いばらきの食に挑戦する人たち
JA水郷つくば 蓮根部会霞ヶ浦支部 部会長 江後田 実(かすみがうら市)
生産量日本一!JA水郷つくばのれんこん
穴が開いていることから「先を見通せる」縁起物としておせち料理にも使われるれんこん。近年は、美容に良い食材としても注目されています。 茨城県のれんこんは、作付面積、出荷量ともに日本一を誇り、そのほとんどがJA水郷つくば管内の霞ヶ浦周辺(土浦市・かすみがうら市)で栽培されています。霞ヶ浦周辺一帯は、豊かな水と泥炭性の肥沃な埴土に恵まれ、良質なれんこんを栽培できる環境にあるためです。さらにJA水郷つくばでは、大型ハウスの普及や品種の改良が進み、1年を通して品質の高いれんこんを収穫・出荷しています。 JA水郷つくば 蓮根部会霞ヶ浦支部は、霞ヶ浦周辺地域のなかで一番大きな部会で、会員数は158名。れんこんの出荷量は部会だけで年間約4000t(H30時点)にものぼります。 この巨大な部会を束ねる部会長の江後田さんのもとへ取材に行ってきました。
白さの秘密は土にあり
真っ白なれんこん
JA水郷つくばのれんこんは『白肌で形が良く、シャキシャキで甘い』のが特徴で、それは「有機質肥料を使って土を作り、丁寧な代掻き(※)を行って水を切らさないよう栽培すること」によるものだと言います。「良い土から天然の真っ白なれんこんを作る」というのが江後田さんら日本一の産地の信条です。 12月から4月頃までのれんこんは、土の温度が下がるため特に白肌になるそう。「私達のれんこんは生でも食べられます。冷やしてサラダ感覚で食べると、れんこんの甘みがより感じられますよ」と江後田さん。 (※)田に水を張って丁寧に掻き混ぜる作業のこと
圧巻!れんこんの掘り取り作業
高水圧の水で掘り取る
11月上旬、かすみがうら市内にあるれんこん畑に向かうと、田のなかで「れんこんの掘り取り(収穫)」をスタッフと共に行う江後田さんの姿がありました。 れんこんの掘り取りは、深さ約20センチほどの田のなかで水の水圧で泥を掘りながら収穫するというもので、この技法を用いることでれんこんを傷付けずに収穫することができます。 当たれば大人でも吹き飛んでしまうほどの水圧を、絶妙にコントロールしながら泥の中のれんこんを探していきます。
その場で井戸水で洗浄を行う
鮮度保持フィルムで包んで出荷
「これは良いれんこんだ」そう言って江後田さんが掘り出したのは、それは見事なれんこんです。 収穫したれんこんはその場で井戸水のスプレーで洗い、直ちに自宅に戻って箱詰め作業に入ります。 「れんこんは、鮮度が命。掘りたてが一番美味しいんだよ。本当は掘りたてを土付きで売りたいけど、そうはいかないので、収穫後はその場で洗浄を終えて、なるべく早く箱詰めするということを部会全体で徹底しています」 箱詰め作業は、特殊な加工が施された特許取得品『鮮度保持フィルム』に包んで行います。フィルムは、文字通り鮮度を保持してくれる役割があり、部会員は皆収穫から箱詰めまでの時間をなるべく短くすることで、鮮度を落とさないよう配慮しているのです。
1 月 | 2 月 | 3 月 | 4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 |
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江後田さんら部会員は、主に10月~11月にかけて全国各地のスーパー等で土浦のれんこんをPRする消費宣伝活動を行っています。 「普段は食べてくれた人の顔を見られる機会が無いので、こうした活動でお客さんの顔を見ることができると、とても嬉しくやりがいが感じられます。今後は作り手と売り手が1つになって『顔の見える販売』ができるようになったらいいなと思います。また、もっともっと良いものを作り、いいものだけを販売できるような場所ができたら嬉しいですね」 スーパー等に並ぶJA水郷つくばのれんこんは、消費者の前ではあくまで「茨城のれんこん」なのだと江後田さん。産地が県内の他産地をけん引して「茨城のれんこん」の質・味の底上げを図っていきたいと語ってくれました。
インフォメーション | |
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名称 | JA水郷つくば 霞ヶ浦支店 |
住所 | 茨城県かすみがうら市深谷3434-12 |
お問い合わせ |
TEL: 029-897-0583(代)
FAX: |
その他の情報 | ※この情報は2018年11月時点のものです。 |
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