題もあります。しかし、私達の農業環境では、農薬を使用せずに栽培を続けるのは不可能に近いと気づきました。病気や虫の予防ができなければ、安定した出荷はできません。そこで私は、本当の安全とは、健康な野菜とは何かを追求しました。その結果たどりついたものが、嘘・偽りの無い農業を実践することでした。 生産日誌(栽培暦・防除暦)の記帳をし、それを開示することで、消費者が本当に安心して食べられる環境・野菜を作ろうと考えました。」  使用した農薬の量を記帳し、開示するシステムをインターネットで導入したことにより、売り上げは堅調に伸びていったそうです。  

みんなで力を合わせる

 木村さんは、平成12年に自営農業から農業生産法人を立ち上げ、PGA.Bグループという生産者団体を結成しました。それは、昔から共に農業で頑張ってきた仲間、新規就農でこの鉾田にやってきた仲間などで構成され、共に利益を上げて行こうという気持ちから結成された組織でした。  「生産者には、大きくやっている人もいればハウス1棟でやっているおばあちゃんもいる。皆、仲が良いですよ。いつも会社に集まって仕事で上手くいかないことや、こうすると良いなんて話をしますが、一人じゃ解決するまで大変なことも、皆がいれば答えを知っていたりしますから。みんなで力を合わせて頑張っています。」  嘘・偽りの無い農業、常に環境と消費者の食生活を考える農業は、PGA.Bグループに所属する生産者全員で行っています。

栽培履歴の情報開示

 木村さんをはじめとしたPGA.Bグループの生産者は、皆、肥料を統一しています。 有機質肥料をほぼ100パーセントを使用した野菜の味はマイルドだと木村さんは言います。また、PGA.Bグループのホームページで月に一度は生産者全員の栽培履歴を開示し、真実を伝えています。 「パソコン・携帯電話(QRコード)などから、栽培履歴を見れる仕組みを導入しました。ごまかしは絶対にしません。なぜならうそを付かないことこそが、私達の信用につながっているからです。農薬を使用する場合は、国の定める基準値以下です。そして、使用した農薬の種類と量をホームページに掲載して情報を開示しています。」

みず菜の豆知識

見極めかた:みず菜は、葉の先端までハリがあり、みずみずしいものを選びましょう。緑の部分と白い部分がくっきりしているものがオススメです。 株の部分がより白く、大きなものを選ぶのが良いでしょう。 保存方法:ラップや新聞紙に包んで、冷蔵庫で保存します。一度ゆでて、よく水気を拭き取ってから冷凍庫に入れれば、長期間保存できます。

販売時期
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

夢~さらなる挑戦~

 木村さんが代表を務めるPGA.Bグループは、設立当初から目標にしていた、売り上げ10億円を平成22年に突破しました。そんな木村さんに今後の夢をお聞きしました。 「今の仲間達、全員が皆でもっともっと儲かれば嬉しいです。若い仲間もどんどん力を付けてきているので、今後が楽しみです。仲間は自分の誇りですから。あとは、農家再生。農家は、ちょっとしたやり方の違いで壊れてしまうパターンが少なくないんです。ちょっとポイントを変えるだけで、農家は大きく変わります。例えば、どんなに良いものを作っても、売れなきゃ食べていけないこととか、コスト削減といって人件費を安くするのは間違いだとか、そういったことに悩んでいる農家を再生させたい。」木村さんは、経費削減を望むなら、何よりも良いものを作ることだと、続けて語ってくれました。しかし、良いものを継続して作り続けられるかが、利益を産み出せる農家とそうでない農家の決定的な違いなのだそうです。

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インフォメーション
名称 農業生産法人ピュアグリーンアグリ
住所 茨城県鉾田市舟木47-21
お問い合わせ TEL: 0291-36-5855
FAX: 0291-36-5811
WEBサイトURL http://www.precolo.com/pure/index.htm
その他の情報 ※この情報は2012年度時点のものです。

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