PICK UP / 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

常陸牛を海外に届けた男 谷口 勇さん(茨城町)

常陸牛を海外に届けた男 谷口 勇

常陸牛を、全国トップブランドへ、そして海外へ!

茨城の銘柄牛「常陸牛(ひたちぎゅう)」

常陸牛 盾 常陸牛 盾

常陸牛と銅像 常陸牛と銅像

イベント出店の様子 イベント出店の様子

 常陸牛とは、茨城県内の指定生産者が飼育した黒毛和牛のうち、(公社)日本食肉格付協会の枝肉取引規格が歩留「A等級」又は「B等級」かつ肉質等級「5等級」と「4等級」のもので、茨城県常陸牛振興協会が認定したものとされています。  県内での養牛の歴史は古く、天保3年12月(1832)徳川斉昭公が現在の水戸市見川町に桜野牧を設け黒牛を飼育したという記録が残っています。その後、時代を重ねて、昭和51年7月に「茨城県産牛銘柄確立推進協議会」が発足し、本県の優秀な黒毛和種を『常陸牛』と命名、昭和52年には現在の「茨城県常陸牛振興協会」が設立されました。  現在、事務局長を務める谷口勇(やぐちいさむ)さんは、平成23年に二代目局長として就任しました。  「就任した年は東日本大震災が起きた年で、原発事故による風評被害で、それはもう大変な思いをしました。」だからこそ、「必ず立ち直って、そしていつの日か、常陸牛を全国トップブランドにしたい、という想いが強くなった。」と谷口さんは言います。県、生産団体、全農、仲卸、精肉店、飲食店、ありとあらゆる場所に出向き、営業に回る日々。「イベントにも沢山出ました。常陸牛の試食会を行ったり、新聞や自社ホームページで取扱店の募集をかけたりもしました。」と当時を振り返ります。  常陸牛には「指定生産者」、「販売指定店」、「販売推奨店」という制度があり、育てる人、購入できる店、食べられる店を指定しています。この制度により、「消費者には確かな品質が保証される」と谷口さんは言います。谷口さんの地道な努力により、平成23年当時は、あわせて400店舗だった販売指定店、販売推奨店が、平成29年には541店にまで拡大しました。(海外指定店を含む)

常陸牛、世界へ!

谷口勇さん 谷口勇さん

常陸牛のしゃぶしゃぶ 常陸牛のしゃぶしゃぶ

 平成26年には、茨城県知事によるベトナム訪問に際して「茨城の農産物で、今後輸出に繋がる農産物として常陸牛を持って行きたい」と茨城県から相談があり、チャンスが訪れました。  「急な相談でしたが、何とか準備が間に合って、常陸牛をベトナムに持って行くことができました。」と谷口さん。  シェラトン・ハノイホテルで、ベトナム大使館、在ベトナム日系企業、ベトナム政府要人など約200名に、常陸牛の炙り寿司、しゃぶしゃぶ、ステーキを提供したところ、大好評。これをきっかけに、「輸出の話が一気に進んだ」そうです。その後、シェラトン・ハノイホテルは、海外第1号の常陸牛海外販売推奨店となり、平成29年現在、ベトナムで6店舗、タイで7店舗、アメリカで1店舗の常陸牛推奨店があります。  「タイへの輸出は、日立市の小松水産からのご紹介がきっかけで始まりました。アメリカへの輸出は、那珂市の木内酒造さんが、サンフランシスコに『BEER&WAGYU HITACHINO』を出店するということで、お話をいだだいて始まりました。県関係者やJETRO茨城を始め、多くの方の尽力や、たくさんの思いがあって、輸出が実現したと思います。しかし、輸出に関してはまだ始まったばかり。これからは、色々なチャンスが出てくると思います。そういったチャンスをしっかりとものにできるよう、今はその足がかりを作っているところです。」

生産者への想い

常陸牛 出荷の風景 常陸牛 出荷の風景

 谷口さんが事務局長に就任した平成23年には、常陸牛の年間出荷数は、6,690頭ほど。それが現在は、年間8,710頭にまで増えました。  「生産者の多くは、生後10カ月前後の子牛を買ってきて、県内で育てますが、今、全国的に子牛の価格が上がっています。加えて、県内では生産者の高齢化が進んでいるという声も少なくありません。一方で、明るい話題もあって、若い後継者がいる方や、子牛から一貫生産を行う方など意欲的な方も多くいます。そういう生産者さんと力を合わせながら、または支援しながら、やっていければと思います。生産者あっての常陸牛ですから。」と谷口さん。  「常陸牛年間出荷目標数は1万頭。叶えられるよう頑張りたい。」と語ります。

販売時期
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

常陸牛ブロック

夢~更なる挑戦~

 「県内外、さらには、海外の人にもたくさん食べてもらいたいですね。そのためには、何よりも出荷頭数を安定させる必要があります。せっかく“欲しい”と言っていただいても、出荷できるだけの頭数が確保できなければ話になりません。出荷頭数の安定が第一です。また、少しずつ知名度が上がっていると思いますが、これまで以上にブランド力を高めていけるよう取り組んでいきたいですね。いつかは、都内百貨店の肉売り場に常時置いてもらえたり、ギフトカタログに載せてもらえたり、全国トップブランドを目指していきたいですね。」谷口さんが常陸牛に賭ける思いは熱く、想いは尽きません。常陸牛を海外に届けた男の、更なる挑戦は続きます。

買えるお店
「常陸牛振興協会」公式ホームページ「買えるお店」よりご覧ください。
ポケットファームどきどき 茨城町店
住所: 茨城県茨城町下土師1945
TEL: 029-240-7777
FAX: 029-292-8700
ポケットファームどきどき つくば牛久店
住所: 茨城県牛久市猪子町967-1
TEL: 029-879-8800
FAX: 029-878-5030
トキワフーズ
住所: 茨城県東茨城郡茨城町宮ケ崎1874-1
TEL: 029-293-7796
肉のイイジマ
住所: 茨城県水戸市見川2-108-26
TEL: 029-254-2441
オンラインショップ
インフォメーション
名称 常陸牛振興協会
住所 茨城県東茨城郡茨城町下土師(シモハジ)1950-1
お問い合わせ TEL: 029-292-8364
FAX:
WEBサイトURL http://ibaraki.lin.gr.jp/hitachigyuu.html
その他の情報 ※この情報は2017年度時点のものです。

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