PICK UP / 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

大場いちご園 大場 裕介さん(水戸市)

大場いちご園 大場 裕介

一粒一粒、期待を裏切らないいちごを届けたい

茨城いちごグランプリで2度大賞受賞

大場いちご園代表の大場裕介さん 大場いちご園代表の大場裕介さん

県内外のいちごコンテストで入賞 県内外のいちごコンテストで入賞

 子どもから大人まで幅広い世代に愛されるいちご。手軽に食べられ、甘さと香りが良く、そして見た目も可愛らしいいちごは日本人にとってポピュラーな果物の代表格です。いちごは茨城県の主要な園芸作物のひとつでもあり、全国7位の生産地!(令和4年産出荷量)鉾田市や行方市、石岡市などを中心に、県内各地で栽培されています。  水戸市の「大場いちご園」は、「茨城いちごグランプリ」の「いばらキッスの部」で2度の最高賞を受賞。「茨城いちごグランプリ」は、いちご生産者からなる茨城県いちご経営研究会と茨城県農林振興公社による主催で2012年から開催しているコンテストです。茨城県オリジナル品種の「いばらキッスの部」と、その他の品種の「一般の部」の二部門で行われ、食味や糖度、色や形など見た目の良さ、さらに栽培現場の管理方法も審査されます。  また、2023年には日本野菜ソムリエ協会主催の「第1回全国いちご選手権」にも「いばらキッス」でエントリーし、銅賞を受賞。大場いちご園は、県内外でハイレベルないちご生産者として評価を受けています。

高品質ないちごにとにかくこだわる

「いばらキッス」と「淡雪」。紅白セットは縁起も良いと贈答用に好評 「いばらキッス」と「淡雪」。紅白セットは縁起も良いと贈答用に好評

冷凍いちご。いちごを使ったレシピのフライヤーも配布 冷凍いちご。いちごを使ったレシピのフライヤーも配布

 大場いちご園があるのは水戸市のほぼ南端に近い鯉淵町。いちごの作付面積は23a、ビニールハウス8棟で栽培しています。いちごの他、小松菜も2haの規模で作っています。  「元々はメロンを作っていたんですが、18年前にいちごに転換しました。以前はもっとたくさん作っていて、ハウスは48棟あったんですが、面積が大きすぎると目が行き届かなくなってしまって…。私と弟、父の3人で栽培しているので、目が届く範囲に絞っています。昔よりも、今の方がよくいちごを観察できているなと自分でも思います」と大場さん。栽培品種も、「いばらキッス」と白いちごの「淡雪」2種をメインに限定。「茨城県のオリジナル品種ということで、やっぱり『いばらキッス』だと思いました。それだけじゃなくて、色々ないちごを食べてみた中で、自分が好きな味だったというのも採用理由です。『淡雪』は、他園で扱っているところがあまりなく珍しい品種だったので、差別化にもなるかなと。淡いピンク色で酸味は少なめ、優しく上品な風味を楽しめます」  基本的には、農園に併設する店舗での直売メインで販売しているのも大場さんのこだわりです。「直売店舗を作って、今年で5年目になります。一般小売ルートの流通に乗せようとすると、日持ちの都合で早めに収穫したものを出荷する必要があります。でも、直売なら完熟の状態で販売できます。当たり外れなく、すべて良いものを売りたい。ここに来れば、間違いなくおいしいいちごが買えるというように」と大場さん。消費者からの反応がダイレクトに来る直売はプレッシャーも大きいですが、「それがやりがいでもある」と大場さんは頷きます。

苗づくり、土づくりから細やかな気配り

夏季は秋の定植に向けて苗づくり作業を行う 夏季は秋の定植に向けて苗づくり作業を行う

「いちごにとって良いと思ったことは何でもやってみる」と大場さん 「いちごにとって良いと思ったことは何でもやってみる」と大場さん

 いちごの収穫期は12月~5月頃。その時期以外も「ずっといちごのことを考えています」と大場さん。10月に親苗を植えたいちごが実をつけるのは翌年の12月。その間15か月と収穫期の6か月、21か月もの間、大場さんは細やかな管理を心がけます。  「いちごの樹になるべく負担をかけないように気を配ります。肥料については、生産者によってタイミングが異なりますが、うちでは急激な差がないように、必要な栄養を少しずつ与えています。あとは、液肥を必ず入れていますね」  また、生育に重要な水にもポイントが。ナノバブル(微小な気泡)を含ませた水を与えることで根が活性化し、水や栄養の吸収が良くなり、健康な生育を促進するのだといいます。化学農薬頼みにならない健全ないちご作りもこだわり。太陽熱を利用した土壌消毒を行い、自家製堆肥で土づくり。収穫期のいちごにつくダニなどの害虫防除には、害虫の天敵をあえてハウス内に放つ手法も活用しています。さらに、一粒ずつの品質を高めるために、摘果も厳しい目で行います。「実がつく前の花の段階でも、株ごとの様子を見て摘んでしまいます。いいものだけを作りたいので、うちでは販売に適さないB品はあまり出ません」と大場さん。  手間暇を惜しまず育てられた大場さんのいちごに惚れ込んだお店も数多く、市内外のレストランやスイーツショップをはじめ、都内の一流ホテルや高級果実専門店「京橋千疋屋」でも取り扱われました。

販売時期
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

夢~さらなる挑戦~

 「将来的には、いちごの栽培規模を増やして、通り沿いなど利便性の良い場所に直売所の二号店を出すのもおもしろいと考えています。もちろん、品質を落とさないことが前提です」と、いちごの生産に力を注ぎたいと話します。  もちろん、更なる品質向上の探求にも余念がありません。  今は4対6の割合で「いばらキッス」と「淡雪」を栽培していますが、それに加えて他の品種についても検討しています。今年は試験的に「スターナイト」という品種を栽培しています。  甘みと酸味のバランスが取れた味、鼻腔から抜けるかぐわしい香り…大場いちご園は、「期待を裏切らない、おいしいいちご」を届けます。

買えるお店
大場いちご園
住所: 茨城県水戸市鯉淵町5044-16
TEL: 029-259-5860
FAX: 029-259-5860
オンラインショップ
オンラインショップ(BASE)
インフォメーション
名称 大場いちご園
住所 茨城県水戸市鯉淵町5044-16
お問い合わせ TEL: 029-259-5860
FAX: 029-259-5860
WEBサイトURL https://oba-ichigo.jp/
その他の情報 ※このページの情報は、2024年8月時点のものです。

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