いばらきの食に挑戦する人たち
澤田茶園 澤田臣男(牛久市)
澤田茶園
澤田茶園
澤田茶園
牛久市女化(うしくしおなばけ)にある澤田茶園。真っ先に目に入るのは、手入れが行き届いた美しい茶畑。澤田茶園は、茶葉や落花生の生産・販売をはじめ、自社生産の雑穀や野菜などを販売する直売所も併設しています。 「仕入れ品ではなく、自分で作って納得したものを売りたいんです。そうしていたら作る品目がどんどん増えちゃって(笑)。お陰でお茶の生産時期以外も年中忙しくなっちゃいました。」 そう語るのは、澤田茶園4代目社長の澤田臣男さん。「健康に役立つ商品作り」がモットーという澤田さんからは、気さくで朗らかな人柄に反して“物作り”に対する強い信念と情熱を感じます。
低農薬で栽培
澤田茶園かぶせ茶
澤田茶園 蒸し
澤田茶園 揉捻
澤田茶園のお茶は、香りが高く深みがあり地元の人々に愛されています。人気の理由は、その味に加えて、茶葉を低農薬で栽培していることにあります。 「ここのところ毎年新しい虫が出て苦労します。でも極力農薬は使用しません。」と澤田さん。また、土づくりも化学肥料を使わず、「有機質肥料を使って行っている」そうです。また、“かぶせ茶”も澤田さんのこだわりのお茶なのだとか。 「かぶせ茶は、お茶摘みの1週間前に茶の樹そのものに直接遮光シートをかけて育てるお茶のこと。遮光して茶葉の光合成を抑えると茶葉の旨み成分が増えて、渋みが少なく甘みの強いお茶になります。お茶にした時に濃い緑色になるので、見た目にも綺麗ですね。」遮光シートを20日間ほどかけて作ったお茶を“玉露”、遮光シートをかけずに育てたお茶を“煎茶”と呼ぶのだそうです。 さらに、澤田さんがこだわりとしてあげるのが“深蒸し”です。 「お茶は作りは、まず茶葉を蒸気にくぐらせる“蒸し”の工程から始まります。このときの蒸し時間の長さによって、茶葉の味、香り、色が大体決まります。通常60秒ほど蒸気にくぐらせるところ、その倍の120秒くらいかけてじっくり蒸気にくぐらせるのが“深蒸し”。深蒸しにすることで、茶葉の甘みが出て色もよくなります。うちはほとんどのお茶を深蒸しで作っています。」 蒸し上がった茶葉は、1時間ほど熱風を送りながら水分を蒸発させる「粗揉(そじゅう)」、お茶を揉む工程の「揉捻(じゅうねん)」、お茶を針状に整形する「精揉(せいじゅう)」と呼ばれる工程を3種類の機械で行い、茶葉を乾燥し、揉み、仕上げられていきます。
「黒落花生」誕生秘話
澤田茶園のお茶と落花生
澤田茶園 黒落花生
天日干し
澤田茶園といえば忘れてはならないのが落花生。その味わいは香ばしくほのかな甘みがあとを引きます。 「落花生をよりおいしくするために行うのが“ぼっち(※)”作り。うちは昔からぼっちを作っていますが、この工程を考えた昔の人は凄い、と改めて思います。乾燥も、天日干しで機械乾燥はしません。」と澤田さん。 また、県内で澤田茶園のみが作っている『黒落花生』は、販売するとすぐに売切れてしまう為“幻の落花生”とも呼ばれ、高い人気があります。 (※)ぼっち…落花生の株を円柱型に約2メートルほど積んだもの。積んだ状態で一カ月程度自然乾燥させることで、落花生の実に含まれるデンプンが糖分に変化し、甘味が増していくといわれる。 「元々牛久は落花生の産地。うちも作るのはもちろん、昔は地域の人の落花生を集めて八街(千葉県)に売りに行ってたんです。今から40年ほど前にうちに機械を入れて、そこから店頭でも売り始めました。商売は他と同じことをやっていても頭打ちになってしまいます。新しいことを始めようと、私の代になってからいろんな種類の落花生を試験的に作り始めました。あれやこれやと何十種類も作ったなかで、一番味に納得ができたのが黒落花生でした。」 「黒落花生は畑に水を撒く設備がないと作れないのですが、うちは昔サトイモ作りをやっていたので畑に水を撒く設備があった。でも作っている人がいないから作り方がわからなくて。毎年できを見ながら、干ばつに弱いんだな、とか、他の落花生とは収穫の時期が違うんだな、とか作りながら学んでいきました。お店に出せるまでには栽培を始めてから5年くらいかかりましたね。」
澤田臣男さん
黒落花生
澤田さんは、黒落花生の皮の黒さが何なのか気になり、つくばの研究機関で成分分析をしてもらったそうです。その正体は“ポリフェノール”だったことが判明し、「ポリフェノールは身体に良い成分が入っているし、“皮ごと食べられる落花生”なんだと嬉しくなりましたね。」この結果は、澤田さんのモットーである「健康に役立つ商品作り」にも合致し、それ以来、澤田さんは黒落花生を「皮ごと食べて」と勧めるようになったといいます。 黒落花生は、上品な甘さで香ばしく、落花生の風味が濃厚。一度食べ出すと止まらなくなる美味しさです。
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「お客さんに安心して買っていただけるような商品を作り、自信を持って売りたいですね。その為に“生産・直売”というスタイルにはこだわりたい。40歳までは色々と“挑戦”してきました。40過ぎてからは“地域貢献”がどれだけできるかだと思っています。お茶は、とても大切な日本の文化だと思うので、それを子供達に伝えながら地域に貢献できればと。今は、うちで子供向けの茶摘み体験をやったり、私自身が色んなボランティア活動などに参加したりしながら、できる事を模索してます。それが今後どんな風に実を結ぶか今はわかりませんが、何年か、何十年後か、地元に貢献できる形にしていけたらと思います。」
インフォメーション | |
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名称 | 澤田茶園 |
住所 | 茨城県牛久市女化町30 |
お問い合わせ |
TEL: 029-872-0307
FAX: |
WEBサイトURL | http://www.ushikukankou.com/sawadaseicha.htm |
その他の情報 | ※この情報は、平成29年7月時点のものです。 |
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