PICK UP / 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

JA常陸 那珂地区かぼちゃ生産部会 小川 清さん(那珂市)

JA常陸 那珂地区かぼちゃ生産部会 小川 清

一蔓一果、完熟採りのブランドかぼちゃ!

「那珂かぼちゃ」とは?

那珂市のブランド農産物「那珂かぼちゃ」 那珂市のブランド農産物「那珂かぼちゃ」

 茨城県のかぼちゃの出荷量は全国トップクラスで、県内には様々なかぼちゃがあります。  「那珂かぼちゃ」は、那珂川と久慈川に挟まれていることで多くの良質な農作物が栽培されている那珂市を代表する農産物で、那珂市のブランド農産物にも認定されています。  JA常陸 那珂地区かぼちゃ生産部会では、独自の栽培方法で30年以上前(1993年頃)から那珂かぼちゃの栽培を行っており、毎年6月から7月に出荷の最盛期を迎えます。  栗のようなほっくりとした食感と強い甘みのある「那珂かぼちゃ」は、味はもちろん、色、ツヤも一級品。見た目よりずっしりと重いのも特長で、消費者からも高い評価を得ています。

一蔓一果(ひとつるいっか)、完熟採り

育成中のかぼちゃ畑 育成中のかぼちゃ畑

ひとつひとつ台座を敷き変色を防ぐ ひとつひとつ台座を敷き変色を防ぐ

 JA常陸 那珂地区かぼちゃ生産部会の小川さんは、「那珂かぼちゃ」を作り始めて、今年(2023年)で3年目。これまでとうもろこしを主力に生産し、JA常陸ひたちなか地区那珂とうもろこし生産部会の部会長も務めてきましたが(2023年6月時点)、かぼちゃ作りにも興味があり、3年前に当時のかぼちゃ生産部会の部会長に苗を分けてもらい、栽培方法を勉強しながら「那珂かぼちゃ」を作り始めたそうです。  「今はビニールハウスで200本、露地畑で600本、合計800本のかぼちゃを育てています。『那珂かぼちゃ』は、一般的な多収栽培方法とは異なり、つるを一本仕立てにして、一個のみ着果させる『一蔓一果の完熟採り』というのが原則です。15節~20節辺りの実を残した方が大きくなるので、手前のものは摘果して一個だけ残します」と小川さん。  この栽培方法は、一つの実に養分を集中させ、大きくて高品質なかぼちゃを作るための「那珂かぼちゃ」の大切な栽培規定です。更に、交配後45日経った“完熟”でなければ出荷できないのも「那珂かぼちゃ」の特長で、完熟で収穫することで味が濃くなりホクホク感が増すそうです。

摘果作業の様子 摘果作業の様子

 数百本のつるに着果した実の良し悪しを見極め、摘果していく作業は苦労も多く、「摘果作業は本当に大変。600本ある樹の摘果を3日かかって行います。もう今年はそれを3回やっています」と小川さん。  また、かぼちゃのつるは1日1節ほど伸びていきますが、伸びたつるはあえて伸ばして折り返し、葉を傘のように仕立てて日光からかぼちゃの実を守ります。「日が照ってくると実が日焼けしてしまうんです。実が日焼けすると色が変わって商品価値が下がります」と小川さん。さらに、変色を防ぐためかぼちゃの下に台座(発泡スチロールでできたカップ)を敷いています。  こうした生産者のたゆまぬ努力が、「那珂かぼちゃ」のおいしさと色ツヤの秘訣なのです。

検査に合格したかぼちゃのみ「那珂かぼちゃ」に!

目揃え会の様子 目揃え会の様子

 きめ細かな管理のもと生産される「那珂かぼちゃ」ですが、全てのかぼちゃが「那珂かぼちゃ」になれるわけではありません。  出荷前には、生産者、農協、行政、市場関係者等が参加する「目揃え会(めぞろえかい)」が開かれ、選別に迷うキズや変色などがあるサンプルを持ち合わせ、関係者の意見を聞きながら等級の境い目を確認します。  さらに出荷時には、専門の検査員による厳しい検査があります。  「検査に合格したかぼちゃだけが『那珂かぼちゃ』と名が付けられ販売されます。『那珂かぼちゃ』の名がつくと、他のかぼちゃと比べて倍近い値段が付くので、作る方も真剣です」と小川さん。  こうした生産者の努力と関係者の厳しい管理によって、「那珂かぼちゃ」というブランドの味・価値が守られています。

販売時期
1 2

那珂かぼちゃ生産者小川清さん

夢~更なる挑戦~

 小川さんにおいしいかぼちゃの選び方をお聞きすると、「かぼちゃはとにかく大きい方がおいしいです。これは、どのかぼちゃの生産者も言っています。選ぶ時はなるべく大きなもの。もしカットかぼちゃを買う時は、大きなかぼちゃがカットされているものを選ぶといいと思います」また、「かぼちゃは追熟するので、買ったかぼちゃのヘタを見て、ヘタが枯れたようにしわしわになって水分がなくなっていれば食べごろ。ヘタに水分がある場合は、日陰で風通しの良い場所に2日~3日置いておくと食べごろになります」と教えてくれました。  今後の展望をお伺いすると、「『那珂かぼちゃ』のランク分けは3つあります。一番高いランクが“A”、2番目が“無印”、一番低いランクが“○(マル)印”。ランクによって販売額も相当変わってきます。“A”は形と色ツヤが良くキズがないもので、私が常に目指しているところ。Aランクで2.5kg以上のかぼちゃを揃えて沢山作りたい。そして皆さんに『おいしい』と言ってもらいたい。それに尽きますね。おいしくて良いものを皆さんに届けるために一生懸命頑張っています」  小川さんの挑戦は、まだまだ続きます。

買えるお店
那珂直売所
住所: 茨城県那珂市後台2290-5
TEL: 029-298-2677
FAX: 029-298-2684
東海ファーマーズ・マーケット にじのなか
住所: 茨城県東海村石神内宿1167-9
TEL: 029-219-4147
FAX: 029-270-4600
津田直売所
住所: 茨城県ひたちなか市津田3241-2
TEL: 029-274-8311
FAX: 029-219-7077
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