PICK UP / 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

有限会社 原田水産 原田 静男(小美玉市)

有限会社 原田水産 原田 静男

農林水産大臣賞受賞!「白魚黄金釜揚げ」

有限会社 原田水産

 茨城県小美玉市の霞ヶ浦湖畔にある有限会社 原田水産は、霞ヶ浦北浦で水揚げされるシラウオ、ワカサギ、テナガエビ、うなぎや、涸沼産しじみなどの生鮮品や加工品の製造・販売を行っている会社です。  有限会社 原田水産にはおよそ150年以上の歴史があり、原田商店を前身とし、昭和57年10月に原田さんの父親によって法人化されました。  4代目社長の原田 静男さんは、豊洲市場など、日本全国への販売拡大を続けており、特にワカサギの鮮魚は全国トップ級の出荷量を誇る年もあります。  魚の価値を高めることも心掛けています。これまで築いてきた販売網を生かすことで、良い魚を一般的な浜値※よりも高く仕入れることが可能となり、相場の底上げ、漁業者の所得向上にもつながるなど、地域の水産業に貢献しています。 ※漁獲した水産物が、港で水揚げされた直後に取引される値段のこと。

農林水産大臣賞受賞!「白魚黄金釜揚げ」

 原田水産の強みのひとつに「お客さんに求められる商品作り」があります。そこには、原田水産を年商1億円超えの企業に育てあげた原田さんの強い信念があります。  「常に時代や業界が求めている商品をキャッチして、絶えず『他に無い商品の開発』を心掛けています」と原田さん。  令和4年度に開催された茨城県水産製品品評会で「農林水産大臣賞(霞ヶ浦北浦部門)」を受賞した「白魚黄金釜揚げ(しらうおおうごんかまあげ)」も、新商品の開発を行うなかでその信念に基づいたアイディアから誕生したそうです。  「シラウオは、生で食べるのが一番おいしいしニーズもありますが、どんなに気を付けても獲りたての鮮度状態を維持することは至難の業です。ですから、寿司ネタとして生のシラウオが出ることはほとんどありません。そこで、生ではないけれど寿司屋でも提供できるようなシラウオの商品を作りたいと思い試行していた時、あるアイディアが生まれました。それは、“シラウオを煮るときにワインを入れる”。世の中多くの“ワイン煮商品”があるなか、シラウオを煮るときにワインを足している商品は無いことに気がつきました」  早速試してみると、「魚特有の臭みや苦みが取れた。驚くべき発見でした」と原田さん。さらに、通常シラウオを煮る際に出る雑菌を含むアクの泡が、ワインを入れるとほとんど出ないことも分かったそうです。  この製法に光を見た原田さんは、シラウオを含め、他の魚もワインを入れて煮た場合の成分分析を実施し、魚の臭みや苦みが取れることを数値で証明しました。  「ワインを入れて煮たシラウオを一般の方にも食べていただいたところ、皆さんから『臭みがない』という声を多くいただきました。これはイケると思い、商品化しました」  こうして誕生した「白魚黄金釜揚げ」。「黄金」とは色のことではなく、“アイディアが黄金級”とのことで名付けたそうです。  原田水産は現在(2023年9月)、ワインを入れて魚を煮るこの製法の特許を出願中です 。

「人」と「資源」 を大切にする

 そんななか、原田さんが大切にしているのは、「人」。  「商売をやっていくには、売上げが一番大事です。売上げを出すには人(従業員)が一丸とならなければなりません。弊社では、福利厚生を整えることで、人のやる気や自発性などを高めています。さらに、自社だけでなく、漁業者や協力会社、出荷先との連携も大切にしています 」  また、経営方針として大切にしているのは、「新鮮で安心できる商品の提供」、「安定した商品量の提供」を実現するための「資源管理」なのだとか。  「霞ヶ浦北浦で獲れる魚の数は無限ではありません。より良いものを生産できるよう意識しています。例えば、シラウオは毎年7月21日から12月31日までがトロール漁※の期間ですが、加工製品に使うのは9月後半頃から獲れる成長した大きなシラウオです。連携している漁業者が鮮度良く処理して持ち込んでくれた高品質なものを、衛生管理を徹底している加工場で素早く加工し、出荷しています」 ※底引き網漁のひとつ。トロール網と呼ばれる網を沈めて海底を引くようにして行う漁法。

販売時期
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有限会社 原田水産 原田 静男さん

夢~さらなる挑戦~

 原田さんに、今後の展望を伺いました。  「霞ヶ浦北浦の漁業者と加工業者、この2つがまとまって、胸を張って販売先に良い商品を売りたいですね。製品に対してのこだわりはもちつつ、業界全体のことを考えた商売をしていかないと業界が先細りしてしまうと危惧しています。水産資源の維持、商品の安定供給のためにも、霞ヶ浦北浦全体で『管理漁業』を行うことが必要だと思います。自然の摂理を重んじて、ある程度魚を残す。増えた分を獲る。霞ヶ浦北浦を大きな水槽と考えて、魚をゼロにしない為にはどうしたらいいかを考えて、実行していく。皆で力を合わせて、消費者も含めた全方向が喜べるような商売をして、霞ヶ浦北浦全体が盛り上がるようにしたいです」  霞ヶ浦北浦全体で取り組む管理漁業を目指し、日々奮闘する原田さんの挑戦は、まだまだ続きます。

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原田水産
住所: 茨城県小美玉市高崎855
TEL: 0299-26-1545(代)
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名称 有限会社 原田水産
住所 茨城県小美玉市高崎855
お問い合わせ TEL: 0299-26-1545(代)
FAX: 0299-26-5025
WEBサイトURL https://www.haradasuisan.co.jp/
その他の情報 ※このページの情報は、2023年10月時点のものです。

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