PICK UP / 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

三村観光りんご園 三村 俊輔さん(大子町)

三村観光りんご園 三村 俊輔

魅力的な6次化商品で奥久慈りんごをPR

奥久慈りんご栽培の若き担い手

三村観光りんご園二代目園主の三村俊輔さん 三村観光りんご園二代目園主の三村俊輔さん

りんご栽培のノウハウを学びながら奮闘中 りんご栽培のノウハウを学びながら奮闘中

 茨城県北西端に位置し、福島県と栃木県に隣接する大子町は北関東屈指のりんご生産地です。大子町でのりんご栽培の歴史は昭和19年から始まり、町内には40を超えるりんご農家が軒を連ねています。大子町の「奥久慈りんご」は樹になったまま完熟させる樹上完熟栽培が特長。観光農園スタイルでの直売が主流で、例年9月~11月の収穫シーズンを迎えると県内外から多くの観光客が大子町を訪れます。  そんな大子町のりんご園のひとつ、三村観光りんご園を訪ねました。二代目園主の三村俊輔さんは5年前に会社員から脱サラし、奥様の祖父母の代から60年超続くこのりんご園を受け継いだといいます。1.6ヘクタールのりんご園に加え、桃やぶどうも栽培。  「まだまだ勉強中ですが、栽培面積も、りんごの品種も徐々に増やしてきました。私の代になってから新しく植えた木がやっと収穫できるようになってきたところです」  三村さんは栽培技術の研鑽にも積極的に取り組んでおり、樹間の距離を狭くし従来よりも面積あたりの定植本数を増やす「高密植栽培」も取り入れています。

北関東屈指のりんご生産地で光るオリジナリティ

三村観光りんご園では、りんご狩りは10月から受付予定 三村観光りんご園では、りんご狩りは10月から受付予定

国道118号線沿い、福島県との県境にほど近い立地 国道118号線沿い、福島県との県境にほど近い立地

 大子町のりんご園の主力品種は「ふじ」。また、幻のりんごとして知られるようになった「こうとく」も評判です。三村りんご園でもこの2種を含む約30種類のりんごを栽培しています。その中でも、三村さんが期待を寄せる品種が「奥久慈宝紅(おくくじほうべに)」です。「『ふじ』と『こうとく』をかけあわせた、大子町オリジナル品種です。甘みと酸味のバランスも良くて味の評価も高いです。10月中旬~下旬に収穫なので、ぜひ食べてみてください」と勧めます。  他にも、消費者のニーズや流行を先読みしてりんご園を成長させていきたいと語る三村さん。その一手として取り組んでいるのが、りんごを使った加工品の開発です。ジュースから始まり、乾燥させたりんごチップス、りんご紅茶と続々商品化。中でもりんご紅茶「大子林檎香茶」は、「いばらき農の6次化商品コンテスト」で特別賞を受賞した商品です。輪切りのりんごチップを大子町産茶葉で作った紅茶に浸しながら味わう贅沢な一杯。  「元々はB品を有効活用できるものをと考えて作りました。紅茶に入れるりんごチップは、こうとくの輪切りなんです。蜜が入っているりんごチップは珍しいので差別化になるかなと思って。紅茶を飲んだ後にりんごチップもおいしく食べてもらえます」と三村さん。紅茶はりんごに合うようにブレンドし、りんごチップの厚みにも試行錯誤したこだわりの一品です。

加工品を通してりんご園をPR

パッケージにもこだわりが詰まったオリジナル加工品 パッケージにもこだわりが詰まったオリジナル加工品

これまで未利用資源だった摘果りんごも有効活用 これまで未利用資源だった摘果りんごも有効活用

 大子林檎香茶をはじめ、手がけた加工品を持参し町外のマルシェイベント等にも積極的に出店しているという三村さん。その目的は商品を売りに行くことではなく、「りんごの加工品を通して三村りんご園をPRするため」と話します。  「あくまで主体はりんご園。加工品は名刺代わりだと思っています。ですので、商品のパッケージにはロゴマークと、インスタグラムにリンクする二次元バーコードを載せています」と三村さん。りんご園のPRに繋げるために、まずは加工品から興味を持ってもらいやすいようにパッケージデザインにもこだわっているそう。ジュースも他と差別化できるよう、瓶の形からひと工夫してスマートな印象にしています。また、ターゲットを女性に定め、女性の意見を取り入れながらより手に取ってもらえるデザインを選定したと話します。  また、三村さんは、飲食店やパン店、ブルワリー等に加工用りんごも提供しています。それらの中には、これまで畑に捨てるだけだった摘果りんご(栽培の過程で取り除かれる余分な未熟りんご)を活用しているものもあるといいます。  「摘果りんごを活用して、ジェラートやシードルを作ってくれています。他にも、そういったコラボレーションのお話が来たら、とりあえず何でもチャレンジしてみます。それも三村観光りんご園のPRに繋がると思うので」  三村さんのアイデアと行動力が、りんご園の魅力を後押ししています。

販売時期
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夢~さらなる挑戦~

 「目指していくのは、若い世代の人やファミリー層に足を運んでもらえる場所です。そのために、数年かけて進めてきたのが品種を増やすこと。バラエティを揃えて、より魅力的なりんご園にしていきたいです」と三村さん。大子町の観光果樹園の中で差別化を図るべく、まだまだ新たな加工品の開発も予定しているといいます。  「りんごの紅茶に続き、桃の紅茶も作りました。また、別の新製品も近日発売予定で鋭意開発中です。これからも積極的に取り組んでいきます」と今後の展開にも期待大の若手農業者です。

買えるお店
三村観光りんご園 (桃:7月下旬~8月中旬 ぶどう:8月下旬~9月 りんご:9月末頃~11月下旬 ※こうとくは予約販売のみ、見込み数量に達し次第受付終了)
住所: 茨城県久慈郡大子町下野宮2301
TEL: 0295-72-4659
オンラインショップ
モンベル フレンドマーケット
インフォメーション
名称 三村観光りんご園
住所 茨城県久慈郡大子町下野宮2301
お問い合わせ TEL: 0295-72-4659
FAX: 0295-72-4659
WEBサイトURL https://www.instagram.com/mimura_kankou_ringoen/
その他の情報 ※このページの情報は、2024年8月時点のものです。

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