いばらきの食に挑戦する人たち
JA常陸 里川西特産果樹生産部会 武藤 隆之さん(日立市)
日立中里フルーツ街道
日立市下深荻地区(旧中里村)
茨城県常陸太田市の北部・日立市西部にある下深荻(しもふかおぎ)地区の旧中里村は、清流里川が流れ、豊かな自然に囲まれたのどかな風景が広がる地域です。 周辺地域には多くの果樹園があり、りんごやぶどうなど様々な果物を栽培しているこの地域は「日立中里フルーツ街道」と呼ばれ、直売やもぎ取り体験等ができる農園もあります。 また、果樹栽培に適した中里地域でできるりんごとぶどうは、「日立市地域ブランド認定品」に認定されています。 ▼日立中里フルーツ街道 https://hitachi-nakazato-fruitsroad.com/
JA常陸 里川西特産果樹生産部会
むとうリンゴ園のりんごの樹
リンゴ園コンサートの様子(一番左が武藤さん)
日立中里フルーツ街道にある農園は、「JA常陸 里川西特産果樹生産部会」に属している農園が多く、「むとうリンゴ園」もそのひとつ。同生産部会では、販売シーズンに入る前に規格や選別基準を決める「目揃え会」を行い、シーズン終了後は剪定作業等の講習会を実施しているそうです。 「『目揃え会』では、糖度、硬度、色、形などを揃えて販売シーズンに備えます。特にりんごのでんぷん質のチェックは重要で、でんぷん質が抜けてくると食べ頃になります。シーズン終了後の講習会では、日の光の入りやすさや風の通りやすさを考慮した剪定を行うほか、自分が作業がしやすいようにりんごの樹を整えています」と武藤さん。 「むとうリンゴ園」は、警察音楽隊でトランペット奏者として勤めていた武藤 隆之さんが定年退職後に家業を継いだ観光りんご園で、高鈴山等を見渡すことができる小高い坂の上にあり、日当たりが良く、太陽の恵みをたっぷりと受けたりんごが育っています。 「陽光」「新世界」「秋映(あきばえ)」「シナノゴールド」「名月」「ふじ」などおよそ8品種を栽培し、毎年10月中旬頃のシーズンに入ると、県内のみならず県外からも多くのお客さんが“りんご狩り”に訪れます。 また、毎年11月頃には、武藤さんが参加する金管アンサンブル「ベストブラス」の演奏による「リンゴ園コンサート」を開催しており、りんご狩りをしながら演奏を楽しむことができます。
葉を大事に、樹上完熟でりんごを育てる
お尻の色が黄色に変わったりんご
武藤さんにりんご作りにおいてのこだわりをお伺いしました。 「“葉”を大事にしています。りんごは太陽の光で色づくものなので、葉を多く残すと色のムラは多少出てしまうのですが、葉で作られた養分が果実に蓄えられ、味が濃く、糖度も高くなる。お客さんからも『他のりんごと比べて味が全然違う』と言われます。でも、全体が色づいたりんごを贈答用で使いたいというお客さんもいるので、りんご狩りの樹とは別の場所で贈答用のりんごも作っています」 さらに、むとうリンゴ園のりんごは全て、りんごが樹に実った状態のまま完熟させる「樹上完熟(じゅじょうかんじゅく)」を行っているそうです。 「樹上完熟のりんごは、甘く、味が濃くなります。完熟の見極め方は、品種によっても異なりますが、りんごのお尻の色が緑色から黄色に変わったものは完熟しています。また、お尻のつぼみが開いてくるのも完熟の合図ですね。ふじは、りんごを触った感じがザラザラしているものがおいしいですよ」と武藤さん。樹上完熟のりんごは完熟ゆえに市場出荷には不向きで、りんご園でしか味わえない特別な味なのだと教えてくれました。
1 月 | 2 月 |
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武藤さんに今後の展望をお伺いすると、「とにかく『おいしい!』と言ってもらえるりんごを作ることです。後継者問題もありますが、そんなこと言っても仕方がないので、りんご園もトランペットもできるだけ長く続けたい。前向きに好きなことをやって、今を大切に楽しくやっていきたいですね」と笑顔で答えてくれました。 また、むとうリンゴ園では、新しいりんごの樹を約40本植える予定で、「新しいりんごの品種も作る予定なので楽しみ」とのこと。 武藤さんの挑戦は、まだまだ続きます。
インフォメーション | |
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名称 | むとうリンゴ園 |
住所 | 茨城県日立市下深荻町1523 |
お問い合わせ |
TEL: 090-2735-0028
FAX: |
WEBサイトURL | https://www.facebook.com/profile.php?id=100024723740461 |
その他の情報 | ※このページの情報は、2023年10月時点のものです。 |
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