いばらきの食に挑戦する人たち
茨城いちごグランプリ(いばらキッスの部) 大賞受賞! 井川 肇(小美玉市)
茨城いちごグランプリ
井川さんのいばらキッス
井川さんのいちご畑
茨城県いちご経営研究会では、平成25年より茨城県内各地のいちご生産者が丹精込めて栽培したいちごを対象に出品し、生産技術の腕を競い合う、年に1度の審査会「茨城いちごグランプリ」を開催しています。 グランプリを決める審査は以下の①~③を基準に行われ、その中から総合して最も評価の高かったいちごを、一般の部、いばらキッスの2部門で、各大賞1点、金賞2点、その他特別賞などを生産者に授与しています。 ①「立毛審査(たちげしんさ)」…審査員が栽培現場に行き、実の色や形、管理方法などを審査。 ②「品質審査」…糖度測定、形、粒の重さ・詰め方などを審査。 ③「食味官能審査」…審査員が実際いちごを見て、食べて、香りや色、酸味、食感などを審査。 今回は、今年(平成30年)の「茨城いちごグランプリ(いばらキッスの部)」で大賞を受賞した、小美玉市の井川肇さんをご紹介します。
井川さんのいちご
井川さんのいばらキッス
井川さんのいばらキッス
選別・パック詰め
小美玉市の「JA新ひたち野 小川いちご部会」の副部会長を務める井川さんは、いちご作り一筋30年。これまでは主に「とちおとめ」を栽培していましたが、平成26年から、茨城県オリジナル品種のいちご「いばらキッス」の栽培を始めたそうです。 「いばらキッスは、上手く作れれば非常に美味しい。形も綺麗だし、甘みが強く濃厚で、甘みと酸味のバランスが良いいちごだと思います。」と井川さん。 「井川さんの作るいちごは実需者からも高く評価され、菓子店などからご指名で注文が来ることも少なくないんです。」と語るのは、JA新ひたち野でいちごを担当する落合さん。「部会に出荷いただいたいちごは、まず農協で検査しますが、井川さんのいちごはほとんど検査に引っかかりません。色・ツヤが良いのはもちろん、パックの詰め方も上段・下段共に綺麗に詰められている。東京の市場でも、“井川さんのいちごがほしい”と言われることも少なくないんですよ。」と落合さん。 パック詰めを担当するのは井川さんの奥様のきよ江さん。「1パックに入れるいちごの重さは決まっています。その中で色、形のバランスを考えて綺麗に並べていくのは頭も使いますし、技術も必要です。すごく大変な作業ですが、パック詰めが乱雑だとせっかく美味しいいちごも台無しですから。」と、手早く美しくパック詰めをしながら語ります。
根っこが一番大事
井川さんのいちご作りは、土づくりから始まります。土壌分析を行い、分析結果に応じた肥料と完熟堆肥等を入れて土作りをしっかりと行い、そこに苗を植えます。 「いちごは苗の根っこの張りがいいと、しっかりとした葉と実ができるんです。冬場は地温が下がって根っこの元気がなくなるので、ハウス内の温度管理を徹底しています。」と井川さん。さらに、11月下旬からの厳寒期に入ると、新葉が小さくなり根の元気もなくなることから、“電照(苗に電気を当て日照を延長する)”を行うなどの工夫もしているそうです。
常に安定した出荷量を確保する
県内のいちごの収穫・出荷は、早いところでは11月から始まり、5月のゴールデンウィークまでの約半年間という長期に渡って続きます。 「収穫が始まってから、12月25日のクリスマスまでの期間が需要があり、そのため最も高値が付く時期ですので、まずそこでしっかり出荷できることが最初の目標ですね。」と井川さん。井川さんは、県外のいちご農家に教えを請い、早い時期(11月)にいちごを出荷する技術を習得したそうです。 「7月下旬から、いちごの苗を冷蔵庫に入れて冷やしておくんです。冷やすことで花芽分化(※)を促進して、花を早く咲かせる。」それからその苗を9月に定植すると、10月20日頃には最初のいちごを収穫できるのだそうです。 さらに、「私は、収穫期間中、安定した出荷を保つことを個人的な目標にしています。特に最盛期を超えた3月~5月にいかに出荷量を安定させることができるかが、いちご生産者として腕の見せ所ですね。」と井川さん。収穫が始まると次から次へと実を付けるいちごですが、次に出るいちごをより良質なものにするには、“葉かき”(役目を終えた葉を取る作業)とハウス内の“温度管理”が必要不可欠です。「収穫が始まると、忙しくてなかなか葉かきが出来ないのですが、時間をみつけていかにやるかが大事ですね。葉を取ることで、次に出る実に勢いが付きますから」と語ります。 ※花芽分化とは…植物が発芽後に葉や茎を大きく成長させ、花になる芽を作ることを花芽分化といいます。
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茨城いちごグランプリは、今回初出場だったという井川さん。初出場で大賞を受賞した感想をお聞きしました。 井川さん 「予想外でビックリしましたが、さまざまな技術を教えてくれたいちご農家さんや農協の担当者、家族や研修生などのスタッフのお陰です。いちご作りは、一人ではできません。これからも皆で力を合わせて、みんなに喜ばれるいちごを作りたい。農家に定年は無いので、身体に気を付けながら一生懸命やろうと思います。」
インフォメーション | |
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名称 | JA新ひたち野 小川営農経済センター |
住所 | 茨城県小美玉市川戸1450番地6 |
お問い合わせ |
TEL: 0299-58-5600
FAX: |
その他の情報 | この情報は2018年2月時点のものです。 |
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