PICK UP / 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

有限会社 栗原農園 栗原 玄樹(常陸太田市)

有限会社 栗原農園 栗原 玄樹

「おいしく 楽しく 野菜とお米で笑顔に!」

栗原農園

栗原農園 看板

栗原農園 小ねぎのハウス

 茨城県の北東部に位置し、上質な米の産地としても知られる常陸太田市にある「栗原農園」は、「おいしく 楽しく 野菜とお米で笑顔に!」をモットーに、水耕栽培による小ねぎをメインに、米やレタス、ルッコラなどのサラダ野菜等を生産しています。  栗原 玄樹さんは、2017年に父 昌則さんから経営を引継ぎ、代表取締役に就任しました。  「『おいしい』ことは大前提で、『楽しく』というのは作る人、使う人、食べる人、皆のことを指しています。何をするにもこのモットーを軸に行動していて、農業を通して多くの人々に笑顔になってもらうことを目指しています」  代表取締役に就任する前から、未来を見据えて雇用環境の整備と従業員の育成にも力を入れていたという栗原さん。  「従業員の立場に立った適切な労務管理が、従業員のやる気や育成に繋がっていきます。また、人事評価とそれに基づく給与体系も従業員のやる気を引き出す重要な取組のひとつです。さらに、生産については管理も含めてほとんど従業員に任せています」これらの取り組みが功を奏し、栗原農園の従業員は、栗原さんの指示がなくとも自ら考えて的確に判断し、行動するようになったそうです。

 近年、新たな営業ツールとして加工品「ネギキムチ」を開発した栗原さん。「ネギキムチ」は、SNSマーケティングで売上を伸ばしています。  「小ねぎは生で食べるのが一番おいしいのですが、生のままだと賞味期限が短い。どうにか賞味期限を伸ばして生の小ねぎの味を楽しんでもらいたいと、ネギキムチを作りました。『肉にのせるとうまそう!』とか、人間の本能的に『うまそう!』となるものを作りたくて、何種類もキムチを買ってきて自分好みの味を見つけて、それに近いヤンニョム(キムチのタレ)を作って、何度も試作しました」こうして理想とするネギキムチが完成しましたが、問題は販路。栗原さんは、SNSマーケティングに目を付けます。  「『おいしい』『楽しい』と自分のモットーに沿った商品なので、売り込む時にも気持ちが入ります。本気でやれば気持ちは伝わると思い、本格的にSNS活動を始めました」  「いきなり『ネギキムチどうですか』と言っては共感は得られないと思い、SNS上では『ネギの人』という枠を狙って活動をしました」  TikTokでは、「ねぎニキ(@neginiki_negikimuchi)」として活動し、ASMR(自律感覚絶頂反応)動画で小ねぎをシャキシャキ食べる音を流したり、小ねぎをたっぷり入れたラーメン作りの動画を配信するなどの動画を投稿し続けると、TikTokで100万回以上、Instagramでは220万回以上再生されるまでになりました。  肝心な売上はというと、プロフィール欄に貼ったオンラインショップのリンクから月を追うごとに注文が増え、「予想以上に伸びていて、逆に不安にもなります。いつか頭打ちになると思いますが、やれることは全力でやりたい」と栗原さん。  このように、新しい取組にチャレンジして経営発展を続ける栗原さんは「ヤングファーマーズ・ミーティング2023 」の分科会講師として登壇しました。

「ヤングファーマーズミーティング」とは

ヤングファーマーズ・ミーティング2023 分科会の様子 ヤングファーマーズ・ミーティング2023 分科会の様子

講演中の栗原さん 講演中の栗原さん

 「ヤングファーマーズ・ミーティング」は、2018年度に「いばらき農業アカデミー」の講座の一つとして茨城県が開講しました。若い農業経営者を対象に、「経営者マインド」を持って自身の経営発展に向けてチャレンジし、「儲かる農業」を実現していく本県農業の人材育成を目的としています。  「いばらき農業アカデミー」は、経営の発展に意欲的な農業経営者や就農希望者等を対象に、大学や研究機関、民間企業など産学官の連携により農業の総合的な学びの場を提供する事業です。  経営のノウハウを取得するための講座や生産技術向上のための講座など、毎年約30講座を開設しており、自身の希望する講座を経営の発展段階に合わせて自由に受講することができます。  「ヤングファーマーズ・ミーティング」では、先進的な経営に取り組む新進気鋭の県内外農業経営者を招致し、基調講演や分科会を開催。  自身の農業経営のヒントとなる先進農業者の経営理念や戦略等を学ぶことができ、現在まで延べ1,000人以上の方が参加しています。  栗原さんも「いばらき農業アカデミー」の講座を受けて経営発展した方で、2023年8月1日に開催された「ヤングファーマーズ・ミーティング」で分科会講師を務め、「商品に新たな価値を創る!人と自分を活かす環境づくり」と題して、これまで力を入れてきた従業員育成の取組や、ネギキムチの開発秘話、SNSを活用した販売促進活動等を後進の若手農業者に向けて講演しました。 ▼農業いばらきポータルサイト 栗原さんの取組はこちらから https://nouiba.jp/interview/executive/2023/06/5214/ ▼いばらき農業アカデミーの詳細はこちらから https://www.agriacademy.pref.ibaraki.jp/about.html

販売時期
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有限会社 栗原農園 代表取締役 栗原 玄樹さん

夢~さらなる挑戦~

 「おいしさはもちろん、どうやったら楽しんで小ねぎを食べてもらえるか。『ネギキムチ』もそう考えて始めた商品です。僕はそもそも農業が好きで、生産も、営業も、売りにも行きたい。経営以外は全部やりたい(笑)。SNSなら経営をしながらそれが全部できるので、これからもSNSを活用しながら全国においしさ、楽しさを伝えたい。いつかネギキムチを日本の定番キムチにしたいです。  また、現在小ねぎの大部分が、加工してくれる業者さん向けに販売していることで経営が支えられていますが、自分の所で加工して、自分の商品を売りたいです。  生産面は従業員にほぼ任せていますが、おいしい野菜の安定した生産をより任せられるようになりたい。僕自身も栽培技術を磨き、営業を頑張って、従業員の成長と自分の成長の足並みを揃えていきたいと思っています」  地元では数少ない農業法人の経営者として、地域農業の未来を担う存在となっている栗原さん。今後の展望をお伺いすると、「地域全体の発展に貢献できる企業になることです。地域の理解なくして農業はできないので」と地域にねざした目標を掲げつつ、常に新しい取り組みにチャレンジし続ける栗原さんの挑戦は、まだまだ続きます。

買えるお店
道の駅ひたちおおた~黄門の郷~
住所: 茨城県常陸太田市下河合町1016-1
TEL: 0294-33-8787
カスミ ※茨城県内 県北・県央20店舗
かわねや
オンラインショップ
インフォメーション
名称 有限会社 栗原農園
住所 茨城県常陸太田市芦間町1263-1
お問い合わせ TEL: 0294-76-0120
FAX: 0294-76-0259
WEBサイトURL http://kurifarm.net/
その他の情報 ※このページの情報は、2023年7月時点のものです。

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