PICK UP / 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

JA茨城みなみ谷和原みつば部会 高津芳夫さん(つくばみらい市)

JA茨城みなみ谷和原みつば部会 高津芳夫

伝統技術の結晶!全国に誇るブランド「谷和原の切りみつば」

「谷和原の切りみつば」

谷和原のみつば 谷和原のみつば

茶碗蒸しイメージ 茶碗蒸しイメージ

切りみつばのムロ 切りみつばのムロ

 セリ科ミツバ属の多年草で、1本の葉柄に葉が3枚ずつつくことから“三つ葉”と呼ばれます。  大きく分けると、根が付いたまま収穫し、茎が太く歯ごたえのある「根みつば」、遮光したビニールハウスで栽培し、茶碗蒸しやお吸い物などの青みに使われることの多い「切りみつば」、水耕栽培されスーパー等で私達がよく目にする「糸みつば」の3種類に分けられます。  今回ご紹介するのは、「切りみつば」の生産者・高津芳夫さん。高津さんは「谷和原みつば部会」の部会長を務めています。  全国有数の生産量を誇る茨城県の切りみつばの中でも「谷和原の切りみつば」は、その多くが市場を通じて高級食材として都内の高級料亭や割烹などで使われ、芸術的な技ともいえる丁寧な選別技術と荷造りで、市場や顧客から厚い信頼を得てきました。 いばらきの「みつば」紹介ページはコチラ↓ http://www.ibaraki-shokusai.net/brand/cut-mitsuba/

「根」を育てる

切りみつば 畑 切りみつば 畑

切りみつばの違い 切りみつばの違い

ムロの中のみつばと高津さん ムロの中のみつばと高津さん

 切りみつば作りは、畑に種を撒き、切りみつばの元となる「根(根株)」を育てることから始まります。まず約半年かけて、じっくりと根を育てます。  「畑の上に出てくる茎や葉の状態を見て、根が元気に育っているか確認します。茎や葉が濃い緑色になっていると、栄養が行きすぎているサイン。この段階では根を育てているので、茎や葉はちょっと黄緑色くらいの方がムロ(※)に植え替えたあとに真っ白な茎が出るんだよ。」と高津さん。  畑の周りに掘られた水路も、みつばを育てる重要な要素だとか。「水はとても大事。状態をみて水路から畑への水を増やしたり、それでも足りないときは水を撒いたりもするよ。」  畑に種を撒いてからおよそ半年後、地上に出た茎を切り落として根株を掘り起こし、根株のみをムロに移します。遮光したビニールハウス内のムロには水が流れ、その中には根株だけになったみつばがぎっしりと植えられています。高津さん曰く、「ムロも少しずつ改良を加えて生産性をあげている」とのこと。  このような作業を経て、ムロに移された根から新たに出た茎と葉こそが、切りみつばとなるのです。 ※ムロとは 野菜の栽培・保管に用いるために地下に掘る設備の総称。切りみつばは、遮光したビニールハウス内にムロを掘り、底に水を張って栽培します。

技術が光る!選別・荷作りの作業

谷和原の切りみつば 選別 谷和原の切りみつば 選別

谷和原の切りみつば 選別 谷和原の切りみつば 選別

谷和原の切りみつば 荷造り 谷和原の切りみつば 荷造り

 切りみつばをムロに移してからおよそひと月、ここからは伝統の技術が光る「選別・荷造り」の作業が始まります。  切りみつばの出荷形態は、収穫・選別を終え、綺麗に整えられたみつば約800gを“ひと株”としてまとめ、それを3つ合わせて束ねたものを“1俵”として出荷します。  “ひと株”にまとめる作業は、長さ毎に前面用、アンコと呼ばれる中身用、背面用の3株に分け、これをまとめます。瞬時にみつばの長さを見極め、仕分け、伸ばし、まとめる。少し力を入れてしまうだけでも傷ついてしまう柔かなみつばを一切傷つけることなく、さらに乾かないよう水に浸けながら行われます。この荷造り作業は、まるで伝統芸能のように優雅で美しく、実に見事です。  「切りみつばはどの工程もすべて手作業。しかもどの工程においても経験と高い技術が必要です。何十年やってても上手くできない時もある」と高津さん。  この選別・荷造りの技術も含め、切りみつば生産の技術を持つ生産者は全国でも希少です。こうして作られる「谷和原の切りみつば」は、香り高く、姿が美しいため、市場では1俵数万円の値が付くこともあり、高級食材として取引されています。

販売時期
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

谷和原みつば部会 高津さん

夢~更なる挑戦~

 日本の農業技術の結晶ともいえる「切りみつば」の生産。現在、谷和原みつば部会の部員は11名(H29現在)。平均年齢は70歳です。  「切りみつば栽培の技術は、俺らの親父達が何度も失敗しては試行錯誤して築きあげてきたものです。相当苦労しただろうなと思う。選別・荷造りの技術も、どうやったら付加価値を付けられるか考えた末に生まれた技術だと思います。年々部会員の高齢化は進んでいるけど、今いるメンバーは、先代達が築いた技術をきちんと継承し、難しいといわれる切りみつばの生産を続けている精鋭達です。今後もお互いが技術を磨いて、皆で力を合わせて頑張っていきたい。」と高津さん。  都内の高級料亭や割烹から厚い信頼と高い評価を受けている「谷和原の切りみつば」。長年にわたり受け継がれてきた、こうした生産者の高い技術が、日本伝統の食文化を支えているのだと感じずにはいられません。

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名称 JA茨城みなみ 営農経済部営農販売課
住所 茨城県つくばみらい市谷井田1609
お問い合わせ TEL: 0297-58-5118
FAX:
その他の情報 この情報は平成29年6月時点のものです。

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