いばらきの食に挑戦する人たち
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干し芋農園 川上 川上 文隆さん(東海村)
就農6年目で掴んだ栄冠
全国ほしいもグランプリ初代王者となった川上さん
大きめのさつまいもを使うのが同社のこだわり
全国で最も盛んにほしいもが生産されている茨城県。そんな茨城県で2025年に初めて開催された「全国ほしいもグランプリ」で見事初のグランプリを獲得したのが東海村の「干し芋農園川上」です。その代表を務める川上文隆さん。川上さんは就農6年目の新規就農者です。 「元々地元に根付いている産業だったので、ほしいもを作りたいと思い、思い切って就農しました」という川上さん。当初3ヘクタールではじめた農地は、現在では10ヘクタールまで拡大しました。品種は「べにはるか」が9割、「シルクスイート」が1割。ほしいもにするのは「べにはるか」のみと言います。 同じ東海村のほしいも農家で修行を積んで技術を磨いた川上さん。美味しいほしいもを作るのに重要なのは「土づくり」と言います。成分分析も積極的に行い、窒素分が過剰にならないようにコントロールし、肥料会社ともその分析結果を共有してオリジナルブレンドの肥料を作っているのだとか。畑によって土壌の状態は違い、畑によってさつまいもの大きさや形なども千差万別のため、個々の畑に合わせて管理しています。 今年は200トンものさつまいもを収穫でき、仕上がりも上々だとか。美味しい生芋を作ることが、美味しいほしいもを作るには最も重要だと語ります。
ズシっと重みのあるさつまいもを‼
乾燥時の温度と時間は毎日が微調整の繰り返しと言う
しっかりとした厚みが干し芋農園川上の特徴のひとつ
川上さんにとっての良いさつまいもとは『ズシっと重みのあるもの』だと言います。「最初から水分量がないさつまいもでは美味しいほしいもは作れない」と語る川上さん。 そんなさつまいも栽培の作業の中で最も大変なのは雑草対策だとか。とにかく畑をきれいに保つことに力を入れています。毎日が草むしりの日々。暑い日でもそれは変わりません。そんな大変な時期を経て収穫がはじまるのは9月の終わりくらいから。そこからさつまいもにキュアリング(気温:30~33℃、湿度:90~95%処理)を行い低温で貯蔵。最低でも3カ月ほど倉庫で保存後、ほしいも加工を始めます。 川上さんのほしいもの特徴は、なんといってもそのしっとり感が人気。水分量の多いさつまいもを、しっかり蒸し、カットし乾燥機にかけます。その美味しさの秘密のひとつがカットするボリューム感のあるほしいもの厚さ。試行錯誤した結果、いまの厚さにたどり着いたといいます。比較すればすぐにわかるその厚さもしっとりとした川上さんのほしいもの特徴です。もちろん、乾燥機にかける時間も試行錯誤を繰り返していまの時間と温度にたどり着いた川上さん。ひとつとして同じところに留まらないのが同社のほしいもが評価される理由なのかもしれません。
全国ほしいもグランプリを振り返る
グランプリを支えた社員やパートさんたちで繁忙期を乗り切る
役員の宮本愛里さん
「正直3位以内に入れればいいと思っていました」と思い返す川上さん。「もちろん、コンテストに出したほしいもも良いものではあったんですが、実はコンテストに出す前にできたほしいもが凄く良いできだったんです。ほしいもの生産量は茨城が1番ですが、これで美味しさも茨城が1番と証明できたことは嬉しいです」と振り返ります。 特別審査員を務めた橋本マナミさんも川上さんのほしいもを食べて「噛めば噛むほど甘みが増して、もっちり感もわたしの好みでした」と評していました。 生芋で糖度が20度まで上がることがあるという川上さんのほしいも。でも、その美味しさは甘さだけではないようです。全国ほしいもグランプリの審査員を務めたほぼ全ての審査員が口にしたのは「さつまいもの風味が凄い」という言葉。これは生芋の素性の良さが、ほしいもになっても活かされているということ。「これからも皆さんに愛されるほしいもの製造に専念していきたいと思います」と川上さん。 最近では自社ECショップとともに、インスタグラムを活用したSNS戦略にも力を入れています。スタッフの中でSNS運用が得意なスタッフに自社SNSの運用をお願いして、新たな広報戦略をとっています。新規就農者だからこそできる新しい農業の形がありました。
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干し芋農園川上では、2025年第1回全国ほしいもグランプリ優勝をはじめ、ほしいも品評会「べにはるかの部」第16回・第18回で金賞、第17回でも銀賞を獲得するなど、就農6年目とは思えない輝かしい成績を残しています。大切なのは常に試行錯誤を繰り返し、美味しさを追求することだと言います。 「他のほしいも農家さんたちがどうやって作っているのかわからないので、自分たちが特別なことをしているとは思っていません。ただ、常に試行錯誤を繰り返して、美味しいほしいもを作るために必要なものはなんだろうとテストを重ねています。それは蒸しをとっても、乾燥をとっても、切る厚みにしてもです。生芋を収穫できるのは年1回ですが、ほしいもを加工する回数は何度もあります。その1回1回を工夫しながら続けてきたことが、この6年という短期間で全国ほしいもグランプリ優勝という結果につながったんだと思います。将来的には農地ももう少し拡大して、生産量も増やしていきたいです。もっと美味しいほしいもを作りたいですね」とさらなる未来を語ってくれました。
インフォメーション | |
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名称 | 株式会社 干し芋農園川上 |
住所 | 茨城県那珂郡東海村豊岡1589-1 |
お問い合わせ |
TEL: 029-352-3666
FAX: |
WEBサイトURL | http://hoshiimo-nouen.com/ |
その他の情報 | ※このページの情報は、2025年3月時点のものです。 2024年度の予約受付は終了いたしました。 来期の販売開始は2025年11月1日になります。 |
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